超久しぶりに「きのあ将棋」の「上級郷谷さん」に勝負を挑んでみました。
もう何年ぶりかな・・・っていうくらい久しぶりの対局です。
なんでこんなに間が空いているのかというと、数年前、数十連敗して心を折られているからです・・・
郷谷さんには敵わない・・・
勝てるわけがない・・・
読みが違いすぎる・・・
もう嫌だ・・・負け続けるの疲れた・・・
俺は弱い・・・カスすぎる・・・
将棋はもうダメかもしれないな・・・
見る将になって大人しく観戦するのがお似合いだ・・・
こんな感じであまりの連敗っぷりに完全に心が折られ、将棋が怖くなりちょっと距離を置くようになっていましたから。
郷谷さんが怖くて、きのあ将棋の対局のページをクリックできなくなっちゃってね・・・
格下の将棋Flashとしか対戦できないようになっちゃいましたよ・・・
でも、そこから数年・・・
将棋Flashと対局し続けてきた事でちょっとずつ将棋で勝つ感覚を取り戻しつつあり、将棋への熱が戻ってきました。
そして、強い相手と対局したい気持ちが復活してきたんです。
これはもう一度いくべきなんじゃないか・・・
最近、そんな気持ちが膨れ上がってきましたね。
郷谷さんにリベンジしたい!
今まで失われていた前向きな気持ちが戻りつつあり、恐怖を乗り越えられそうになりました。
その勢いできのあ将棋のサイトにアクセスする・・・
「コンピューター棋士との対局」をクリック・・・
画面をスクロールしていく・・・
いた、郷谷さん(上級)だ・・・
いくぞ!今度こそ勝つんだ!やるんだ!いけ!
クリック!
ついに今まで恐れていてクリックできなかったきのあ将棋の郷谷さんの対局ページに入る事ができました。
郷谷さんに負けまくって心を折られてから1年以上・・・
ずっと逃げ続けてきた強敵が今、目の前に・・・
やっとまた挑めるだけの気持ちに戻れたのか・・・
折れた心が少しだけ復活した事が嬉しかったですね・・・
でも、ここで負けたらまた数年前の二の舞になってしまう・・・
今度こそ勝つ!
そんな意気込みで挑んだ上級郷谷さんとの一局・・・
一度心を折られた影響でビクビクしながらも指した強敵への挑戦を見てください。
将棋って気持ち1つでここまで指し手に影響するんだ・・・
そんな対局者の心が見える将棋を楽しんでいただけたらと思います。
上級郷谷さんとの一戦、練習してきた振り飛車に託す
久しぶりの対局・・・先手は私・・・
郷谷さんは居飛車が多いのは過去の対局で経験済み・・・
そして相居飛車でいって惨敗したのも経験済み・・・
同じ事をやっても数年前の二の舞になってしまいますから・・・
どうにか新しい対策をしないといけない・・・
となると、ここは将棋Flash相手に練習してるアレに頼るしかないか・・・
▲7六歩 △8四歩・・・
予想通り△8四歩 で居飛車を宣言する郷谷さん・・・
▲2六歩 と突きたいけど相居飛車は怖い・・・
角換わりのような激しい将棋になったら勝機はない気がする・・・
よし、ここはアレでいこう、意を決して指す。
▲6八飛(下図)
三間飛車とどっちがいいか迷いましたが、オーソドックスな四間飛車にしました。
最近、相手が居飛車だったら振り飛車を指すクセがついているのでちょっと試したいのもありましたしね。
穏やかな将棋になりやすいので怯えてる私にはピッタリかと思います。
そして駒組みが進み、戦形は「四間飛車 vs 左美濃」になりました。(下図)
望み通りのゆっくりした将棋・・・これならマシかな・・・
ただ、後手の指した上図の△6四歩 は未体験ですでに知らない将棋に突入しています。
将棋Flashは△5四歩型が多いですからね。
ここからどう進めるのがいいのか・・・未知の将棋が始まります・・・
序盤早々、私に悪手が出る
駒組みが頂点に達してきた上図・・・
△6四歩 のせいで角道をあけられず窮屈な陣形になってしまっています・・・
すでに作戦負けか・・・さすが郷谷さん・・・ぬかりがねぇ・・・上手くやられてるよ・・・
でも、そろそろどこかから仕掛けないと将棋が始まらない・・・
「ここは将棋Flashになら通じるあの手しかないか」
そう思った私は仕掛けを求めて悪手を指してしまいます。
上図以下、▲9八飛(下図)
端から攻めようと飛車を回った一手。
でも、これはAperyの検討で分かりましたが悪手でした・・・
ここから△8六歩 ▲同歩 △6五歩 ▲6八飛 △5五歩 ▲6七銀 △6四銀(下図)
と仕掛けられていたら後手が450点くらいよかったみたいです。
序盤早々、仕掛けるつもりが仕掛けのチャンスを与えてしまっていたとは・・・やっぱりまだまだ私は弱い・・・
