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【5級を越える将棋講座 ⑪】香の手筋2「歩の弱点を突いた香の使い方」を解説【金底の歩 対策】

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脱・初心者を目指すための

5級を越える将棋講座

第11回は

基本となる手筋「香車」編

の2回目として

「歩の弱点を突いた香の使い方」

を紹介します。

香車を持った時だからこそできる

相手陣の不備を突いた攻め方

を知って、有効に「香」を活用できるようになってください。


相手の「歩の裏」から香を打つ

香車の有効な使い方として

「相手の歩の裏から香を打つ」

という「歩」ならではの弱点を突いた一手があります。(下図)

上図のように「相手の歩の裏(後ろ)」から香車を打つと

「合駒に歩を使えないから受けにくい」

という特徴があり、やられた側には非常にヤッカイな一手になります。

香を持ったら歩の裏から打つ手を狙う

のは1つの有効な指し方ですね。

では、実戦の中で活用する例を紹介します。


攻めが強烈になる香打ち

上図は、先手が「早繰り銀」での攻めを狙っている所です。

こういった何気ない局面でも「香」が1枚あると攻めが強烈になります。

上図以下、▲3五歩 △同歩(下図)

▲3五歩 の突き捨てから銀の進出を狙うのが定番ですが・・・

上図以下、▲3四香(下図)

香がある時は「突き捨てた歩の裏から香を打つ」のが厳しい一手になります。

このまま金を取られてはたまらないので・・・

上図以下、△3三桂(下図)

金よりは損がない桂で受けるくらいですが・・・

上図以下、▲3五銀(下図)

そこで▲3五銀 と出れば角が窮屈になった後手は受けが難しく先手ペースです。

香を打っただけで次の▲2四歩 が刺さる形になりましたね。

実戦で香を持ってから反撃にいく時に有効な攻め筋なので、もしチャンスがあったら狙ってみてください。


穴熊の金を狙う香打ち

穴熊の攻略には

「香を重ねた端攻めが有効」

というイメージかもしれませんが

「歩の裏から香を打つ」

を利用すると上からの攻めも狙えます。

その一例が上図です。

歩を3枚持ってるので端攻めも考えられますが、次のような攻め筋も有効です。

上図以下、▲3五歩(下図)

端ではなく3筋から突っかけます。

放置すれば▲3四歩 の取り込みから▲3三香 が厳しいので・・・

上図以下、△3五同歩 ▲3四香(下図)

歩を取りますが、▲3四香 と歩の裏から打つのが厳しい一手になります。

このまま▲3二香成 と金を取られるのはキツイので・・・

上図以下、△3三桂(下図)

安く受けるなら△3三桂 くらいですが・・・

上図以下、▲3三同香成 △同銀 ▲2五桂(下図)

と絡めば寄り筋です。

以下、△2二銀 ▲3三歩 で攻めが止まりません。

▲2五桂 の他にも▲3四歩(下図)と安く絡む手もあります。

以下、△3四同銀 なら▲3三歩 ですし・・・

△2二銀 と引けば▲3三銀(下図)と露骨に打ち込めば寄り筋です。

穴熊を相手にすると端に目がいきますが、3筋から攻めるのも有効な場合があります。

美濃囲いだと3筋の攻めは反動が厳しいかもしれないので、相穴熊で香を手に入れた時にでも狙ってみてください。


飛車を上部に誘う香打ち

「歩の裏から香を打つ」

の応用として、歩の裏から「飛車の前」に香を打ち

「飛車を上部に誘う」

という使い方があります。

それを利用した攻め筋を2例 紹介します。

まずは上図から。

「角換わり」などの相居飛車の将棋でたまに見かける局面です。

ここで持ち駒の「香」と「角」を使って居玉の欠点を突く強烈な一手があります。

上図以下、▲8四香(下図)

この香打ちが「飛車を上部に誘う一手」で、居玉をトガめた一手になります。

変な所に香車を打ったように見えますが・・・

上図以下、△8四同飛 ▲9五角(下図)

