今回は、きのあ将棋のクッキーに31手で勝った一局を紹介します。
入門者向けの分かりやすいミスをとがめ、手筋の一手が決まると早く終わる一例をご覧ください。
無難な駒組みからスタート
先手が「私」、後手が「クッキー」です。初手から、▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △６二銀（下図）
角道と飛車先を突く普通のスタートに対し、めずらしい△６二銀 を指してきました。
とりあえず居飛車っぽく普通に進めます。
上図以下、▲２五歩 △８八角成 ▲同銀 △３二銀（下図）
▲２五歩 には角交換から△３二銀 の左美濃で受けてきました。
Aperyによると、ここで▲２四歩 と飛車先の歩交換にいく手もあるみたいです。
でも、角打ちの反撃がヤッカイだと思ったので、慌てずに自陣を整えることに専念しました。
上図以下、▲７七銀 △４二玉 ▲４八銀 △６四歩（下図）
ここで飛車先の歩交換にいくのもアリですが、もう少し自陣を引き締めます。
上図以下、▲７八金 △１四歩（下図）
▲７八金 まで指せれば
・△３三角
・△３五角
・△４五角
のような定番の反撃は食らいません。
ここからようやく仕掛けます。
クッキーの悪手をとがめる
先手陣のスキがなくなった上図。
まずは定番の一手から仕掛けます。
上図以下、▲２四歩 △同歩 ▲同飛 △２七歩（下図）
頑なに△３三銀 と受けなかったので飛車先の歩交換からスタートです。
△２三歩 と受けられれば何もなかった所、△２七歩 という
「クリックミス？」
と思ってしまいそうな一手が返ってきました。
放置すれば△２八角 と打つ狙いでしょうか・・・
でもそれは勝手読みというやつなので、この明確な悪手をとがめて勝ちにいきます。
上図以下、▲２七同飛（下図）
飛車を成り込んでもいいんですが、シンプルに歩を取ってしまうのが分かりやすいです。
これで歩切れになった後手は受けが難しいですから。
上図以下、△３三角 ▲２四歩（下図）
歩切れを突く「垂れ歩」で先手勝勢です。
上図以下、△５二金右 ▲２三歩成（下図）
急所に「と金」ができて気持ちいい展開ですね。
上図以下、△４四角 ▲３二と △同玉（下図）
▲３二と を玉で取ったので気持ちいい寄せの一手があります。
上図以下、▲２三角（下図）
急所を突き刺す角打ちで勝負ありです。
上図以下、△４二玉 ▲４一角成 △同玉 ▲２一飛成（下図）
ここでクッキーの投了となりました。
以下、△３一角 ▲３二金 △５一玉 ▲３一竜（下図）
までの詰みですね。
もし▲２三角 に対して△３三玉 と逃げた場合も▲４一角成 と金を取れば▲２三金 などの詰めろになっているので勝ちです。
けっこう長引くこともあるのに△２七歩 の悪手１つでここまで短手数で終わるとは・・・
久しぶりに気持ちよく勝ててスッキリしましたね。
最後に
たまにあるクッキーが大ミスをする一局でした。入門者レベルでは
ムダな歩打ちで歩切れになるミス
がたまにあるので、今回の△２七歩（下図）みたいな手を指してきた時はチャンス到来です。
受けが難しくなった所へ▲２四歩（下図）のような手筋を決めてキッチリ勝ち切りましょう。