でも、きのあ将棋は違う手を指してきたので助かりました。
▲9八飛以下、△5五歩 ▲6七銀 △8四飛(下図)
と端攻めを受けてくれる展開になったのでどうにか劣勢は免れましたね。
仕掛けが封じられましたし他の攻め筋も見えないので、ここから地味な駒組みが続きます。
上図以下、▲2七銀 △5四銀 ▲3八金(下図)
銀冠に組み替え様子を見る事にしました。
仕掛けられないなら仕掛けてもらうしかないかな?とも思っていましたしね。とりあえず待つ方針です。
上図以下、△6五歩 ▲同歩 △同銀 ▲6六歩 △5四銀(下図)
△6五歩 に対して何か反撃できないかと悩みましたが、怖かったので無難な一歩交換で済ませました・・・
前に心が折られてビクビクしてるので思い切った一手が指せませんね。
手待ちして様子を見て「そろそろかな?」というタイミングで仕掛けてみた
仕掛けるに仕掛けられず、後手からも仕掛けが来ず、手待ちしながら駒組みをしていたのが上図です。
▲5八銀 ~ ▲6七銀 を繰り返して後手だけ手が進んだ状態ですね。
ただ、ちょっと飛車の位置がおかしいし、囲いも変な形になったので「ここが仕掛け時かな?」と思い仕掛けてみました。
上図以下、▲8六歩 △同歩 ▲同角 △同角 ▲同飛 △8五歩 ▲8八飛(下図)
角交換を狙ってみたんですが、ここ、Aperyで検討したら▲8六歩 に△8一飛 と回られたら後手が800点くらいよかったみたいです。
仕掛けは無理筋だったみたいですね。
でも、きのあ将棋は角交換に応じてくれたのでどうにかなりました。ここで評価値は互角になっています。
とりあえず局面が少し動いたのでここから進展しそうですね。
きのあ将棋に悪手が出る
角交換をした上図、ここからきのあ将棋が悪手を指しました。
上図以下、△4九角(下図)
一瞬ビックリしましたが、冷静に対処したら大丈夫な一手でした。
上図以下、△5八銀 ▲同角成 △同飛 ▲4九銀 △8八飛 ▲3八銀不成 △同銀(下図)
玉はちょっと薄くされましたが駒得が大きくここで評価値は先手に振れました。
ここから冷静に指せば久しぶりの勝利が近づいてくる・・・緊張感のある中盤になりましたね。
上図以下、△6三銀 ▲7五歩 △3五歩 ▲同歩 △7五歩 ▲7四歩(下図)
浮いた金と銀の両取りを狙う筋として7筋から仕掛けてみました。
最後の▲7四歩 を△同銀 と取れば▲5二角 の金、銀両取りが決まって勝ちが近づきますしね。
けっこういい感じで進んでるのでいける気がしてきましたね。
上図以下、△6五桂 ▲同歩 △7六歩 ▲8五飛 △7四銀 ▲8二飛成(下図)
飛車を成り込めて好調です、郷谷さん相手に優勢になるって中々ないのでドキドキしてきました。
ただ、ここから怯えが影響して指し手が弱気になってきます。
心が折れている影響・・・指し手が弱気になる・・・
飛車を成り込めた上図、ここから一気に寄せにいければいいんですが、実戦はそうなりませんでした。
心が折れて弱気になっているので郷谷さんの一手一手に怯えていましたから。
その怯えの始まりがこちら。
上図以下、△8八歩 ▲同竜(下図)
桂取りに打たれた△8八歩、これに怯えて取りにいってしまいました。
中学生くらいの自信があった頃ならこんな歩は無視して▲2五歩 と攻めにいってたんですが・・・
郷谷さんに怯えている今はつい安全勝ちを狙いにいってしまいますね・・・
そしてここからも受けに回る怯え将棋が続きます・・・
上図以下、△6五銀 ▲5七歩(下図)
銀に働かれては敵わんとそれを防ぐ▲5七歩・・・
▲8八同竜 から流れは郷谷さんにいきかけているような・・・
さらにここから怯え将棋の受けまくりの手が続きます。
上図以下、△6六歩 ▲6八歩(下図)
垂らしの歩も怖くて受ける・・・攻め合いになったら読み負ける恐怖から「安全に安全に」と思ってるのが分かりますね。
ここからさらに攻められ、受け一方に回る怯え将棋が続きます。
上図以下、△5六歩 ▲同歩 △3六歩 ▲同金 △5七歩 ▲4七銀打(下図)
形を乱され歩を垂らされましたが、それも受ける、ここまで来たら受け切ってから反撃するくらいの感じでしたね。
こういうのが逆転を生むっていうのに・・・
怯えまくって形勢がちょっとずつ郷谷さんに振れだしている感があります。
特に、気持ちで負けているというのが形勢以上に大きい負け要素ですね・・・
ここからちょっと攻められて微妙な感じになっていきます。
上図以下△3二金 ▲8二竜 △5八歩成 ▲同銀 △4八金(下図)