取れば▲9五角 の準王手飛車が決まります。

もし香を取らずに△6二飛 と逃げても▲8一香成 から桂・香を拾えば先手充分です。

類似のパターンをもう1つ紹介します。

上図は「角換わり」で「棒銀」をやった時に見かける局面ですね。

今度は玉を囲っているので準王手飛車は狙えませんが・・・

上図以下、▲1一歩成(下図)

歩を成り捨てる手から両取りを狙うことができます。

△3三桂 と逃げると▲2一と で銀が取れるので・・・

上図以下、△1一同銀 ▲8四香(下図)

△1一同銀 と「と金」を取るくらいですが、銀を1一に誘ってから▲8四香 と打つのが上手い手順です。

上図以下、△8四同飛 ▲6六角(下図)

飛車を上部に誘って▲6六角 と打てば「飛車・銀」の両取りが決まります。

相居飛車の将棋で「香」を持った場合、けっこう似たような筋が出てくるので

「香で飛車を上部に誘う」

という使い方を覚えると色々な技が見えるようになりますよ。


受けにくい王手

上図のように後手玉が美濃囲いの端に寄った形の場合、

「歩の裏から香を打つ」

のが厳しい一手になります。

上図以下、▲9五歩(下図)

まずは「端玉には端歩」の格言通り、端の歩を突きます。

この手には△8二玉 と逃げ、▲9四歩 △9二歩(下図)と受ける方がマシですが・・・

・端を凹ませて玉を狭くした
・▲9八香打 と力を溜めてから▲9三銀 の打ち込みがある

のでコレはコレで悪くありません。

今回は「香の手筋」が刺さる△9五同歩(下図)と取った手を解説します。

突き捨てて歩の裏が空いたので・・・

上図以下、▲9四香(下図)

ここから香を打つのが受けにくい王手になります。

△9三歩 と打てれば何でもない所、二歩で打てないのが痛いですね。

王手をシンプルに受けるなら△9三桂 ですが、それには▲9五香(下図)と走っておけば次の▲9三香成 が厳しく先手充分です。

なので▲9四香 は△8二玉(下図)とかわしますが・・・

上図以下、▲9一香成(下図)

シンプルに香車を取れば先手ペースです。

上図で△6一銀 と引いて7筋からの退路を広げるのが最善ですが、もし△9一同玉(下図)と成香を取ると・・・

上図以下、▲9四香(下図)

もう1度打つ▲9四香 が厳しい王手になります。

△8二玉 は▲9二金 の詰みなので、ここでは△9二香 か△9三香 と合駒するしかありません。

△9二香(下図)の場合は・・・

上図以下、▲9二同香成 △同玉 ▲9四香(下図)

しつこく香を打ち直し・・・

上図以下、△9三香 ▲同香成 △同玉(下図)

玉を引きずり出せば詰みます。

△9三同玉 ではなく△9三同桂 なら詰みませんが、その変化は単に△9三香 と合駒した変化と似てるので、この後に解説する△9三香 以下の手順を参照してください。

上図以下、▲9四香(下図)

ここは▲9五香 と走っても詰みですが、しつこく▲9四香 と打つ方が分かりやすいです。

△8二玉 は▲9二金 の詰みなので・・・

上図以下、△9四同玉 ▲8五銀(下図)

香を取るしかありませんが、▲8五銀 と捨てるのが好手で詰みます。

上図以下、△8五同玉 ▲8六金(下図)

守りの金を活用し・・・

上図以下、△8四玉 ▲9五金 △9三玉(下図)

次の一手が好手で詰み形になります。

上図以下、▲8四金(下図)

金と香の両王手で玉を逃がしません。

△8二玉 は▲9二金 の詰みなので・・・

上図以下、△8四同玉 ▲7五金(下図)

