きのあ将棋の「ロレンツィオ(中級)」に後手番で挑戦しました。
三間飛車、四間飛車といった振り飛車の使い手らしいんですが、先手番で挑んだ時は角交換からの力戦になり見る事はできませんでした。
後手番で挑んだら伝家の宝刀である振り飛車を見る事はできるのか・・・
ロレンツィオの本領発揮なるか・・・
ドキドキの対局です・・・
きのあ将棋の振り飛車は油断ならないからけっこう怖い相手ですね。
じっくり抑え込んでジワジワいく感じになるといいんだけど、そんな上手くいくのか・・・
振り飛車党であるロレンツィオとの一局をご覧ください。
オーソドックスな三間飛車 vs 居飛車急戦に進む
先手が「ロレンツィオ」、後手が「私」です。
上の図は、前とは違いオーソドックスな三間飛車 vs 居飛車急戦に進んだ所です。
やっぱり前はちょっとしたプログラムのバグだったのかもしれません。
こっちの方が駒組みが自然だったので、これがロレンツィオの王道パターンみたいです。
先手番でもう1回挑戦した方がいいかな?ちゃんとした振り飛車を見てないし・・・あの勝ちはロレンツィオの力を出し切れてないから真の勝利じゃないっぽいし・・・
そんな事を思ってしまいましたね。
本局はじっくりした振り飛車・・・昔、郷谷さんの振り飛車にボロカスにやられたトラウマを思い出します・・・
きのあ将棋の振り飛車は怖くてたまらないよ・・・
ここから怯まずいけるのか・・・そこに掛かっていますね・・・
とは言っても、そろそろ仕掛け時、ここからいきます。
上図以下、△6四銀 ▲6五歩(下図)
出た銀にいきなりの反発・・・ちょっとビックリしましたがこれはありがたいような・・・
上図以下、△7七角成 ▲同桂 △5三銀引 ▲6六角(下図)
この展開、過去に経験があり、馬を作って後手よしの流れです。このまま自然に指します。
上図以下、△4四角 ▲8八飛 △6六角 ▲同銀 △7九角 ▲8九飛 △4六角成(下図)
自然な流れで馬を作ってここは後手よしの流れですね。
このままゆっくり押し切れば順調に勝ち切れる
そんなちょっと楽観した気持ちがありましたが・・・このまま上手くいかないのが私の弱さ・・・
この後、このわずかな優勢を守れず局面は怪しい雰囲気になっていきます。
対応を誤り劣勢に、読みの甘さが目立つわ・・・
上の図は、馬を作って後手有利の局面です。
このままじっくりいければいいんですが、そう上手くいかないのが実戦の恐ろしい所で・・・
ここから形勢が徐々に先手に傾いていきます。
上図以下、▲5七金 △2四馬 ▲3六歩 △7五歩(下図)
△7五歩 の狙いは金の紐を切って馬でボロっと取る事です、まぁそんな上手くいくわけないんですけどね・・・
でもこの辺りまでは良い感じでした。ただ、次の一手の対応を誤り、ここから形勢が怪しくなります。
上図以下、▲3七角(下図)
この角の睨みへの対応が難しかったんですよね・・・
よく食らう筋なんですが、いつもこの角には困らされています。
ちなみに、Apery推奨の正しい対応手順はこんな感じです。
上図以下、△9二飛 ▲8五桂 △7六歩(下図)
シンプルに飛車を△9二飛 とかわす方が良かったみたいです。言われてみればこれが一番無難ですよね。
上図以下、▲7九飛 △3三桂 ▲7六飛 △4五桂(下図)
右辺はそこそこにして左桂を活用するのが好手だったみたいです。両取りが決まって好調ですね。
上図以下、▲4八角 △5七桂成 ▲同銀 △7三歩(下図)
攻めるだけ攻めて冷静に△7三歩 で収める、これがApery推奨の手順でした。
こうなってれば優勢を維持できたんですが、私が指したのは△9二飛 ではなくこんな一手でした。
△7三銀
素直に受けるのが嫌でちょっと抵抗した感じですね。ただ、ここから形勢が先手に傾いていきます。
上図以下、▲7五歩 △8四飛 ▲8六歩(下図)