ちょっと絡まれ出して攻めが成立しかけてきました・・・やっぱり怖がりすぎたか・・・
上図以下、▲4九銀左 △同金 ▲同銀 △4七銀(下図)
▲4九銀左 はミスですね、まだ▲4七銀左 だったか・・・
急所を直撃する△4七銀 を打ち込まれ怪しくなってきています。
怖がって受けていたせいで受けの精度が悪く反撃のチャンスを与えてしまいましたね。
上図以下、▲2七金 △5六銀上 ▲6三角 △8八歩(下図)
ガッツリ絡まれてピンチです・・・おまけにまた竜引きを催促する△8八歩・・・
怯え将棋もこれ以上怖がったら負けると分かっていたのでここから無理やり反撃に出ました。
怯えつつも反撃、最初からこうしてればよかった
竜引きを催促された△8八歩、これを無視して反撃に出ました。
上図以下、▲2五歩 △同歩 ▲同桂 △8九歩成(下図)
自玉も危ないけど、後手玉も安全じゃない状態に持ち込もうと必死に攻めていきました。
桂馬が跳ねられたのはけっこう大きく、なんとかいけるかな?と思いましたね。ただ、反動もキツいので怖かったです。
上図以下、▲1三桂成 △同桂 ▲1五歩 △3六銀成 ▲同金 △1五歩(下図)
お互いに玉頭が薄く、先に攻めた方がチャンスを掴めそうな感じですね。
ここで狙いの一手を指します。
上図以下、▲1四歩 △2七歩 ▲同玉 △2四桂(下図)
▲1四歩 は△同銀 なら▲2四桂 を狙った一手。けっこういい手っぽいですよね。
実戦はそう進まず、きのあ将棋に玉の頭を叩かれてから△2四桂と攻めの手を指されました。
でもこれはミス、ここは攻めではなく受けが必要だったからです。
なんとここから詰んでいました・・・
実戦は詰みに気づかず無難な寄せをしたんですが、ここで詰みます。
実戦詰将棋として考えてみてください。
では答えです。
上図以下、▲1三歩成 △同玉 ▲2五桂 △1二玉 ▲1三銀 △2一玉 ▲2二歩 △1一玉(下図)
と玉を下段に落としてこのまま詰みます。
実戦はここで▲3二竜 と金を取ってきのあ将棋の投了となりましたが、詰むなら詰ませて勝ちたかったですね。
上図以下、▲1二歩 △同銀 ▲同銀成 △同玉 ▲1三銀 △2三玉 ▲1二角 △1四玉 ▲2六桂(下図)
までの詰みです。
△2三玉 と逃げられたらスルスル上に逃げられるんじゃないかと怖くて指せませんでしたが、よく見たら詰んでましたね。
郷谷さんに怯えるばかりに単純な詰みも見逃すなんて・・・
ホント、心が折られて恐怖に支配されてるのが分かる瞬間ですよ・・・
でも、久しぶりに対局したら勝てたので結果オーライって事で。
いや~、勝てると思ってなかったので最後、投了された時にちょっと感動しちゃいましたよ。
うわ、勝った・・・マジかよ・・・何十連敗もしてたのに・・・数年ぶりの挑戦で勝っちゃったよ・・・
って感じでね。ちょっと信じられません・・・
でも、勝てないこともないのか・・・もうちょっと頑張ってみようかな・・・って思えた立ち直りの一局になったので、これからはもうちょっと怖がらずに将棋を楽しんでいこうと思います。
数年ぶりに郷谷さんに勝利か・・・
多分、次にやったら負けるんだろうけど、可能性が0じゃないと分かっただけでも嬉しいですね。
これからは気合がある時に郷谷さんに挑戦して相手の指し手に怯えながらもドキドキできる対局を体験していこうと思います。
最後に
数年前、心を折られるくらい負けまくった郷谷さんにようやくリベンジできた一局でした。今見返すと、私がいかに郷谷さんに怯えているかが分かる将棋でしたよね。
中盤の受けまくりの安全勝ち狙いは、ギリギリの読み合いでは勝てないという心の怯えが見えましたから。
それのせいで差が縮まって終盤は危うくなるし・・・
これからの課題は、郷谷さんとの読み合いでも競り勝てるくらいの棋力を身につける事ですね。
「読み切った、ギリギリだけど見切った勝利だった」みたいな感じだと一番気持ちいいですから。
今の怯えた心でそんな将棋が指せるとは思えませんけどね・・・
そこまで自信をもって将棋が指せるのはずっと先の事だと思います。
郷谷さん相手に一歩踏み込んだ将棋が指せる時か・・・
そんな日が来たら私はだいぶ成長して強くなってますね・・・
まずはこの怯えを消すことから始めないと・・・
とりあえず、5回に1回は勝てるくらいになりたいかな・・・
今は疲れ切って気力がないから、また気合が戻ってきたら郷谷さんに挑戦しようと思います。
次は相居飛車でガッチガチに切りあって勝てる将棋が指せるといいんですけどね。
郷谷さんに相居飛車で勝つ
これを目標に今年はちょいちょい挑戦していこうと思います。