金を取るしかなく、▲7五金 で詰みました。

なので、合駒するなら△9二香 ではなく△9三香(下図)と桂の利きに打つ方がしぶといです。

上図以下、▲9三同香不成 △同桂 ▲9四歩(下図)

この場合、シンプルに香を取り、▲9四歩 と桂頭に歩を打つのが分かりやすいです。

ここで△9二歩 と打てないのがキツイですね。

上図以下、△9二香 ▲9三歩成 △同香 ▲8五桂(下図)

9三で取った桂を▲8五桂 と打ち・・・

上図以下、△8二金 ▲7一銀(下図)

△8二金 に▲7一銀 と絡めば寄り筋です。

以下、△8一玉 なら▲6二銀成 から▲7一金 を狙い・・・

△8一銀 なら▲7五香 と打って9三と7三からの攻めを狙えば寄ります。

ちょっと長くなりましたが、歩の裏から香を打たれた手に受け間違えると振りほどきにくい例でした。

もし「歩の裏の香」で端王に王手された場合は、受けにくい端から早めに離れるのがいいですね。


底歩への香打ち ~「金底の歩」を突破する ~

「歩の弱点を突いた香の使い方」

には「歩の裏から香を打つ」と同じ「合駒に歩を使えない欠点」を突いた

「底歩への香打ち」

という手筋があります。(下図)

上図のように「金底の歩」の上から香を打つのが定番ですね。

「底歩」がある筋に香を打つと「合駒に歩を使えない」ため、かなり受けにくい形になります。

実戦だと下図がよく見る形でしょうか・・・

△5一歩 の「金底の歩」でガッチリ受けた「美濃囲い」をどうやって崩すのかが課題ですが、香を持っている場合はそんなにヤッカイではありません。

上図以下、▲5五香(下図)

底歩を打った筋に香を打つ▲5五香 が受けにくいからです。

このまま▲5二香成 と金を取られたら終わりなので・・・

上図以下、△6二金寄 ▲5一香成(下図)

金を逃げますが、▲5一香成 と歩を取ればヤッカイな「底歩」が消えます。

上図で△7一金 と逃げたら▲5四桂(下図)と打てば手が続くので・・・

後手は△5一同金(下図)と成香を取るくらいですが・・・

上図以下、▲5一同竜(下図)

シンプルに金を取り返した上図は寄り筋です。

△6一香 と受けたら▲5四桂 でいいですし、もし△6一金(下図)と竜に当てて受けてきたら・・・

上図以下、▲6二銀(下図)

竜を逃げずに▲6二銀 と絡むのが終盤ならではの手筋です。

△6二同金 と銀を取るか△5一金(下図)と竜を取るくらいですが・・・

上図以下、▲7一角(下図)

どちらも▲7一角 から詰みます。

上図以下、△9二玉 ▲9三歩(下図)

端に歩が利くので定番の退路封鎖の一手を打ち・・・

上図以下、△9三同桂 ▲8二金(下図)

▲8二金 と打てば詰みです。

「金底の歩」はしっかりした受けの形ですが、香車に対しては弱い面があります。

相手の持ち駒によっては「あえて底歩を打たない」という判断も大切になりますね。


最後に

基本となる手筋「香車」編

の2回目として

「歩の弱点を突いた香の使い方」

を紹介しました。

・「歩の裏から香を打つ」(下図)


・「底歩」への香打ち(下図)

を覚えると香車の力を最大限に引き出した爽快感を味わえます。

実戦でも狙える形がけっこうあるので、香を持ったらちょっと意識して

「歩の裏から打てる形」

を作ってみてください。

的確に使えるようになれば5級は余裕で越えてますよ。

ワンランク上の香の使い方としてお試しください。


※「5級を越える将棋講座 第12回」は下記リンクからどうぞ。

【5級を越える将棋講座 ⑫】香の手筋3「ロケット」「飛車の下から打つ香」を解説【突破力のある香の使い方】 - ダメ人間ブログ【ニートの愚痴と将棋の記録】