シンプルに▲7五歩 と取られて仕掛けが反発のキッカケになり失敗です。次の▲7四歩 が厳しいですね。
そして角筋を受けた△8四飛 も当たりが強くなって悪手、▲8六歩 で「あっ」っとなりました。
上図以下、△8六同歩 ▲8五歩 △8三飛 ▲8六飛(下図)
先手の飛車が捌けて後手の劣勢がハッキリしました・・・せっかく優勢だったのに・・・何やってんだか・・・
上図以下、△9三香 ▲7四歩 △同銀 ▲8四歩 △8五歩(下図)
どうにか抵抗しますが、ここはもう最悪の展開ですね。居飛車が飛車交換をしたらほぼ負けですから・・・
上図以下、▲8三歩成 △8六歩 ▲7一飛 △8七歩成(下図)
飛車交換から絶好の位置に飛車を打たれピンチになります。これは抑え込みに失敗した一番ダメな例ですね。
はぁ・・・また負けか・・・リベンジマッチをしなきゃなぁ・・・って感じでしたよ。
上図以下、▲9三と △7三歩 ▲8一飛成 △7七と(下図)
ただ、ここでちょっと希望の光が・・・▲9三と がちょっとぬるかったっぽいです。
とはいっても、まだまだ先手優勢で受けに回る展開になりますけどね。
ここから頑張って逆転の道へ・・・いけるのか・・・
上図以下、▲2六香 △1三馬 ▲4四歩 △同銀 ▲7三角成 △7六と(下図)
△7六と が指せてちょっと希望が湧いてきましたね。少しずつ反撃のキッカケを掴みつつあります。
上図以下、▲4五歩 △5三銀 ▲7四馬 △6六と ▲同金 △6八飛(下図)
こちらも飛車を打ち返し、ちょっとずつ盛り返してきました。
ただ、ここも先手の対応次第でまだまだ難しい局面でした。
▲5八桂 と受けられたらまだまだ互角でしたから。
あと、怖かったのはこの一手です。
上図以下、▲3三桂(下図)
急所を直撃する桂馬、これを指されていたら正しく対応できた自信はありません。
局後のAperyの検討では後手有利になるみたいなんですが、その手順がとても指せそうもありませんでした。
以下、一例を示します。
上図以下、△3三同金 ▲4一銀 △2二玉(下図)
なんと、一番恐れていた銀の割り打ちを決めさせてしまう△3三同金 が最善手でした。これは指せない・・・
上図以下、▲5二銀成 △4六桂 ▲3一金 △2四歩(下図)
「△2四歩 で寄らないでしょ?」というのがAperyの主張でした。こんな怖い展開、とても踏み込めませんよ・・・
上図以下、▲2一金 △2三玉 ▲6七金 △同飛成 ▲7三馬(下図)
自玉の安全を確保し、ここから後手が一気の寄せにいきます。
上図以下、△3八桂成 ▲同金 △4九銀 ▲3九金 △5八竜 ▲3八桂 △4七金(下図)
これで後手勝ちというのがAperyの読みでした。さすがの読みですね、怖すぎて指せない手ばっかりでした。
こんな風にギリギリを読み切って勝てればいいんですが、そんな力が私にあるわけもなく・・・
▲3三桂 を打たれていたら負けでしたね・・・
でも、あの局面、ロレンツィオが指したのは違う一手でした。それがこちら。
▲7五馬
これが逆転を生むちょっとぬるい一手でした。救われましたね、次の一手で逆転します。
上図以下、△4六桂(下図)
急所に桂馬が入り、ここから後手優勢に変わります。飛車交換をしてしまった時はどうなるかと思いましたが、何とかなったかもしれません。
上図以下、▲4八銀 △3八桂成 ▲同金 △4九銀(下図)
ここはもう逃せないとばかりに徹底的に絡みます。
上図以下、▲3九金 △5八銀成 ▲7六金 △4八銀成 ▲同馬 △4七銀(下図)
馬を消せそうで順調な寄せに入ってきました。このまま寄せ切れるのか・・・
上図以下、▲3七銀 △4八銀不成 ▲同銀 △7一歩(下図)
攻め切るのかと思いきや、ここで▲3三桂 の筋が怖くなって受けに回りました。とりあえず竜を止めておかないと危ないと思いましたしね。
