人生詰んだニートのブログ

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「常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編」の紹介、普通の矢倉が嫌いで後手番でも主導権を握りたい人にオススメ

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私は居飛車党なんですが、矢倉が嫌いなんです。


中学生の頃に覚えて当時はけっこう指してたんですが、ず~っと何かしっくりこない感じがあったんですよね。


駒組みの段階から「何か違う」感があったというか・・・


まず、引き角がなんか嫌。この下図の感じ。



普通の人はあんまり気にならないと思うけど、この角を引いた手が何か嫌いなんですよね。


角筋は相手の4四~2二の地点に直通させておきたい感がありました。


でもその角道は銀と歩で塞がれている・・・


だから角を引くのは仕方ないんですが、角を引いちゃうと攻めのポイントがズレてるような感じがしてしっくり来ないんです。


次に、囲うまでが長くてめんどくさいっていうのもあります。


お互いが持久戦を目指した時の矢倉の駒組みってだるいんですよね。


角を引いて角を上げて玉を入城させる・・・この角のちまちましたちょっと無駄な感じの動きが嫌いです。


で、特に最悪なのは後手番矢倉です。


ようやく囲ってここから攻めを始めたい所なんですが、だいたい先行されるじゃないですか。これが面白くない。


どっちかといえば後手番は受身になる事が多いと思います。まぁ後手なんでしょうがないんですが、受けミスをしたら反撃する間もなくやられちゃうのが不満でした。


あと「引き角が嫌」と繋がるんですが、この引き角の形からの攻め筋があんまり見えないし面白くないっていうのもあります。


これは個人的なセンスの無さなんでしょうがないんですけどね。


でも定跡の本を読んでいても、もっと効率よく攻めの形を作れないかなぁって思ってました。


理想はやっぱり角筋をバックにガンガン攻め込むこんな感じ(下図)なんです。



簡単に崩れちゃう矢倉って事で「豆腐矢倉」とか呼ばれてた形だったと思いますが、これが私の思い描く攻め筋なんです。


まぁここまで都合よくはいかないですが、こんな感じの方が矢倉への攻めは効率がいいと思うんです。


やっぱ急所をにらむ角って理想じゃないですか。


でも引き角だとこれが叶わない、これが面白くないんです。


そんな感じで矢倉は嫌いで、特に後手番だと面白くない上に攻め潰される事が多くて対矢倉戦に苦戦していました。


そんなある日「最近、矢倉がピンチらしいよ」という噂を耳にしました。


なんでも、今までの矢倉の定跡を覆してしまうほどの革命的な戦法が現れたらしいんです。


その戦法の話を聞いてみると今までの不満をかき消すような情報が飛び込んできました。


「囲いがたった3手」

「後手番でも先に攻め込めて主導権を握れる」

「攻め筋が分かりやすくて破壊力抜群」


私が矢倉を嫌いな理由を全て解決していると言っても過言じゃないワクワクする情報。


これは見ないわけにはいかない。


という事でさっそくその噂の戦法が解説されている本を買ってきました。それがこちら。




「常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編」です。


一通り読んでみたんですが、コレ良いですよ。


先ほど書いた私の理想としている豆腐矢倉の攻め筋のような、角をバックに飛車、銀、桂でガンガン攻め込む超絶爽快な戦法でした。


「こういうのを待ってたんだよ、やっぱ矢倉を攻め潰すにはこういう攻め方が一番だよね」


っていうホント理想系の攻め筋。


色々な局面から面白いように攻めが決まるので読んでて面白かったですし、後手成功の局面は見てて気持ちよかったですね。


中学生の頃から思い描いていた自分の理想を形にしてくれた最高の戦法でした。


つい矢倉の愚痴が多くなって前置きが長くなってしまいましたが、どんな本か紹介しようと思います。


第1章 左美濃急戦の基本と狙いの解説

まずはこちらの図をご覧下さい。第1章の基本図です。



先手が特に工夫もせず普通に矢倉に組み、後手も普通に左美濃急戦の布陣を築いた局面です。


「まぁ何の変哲もないこれからの局面だよね」


と普通なら思いますよね?それがね・・・


すでに後手有望の局面なんです。


まだ戦いが始まってないのにすでに後手良しなんだそうですよ。マジで?って思いません?


