人生詰んだニートのブログ

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「規格外の新戦法 矢倉左美濃急戦 最新編」のレビュー スピード感がある現代の矢倉定跡を学ぶならコレ!

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今回は、「対 矢倉」において革命を起こした戦法を解説した本

「規格外の新戦法 矢倉左美濃急戦 最新編」

のレビューをしたいと思います。


この本は、以前紹介した下記リンクの本の後編です。


基本編のレビューは下記リンクの記事をどうぞ。


dame-ningen.hatenablog.jp


基本編では

「▲6六歩型 への基本的な攻め筋」

を解説していましたが、この最新編では

「▲7七銀型 への指し方」

を中心に解説しています。

タイトル通り「対 矢倉への左美濃急戦の最新の手順」をまとめた本ですね。

「矢倉で序盤早々に▲6六歩 を突くのは悪手」

となりつつある現代では

「▲6六歩 を保留する▲7七銀型」

の方が実戦で現れる変化だと思うので、基本編を読んだだけだと

「あれ? 相手が▲6六歩 を突いてこないから本で学んだことが活かせない・・・」

ってなりがちだと思います。

そんな方はこの本で最新の▲7七銀型 の指し方を学べば左美濃急戦を実戦で使えるようになりますよ。

この記事では

・大まかな本の概要
・参考になったポイント

に触れながら感想を書いていくので、購入を迷ってる方の参考になれば嬉しいです。


基本編で触れなかった変化から

第1章では▲6六歩型 での先手の工夫について解説しています。

・▲7八金 を保留して玉を素早く囲う早囲い(下図)

・飛車先の歩交換から▲3四飛 と横歩を取る変化(下図)

・一直線に棒銀で左美濃を攻めてくる変化(下図)

といった先手側の工夫した手への対策を学ぶことで▲6六歩型 への対策がバッチリになります。

ここで解説された

・玉の位置が悪い早囲いへの強烈な攻め筋

・横歩を取って不安定になった飛車を自由にさせない指し方

・棒銀の受け方・速攻での攻め筋

は参考になりましたね。

特に▲3四飛 と横歩を取った飛車を自由にさせない指し方はけっこう応用が利くので、左美濃急戦を指すなら覚えておかなければいけない知識だと思います。

気持ちいい攻めが決まる手順が多く、攻め好きな居飛車党にはかなり面白い内容だと思いますよ。


▲7七銀型 への指し方

基本編から続く▲6六歩型 への対策が終わったら、現代の主流である「▲7七銀型」(下図)への指し方の解説に進みます。

・▲6六歩型 との違い
・▲7七銀型 の利点

から始まり、それらを踏まえた上での後手の対策を幅広く解説しています。

ガッチリ矢倉に囲い合う将棋ではなく、早めの仕掛けでポイントを取りにいく現代らしいスピード感あふれる指し方がメインになりますね。

ここまでに学んできた6五の地点を争点とした攻め筋とは違い、従来の相居飛車の将棋に近い攻め筋を学べます。

矢倉模様で始まったのに「横歩取り」や「相掛かり」のような展開になることもあり、

「相居飛車の究極形は玉を囲わずドンパチやる形なのか・・・?」

と思ったりしました。

「この手は浮かばないわ・・・」

という個人的には意外な指し方もあってかなり面白い内容でしたね。

具体的な一手を書いてしまうとネタバレになってしまうので書けないのが残念ですが、

「第3章 の 第4節」

は一見の価値ありです。


対 雁木への指し方

最後の章では左美濃急戦での「対 雁木」(下図)への指し方にサラッと触れています。

矢倉とは違って角交換を狙われやすい雁木にはどう攻めればいいのか・・・

矢倉より雁木が増えてきた今では必要になる知識ですね。

本当に基本的な攻め筋だけなので、詳しく知りたければAIで検討したり雁木専門の本を買って学ぶ必要があると思います。


最後に

「規格外の新戦法 矢倉左美濃急戦」

の「基本編」「最新編」を一通り読み終えると

「お互いに最新の指し方への対策を追求した結果、気が付いたら従来の形に戻った」

という感じがあって

「将棋に古いも新しいもない」

と言われているような感じがしました。

早石田でも

「最新形を突き詰めたら実は従来の形が優秀だったかも」

と見直されたことがあったらしいので、こういうのが将棋の1つの面白さなのかもしれませんね。


矢倉を終わらせかけた戦法

「左美濃急戦」

を学ぶならこの本を読めば一通りの基本が身につくのでオススメです。

まずは「基本編」で

「▲6六歩型 の矢倉潰しの手順」

を学び、攻め筋の基礎を理解したら「最新編」で

「▲7七銀型 への指し方」

を学べば相居飛車での知識が爆上がりすることは間違いありません。

基本編だけだと▲6六歩型 を避けられた時に実戦での対策が足りないので、買うなら2冊まとめて買った方がいいと思います。

現代らしいスピード感のある居飛車を指したいならぜひ1度読んでみてください。