つい先日、きのあ将棋の「よくある詰め 636」に挑戦しました。
問題はこちらです。
きのあ将棋の「よくある詰め 636」のリンクはこちら。
詰将棋なのでここから詰むんですが、これ、解けますか?
これ、なかなかの難問です。
自信のある方は上記のリンクから挑戦した後でこの記事を読んでもらえると嬉しいです。
後半に答えを書いておきますので、分からなかった方は参考にしてください。
1時間半考えても詰まなかった・・・まずはハズレ手順をご覧ください
きのあ将棋側から出されたヒントは「初手に馬を使う」でした。
初手に馬?そうなると候補手は1手に絞られる・・・
上図以下、▲6二馬(下図)
初手が分かると詰将棋はちょっと難易度が下がりますよね。読む範囲が狭まりますから。
ただこの問題、ここから手が広く、読みがメッチャ必要な問題でした。
まずは簡単に詰む変化から読みます。
仮にこの馬を△6二同金(下図)と取ると・・・
上図以下、▲8三金△同玉▲8四飛△9二玉▲9三歩△同桂▲8二金(下図)
で詰みます。
かといって単純に玉を逃げる△8三玉(下図)だと・・・
上図以下、▲8四馬△9二玉▲8三金△同金▲同馬△9一玉▲9二金(下図)
で詰みます。
これで解けていたら簡単でいいんですが・・・高難易度の問題、そう簡単ではありません・・・
ここで正しく逃げられると一筋縄ではいきませんから・・・
それがこの一手、△8二玉(下図)です。
こうなると先ほどの単純な詰み手順では詰まない難解な詰将棋に突入します。
先ほどの詰み筋を意識して考えると色々な手が見えますよね。
▲8三金、▲7一馬、▲9二金・・・
どうにか玉を詰まそうとそれっぽい王手が色々あります・・・
とりあえずこの3手を読んでいったんですが・・・どうにか詰みそうなのは▲9二金(下図)かな?と読みを進めました。
上図以下、△9二同玉▲8四桂(下図)
この桂馬の王手が詰みそうで詰まないギリギリの惜しい一手でした。
仮に△8二玉や△8三玉(下図)と飛車の利きが通った筋に逃げると・・・
上図以下、▲7二桂成△8四歩▲同飛△9三玉▲8三金(下図)
で詰みます。
ただ、正しく応じられるとスルッと逃げられて詰みません。それがこの一手。
△9三玉(下図)です。
ここから最後のお願いと王手を掛けますが、正しく応じられ詰みません。
上図以下、▲9四歩△同玉(下図)
▲9四歩に△8三玉とか逃げてくれると詰むんですけどね・・・正しく応じるとギリギリ逃れているので惜しくも捕まりません。
ただ、ギリギリ詰みそうなので何か手があるんじゃないかとこの変化を中心に考えてみました。
30分・・・
1時間・・・
1時間半・・・
お昼を食べるのも忘れて読んでいきましたが・・・
惜しいけど一向に詰まない玉・・・
でも、他の手だともっと詰みそうもない・・・
あれ?この手じゃない?でも、他の手となるともうないような・・・
唯一残されたギリギリ詰みそうな変化なだけに詰まなくても読みを打ち切れませんでした。
この変化に詰み手順が隠れてるはず、何かあるはず、△9三玉の時に何かあるはずなんだ・・・
そう思い読んでいきましたが全く詰む気配がありませんでした・・・
そしてようやく諦める・・・
これ、詰まないな・・・じゃあ他の手?
でもちょっと待ってよ・・・他の手も詰まないよ?
何か見落としてる?見つからない絶妙手がある?そんな手があるのか・・・
いくら考えても見えない手・・・
もう分からん・・・1時間半も同じ変化をグルグルグルグル・・・頭は混乱状態です・・・
これはもう諦めるしかないか・・・
私の棋力ではこの問題は解けません、読める限りの手を読んだけど答えになりそうな手が見えませんでしたから・・・
負けました・・・
また負けましたよ・・・
きのあ将棋様に完敗です・・・
私には解けません・・・
参りました・・・
・・・
・・・
・・・
ただ、負けを認めても答えのページがないのが辛い所なんですよね・・・
答えを知りたい・・・どうにかこのモヤモヤを晴らしてほしい・・・
こうなったらアレに頼るしかないか・・・
自力で解決できないので神様に頼ります。
Apery先生、出番です!
頼みの綱、ソフト先生に答えを聞いてみる事にしました。
どんな手順で詰むのか・・・それを知らずに今日は眠れませんから・・・
最強クラスのソフト先生、答えを教えてください。
棋譜をコピー、貼り付け!
検討ボタン、クリック!
さあ、答えを教えてくれ!