まずは左美濃急戦が注目されるキッカケとなったこの局面からの基本となる攻め筋を解説しています。


ここから先手の矢倉がかわいそうなくらい攻め込まれます。


この攻め筋が左美濃急戦の基本となる攻め筋なのでここでしっかり矢倉を攻め潰す感覚を学びましょう。


初段になりかけの将棋の基本を覚えてきた人が素直に駒組みを進めるとこの局面に似た感じになると思います。


初段前後の方ならまずはこの攻め方を覚えておくと、何も知らない相手を初見殺しできるかもしれませんね。


けっこうな勝ち星を稼げると思います。


基本ですが理想的な攻め筋なので、これは覚えておくと普通の急戦矢倉でも応用が効くと思うので読んで損はありません。


この気持ち良い攻めが決まる快感を味わって左美濃急戦の特徴を掴みましょう。


第2章 先手の工夫▲4六角型への後手の対策

第1章の局面はすでに後手よし。という事は先手は何かしらの対策をしないといけません。


その有力な対策が▲4六角型です。(下図)



この本のメインとも言える部分です。多くのページをこの▲4六角型に割いています。


先ほどと違って角が後手の飛車を睨んでいるので攻めをけん制されています。ちょっとやっかいです。


でも大丈夫、大きく分けて4パターンの対策を解説してくれています。


△6二飛型(下図)


△8三飛型(下図)


△6二金型(下図)


△6三金型(下図)


それぞれの形で色々攻め方に違いがありますが、正確に指せばどれも後手が面白い変化になります。


基本的に後手の攻め、先手の受けの形になるのはこの戦法の良い部分ですね。


やっぱり先に攻めていけるというのは気持ち的にも楽ですし楽しいですよね。


飛車、角、銀、桂、(さらに金も加わる事もある)が理想的な配置で攻めの形を築いているのでこれを受け止めるのは容易ではありません。


まずは4パターンの中で好みの攻め方を覚えて実戦で試してみると良いと思います。


逆に左美濃急戦をやられて困ってる人はこの本を読んで相手の攻め筋を理解するとそう簡単にやられなくなっていいかもしれませんね。


後手良しの変化が多いですが、中には千日手や互角、先手よしの変化もあるので、最善の対策を知っておけばまだまだ大変ですから。


第3章 ▲8八角型の解説

第2章で解説した▲4六角型は後手ペースになる変化が多かったので、先手は他の対策が必要になります。


それが角を8八のまま駒組みを進める▲8八角型です。


第1章のように無策に組むとダメなので違う工夫をして対応しています。大きく分けて2パターンです。


飛車先交換型と飛車先不付き型です。


ただ、これも後手が正しく応じると後手有望な変化が多いです。


第4章 ▲3八飛型の解説

第4章は今までとちょっと飛車の筋を変えた▲3八飛型の解説です。(下図)



飛車先を突いてない分、他の部分に手を回せるのがどう生きるかという変化です。


これも後手が正確に指せば後手有利になる変化が多いです。


まとめ

矢倉を窮地に追いやった戦法、左美濃急戦ですが、この本を見る限り先手がよくなるのは簡単ではないみたいですね。


どの変化を見ても、後手有利、後手ペース、後手満足、後手十分と後手が面白い結果ばかり。


普通の矢倉が嫌いな私にはすごく嬉しい結果になりました。


今まで後手番で▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲6八銀(下図)から矢倉を避けられないのが嫌だったんですが、かなり希望が出てきました。



角をバックに飛車、銀、桂で理想的な攻めの形を作れる左美濃急戦は私みたいな人にとって最高の戦法だと思います。


後手番で矢倉をやるのが嫌だったという人がいましたらぜひこの本を読んで先手矢倉を攻め潰しちゃいましょう。


感想:振り飛車みたいな戦法だと思った

左美濃急戦って何ていうか振り飛車みたいな戦法だなぁって印象を持ちました。


居飛車って基本的には「じっくりじわじわ押さえ込み」みたいな将棋だと思うんですが、この戦法はさばく居飛車って感じです。


けっこうバッサリ飛車、角を切りますし、飛車交換歓迎ですし。


これって普通の居飛車では中々ないですよね。


飛車の打ち込みに強い美濃囲いだからこそできる新しい居飛車ですね。振り飛車党の人の方が感覚的にとっつきやすい戦法かもしれません。


私は居飛車党ですが、振り飛車のさばきに憧れてたりするんです。


対振り飛車でキレイにさばかれた時とか悔しさ半分、憧れ半分って感じでしたから。


さばけた時の振り飛車って将棋の理想系だと思うんですよね。


じゃあ振り飛車党になればいいんじゃないかと思ったんですが、私が振り飛車をやってもさばき感覚が分からずクソ弱くて断念しました。


それから心の片隅に「振り飛車みたいな居飛車を指したい」という願望があったんですが、それを叶えてくれた戦法が左美濃急戦でした。


美濃の固さを背景に飛車を切ってもOKな感じが本当に気持ち良いです。攻めが続けばいいというのが今までにない感覚です。


こういう将棋に憧れてたのでホント良い戦法に出会えたなぁって感じでした。


豪快な将棋に憧れているなら左美濃急戦は最高です。


矢倉相手にズバッと攻め込む新感覚を味わいたかったらこの本は本当にオススメです。ぜひ読んでみて下さい。