ただ、こういう手が逆転を生むので要注意だったりもします。
上図以下、▲1五歩 △同歩 ▲同香 △1四歩 ▲7一竜(下図)
端に手をつけてから▲7一竜、ちょっと油断できません、ここは受けに回ります。
上図以下、△6二銀 ▲8一竜 △7一歩 ▲7四桂(下図)
△7一歩を打ててホッと一息と思いきや、嫌な桂馬を打たれてちょっとドキドキ。
「受けになってなかったかな?」そんな不安が頭をよぎりました。ただ、中途半端になるとダメなので受けに徹します。
上図以下、△5一銀 ▲1四香 △同馬 ▲1三歩 △同馬 ▲1二歩 △同香 ▲4七銀打(下図)
端でゴチャゴチャされた後、▲4七銀打 と受けに回ってくれて助かりました。ここから寄せにいきます。
終盤の大ミスが頭をよぎってドキドキの寄せ、ミスはできない
ここから寄せなんですが、ついこの間の「宇氏みう香」戦での大ミスが頭をよぎってドキドキしちゃいまいたね。
また大ミスするんじゃないかって感じで・・・
どうにか逆転した局面なんでそうならないように慎重にいきました。
上図以下、△4六香(下図)
△4六香 が寄せのスタート、まぁこれは大丈夫だよね?ミスじゃないよね?
上図以下、▲1四歩 △4七香成(下図)
▲1四歩 にちょっとドキっとしました、怯えて取ると香車を外されますからね。
ここはよく読み、冷静に踏み込みます。この形に持ち込めれば寄せもあとちょっとです。
上図以下、▲1三歩成 △同香 ▲1四歩 △同香 ▲2三香成 △同玉 ▲1六歩(下図)
王手をかいくぐり、ようやく寄せの手番が回ってきました。ここから地道に寄せます。
上図以下、△4六角 ▲3七角 △同成香 ▲同桂 △4七香(下図)
先手に金駒を渡さないように安い駒で寄せていきます。
上図以下、▲2六香 △2四歩 ▲同香 △同玉 ▲3八玉(下図)
王手も終了し、ここで先手玉が詰みます。色々な手順がありますが、実戦詰将棋として考えてみてください。答えは数行下に書きます。
では答えです。
上図以下、△4八香成 ▲同金 △3七角成(下図)
ここでロレンツィオの投了となりました。中盤はミスりましたがどうにかなりましたね。
以下、詰み手順を一例ですが書きます。
上図以下、▲3七同玉 △4六銀(下図)
から詰みます。取ると△4八飛成 から簡単に詰むので▲2六玉(下図)と逃げますが・・・
上図以下、△2五歩 ▲1七玉 △1六香 ▲2八玉 △4八飛成 ▲3八角 △1八金(下図)
までの詰みです。
時間は掛かりましたが、実戦でちゃんと読み切れたので今回はちゃんとした勝利でしたね。
いつも投了されても読み切れてなかったので、勝ったけど読み負けた感がありましたが、今回は大丈夫でした。
あ~勝ててよかった・・・
リベンジマッチになったらもう自信がなかったですからね・・・
中盤の逆転があった辺り、やっぱりきのあ将棋の振り飛車はちょっと厄介です・・・苦手ですね・・・
ロレンツィオは新たなトラウマを植え付けてくる強敵になるかもしれません。
最後に
きのあ将棋のロレンツィオ(中級)にどうにか勝った一局でした。純粋な振り飛車でロレンツィオの本領発揮だった感じなので、真の勝利と言えるかもしれません。
前回の先手番では謎の力戦でロレンツィオの力が出せてない感じがありましたからね。
振り飛車のロレンツィオに勝てて嬉しいです。
それに、最近ちょっと将棋記事を書くのに疲れてきたから負けなくて良かったです。
負けるとリベンジマッチをして勝つまで記事を書かなきゃいけなくなるから助かりましたね。
1局だけで済んでホッとしてますよ・・・
これで一段落したし、ようやくきのあ将棋の記事も終わりを迎えそうです。
あとはリラックスモードでの記事になりそうですね。
気が向いたらまた対局して、ゆっくりと記事にしていこうと思います。
あ~疲れた・・・
ちょっと将棋は休もうかな・・・