そしてそこで示された答えは私が8時間考えても解けなさそうな一手でした・・・
全く読んでない一手が答えだった・・・
Apery先生に答えを聞くと、わずか1秒足らずで答えを示してくれました・・・さすが、神様はレベルが違う・・・
そして、その答えを見ると、1秒たりとも読んでいない一手が答えでした・・・
上図以下、▲6二馬△8二玉▲8四飛(下図)
初手▲6二馬と△8二玉までは合ってました。
ただ、次の一手が全く読んでいないっていうかパッと見で詰まないと打ち切った一手でした・・・
▲8四飛・・・これは見えない、詰みそうもない一手だから・・・これで詰むのか・・・
次に△8三歩と受けられたらどうするのか分からないけれど・・・Apery先生はその先を答えとして示していました。
上図以下、△8三歩▲同飛成(下図)
飛車切り・・・これはヤケクソ王手にしか見えない・・・でも、ここから詰みます・・・
玉で取るか金で取るか、ここは2通りあるんですが、まずは△8三同玉(下図)と玉で取った変化から・・・
上図以下、▲9四金△8二玉▲8三歩△同金▲同金△同玉(下図)
と清算して詰みます。
上図以下、▲9四金△9二玉▲8四桂△9一玉▲9二金(下図)
までの詰みです。▲9四金が取ると詰みなので取れない良い一手ですね。
こちらの変化はまあまあ分かりやすいです。ただ、もう1つの変化が難しくて私にはとても解けそうもありませんでした。
それが玉じゃなく金で竜を取るこの一手です。
△8三同金(下図)
これを詰ますとなるとなかなか難しいです。示された一手がビックリでしたね。
上図以下、▲7三金(下図)
これは見えない・・・金も桂馬も利いている所へ金を捨てるとは・・・ここから詰むのか・・・将棋は恐ろしい・・・
ここは3つに分岐しますね。「金で取る」か「桂馬で取る」か「玉を逃げる」か、まずは金で取る△7三同金(下図)から・・・
上図以下、▲7三同馬△同桂▲8三歩△同玉▲9四金(下図)
馬切りがビックリしましたね、全く見えませんでした・・・ここから詰みます。
上図以下、△7二玉▲8四桂△8二玉▲9二金(下図)
までの詰みです。
次は桂馬で取る△7三同桂(下図)です。
上図以下、▲7一馬△9一玉▲8一金△9二玉▲9三歩△同金▲8二金(下図)
までの詰みです。
最後に玉を逃げる△9一玉(下図)です。
上図以下、▲9二歩△同玉▲8三金△同玉▲9四金(下図)
から詰みます。▲9四金がよく出てきますね。
上図以下、△9二玉▲8四桂△8二玉▲9二金(下図)
までの詰みです。
ただでさえ飛車切りが見えなかったのに、さらに見えない▲7三金を読むなんて・・・私には解けない問題でした・・・
これを全部読み切って解けた方はすごいですね。けっこう棋力が高くないと無理だと思うので、二~三段くらいはあるような気がします。
解けなかったけどメッチャ考えて頭がフル回転したので、久しぶりに良い頭のトレーニングになりました。
こういう難問を用意してくれたことに感謝ですね。
ちょっと補足
上の図は▲8四飛と王手した所です。
先ほどは、ここで歩を合駒したんですが、頭の丸い駒だとどうなるの?という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
前に進める駒なら同じ手順で詰むんですが、桂馬だとちょっと難しそうですしね。
全く違う手順で詰むので、その手順も書いておこうと思います。
上図以下、△8三桂(下図)
上図以下、▲9二金△同玉▲9四飛(下図)
の飛車の王手から詰みます。
上図以下、△9三金▲8四桂△9一玉▲9二金△同金▲同桂成(下図)
までの詰みです。
頭が丸いと桂跳ねのスキができるんですね。ここまで読み切っていたら完璧です。
とても見えない手ばっかりで解けなかったのも納得ですよ・・・まだまだ詰め将棋の練習が必要ですね・・・
きのあ将棋での実戦譜
ちょっと答えの解説でゴチャっとしたので、きのあ将棋相手に詰まそうとするとどんな手順になるのかを書いて終わろうと思います。色々分岐がありますが、実際にきのあ将棋を相手に詰ますとこんな手順になりました。
上図以下、▲6二馬△8二玉▲8四飛△8三歩▲同飛成△同玉▲9四金△8二玉▲8三歩△同金▲同金△同玉▲9四金△9二玉▲8四桂△9一玉▲9二金(下図)
までの17手詰めが正解でした。
きのあ将棋の対局画面で詰ます時はこちらの手順を参考にしてください。
最後に
きのあ将棋の「よくある詰め 636」に挑戦したら解けなかった話でした。きのあ将棋で出題される詰将棋の4問目はいつも難問なので苦労してます。
頑張れば解ける問題もあるんですが、今回みたいにどんなに頑張っても解けない問題もあって大変ですよ。
パッと見詰まなそうで考える事もなく切り捨てた▲8四飛、そしてその飛車を切ってからの▲7三金打・・・
これは1日考えても見えなかったと思うので降参して正解でした。
実戦だったら負けてたので悔しいですが、まだまだ棋力が足りないのでしょうがないですね・・・
こんな詰み筋があるなんて・・・いい勉強になりましたよ・・・
実戦なら間違いなく踏み込むこともなく投了してたので、最後まで突っ込む気構えは必要かもしれませんね。
これからもきのあ将棋の詰め将棋に挑戦して色々な筋を勉強していこうと思います。
良い問題を作っていただきありがとうございました。