人生詰んだニートのブログ

人生詰んだニートが「日々の愚痴」や「趣味の将棋」について書いているブログです。

「レトロな角交換四間飛車」で感動した打開策を紹介します【△3二銀型 四間飛車】

今回は、20年くらい前に感動した

「レトロな角交換四間飛車

での打開策を紹介します。

2022年現在、四間飛車に対して

「▲4六銀(左銀)急戦」

などを使っている人で

「△3二銀型 で待機されて△4五歩(下図)の角交換を狙われて困っている」

という当時の私と同じコアな悩みを持った方のヒントになれば嬉しいです。


△3二銀型 から角交換を狙う四間飛車

上図は、後手のオーソドックスな四間飛車に対し、先手が急戦の駒組みを進めている所です。

後手の左銀が△4三銀 と上がってくれれば▲4六銀 から王道の急戦にいけるんですが、△3二銀型 で待機しているのでちょっと様子見をしています。

このまま△3二銀型 で待機されるなら

・▲3八飛 から角頭を狙う
・▲3五歩 の突き捨てから銀を飛び出す

といった攻め方も考えられますが、個人的にこの展開が苦手なのもあり、ギリギリまで△4三銀 を待つのが20年前の私の定番でした。

しかし、△3二銀型 を得意としている人からここでヤッカイな一手を指されたことで大きな課題を抱えることになります。

上図以下、△4五歩(下図)

いきなり角交換を誘って力戦形の四間飛車に持ち込む一手です。

ここで▲6六歩 のように角交換を拒否するのは何となく

「気合い負け」

してる感じがするのと、20年くらい前は

振り飛車には角交換」

という格言がまだ否定されてない感じがあり

「これは振り飛車の疑問手? 普通に角交換して悪くないよな?」

なんて思っていたんですが・・・

上図以下、▲3三角成 △同銀(下図)

となった局面がかなり指しにくい現実があり、ここから悩みを抱えることになりました。


千日手の打開が難しい

角交換した後の上図は、△4三銀型 に対して

▲4六銀 ~ ▲3五歩

と仕掛ける急戦定跡しか頭にない私の知識ではコレといった仕掛けが思いつかず、手が全く見えない力戦形になってしまったのが厳しかったです。

今になって見ても△4五歩 の位が大きく、メジャーな仕掛けをほぼ潰しているので優秀な形だと思います。

どうにか動こうにも角の打ち込みに注意が必要なので不用意に動けませんし、駒組みをしても発展性に欠けるし・・・

この形に持ち込んだ後手としては

千日手狙い」

というのもあるので特にスキがなければ動いてきませんし・・・

「どうすりゃいいんだ・・・」

「何か明快な攻め筋や打開策はないのか・・・」

と高校時代の私を悩ませ続けた形でした。

結局、自力では何も思いつかず、ダラダラと駒組みを続けて下図のような局面になることが多かったです。

ムリヤリ仕掛けても角打ちのスキをケアできず負けることが多かったので、

▲6九金 ~ ▲6八金上

とかを繰り返して千日手を受け入れるのが精一杯でしたね。


困った時の先生頼み

20年前は現在のようにAIがなかったので

「課題の局面を強い人にぶつける」

というのが私の中の1つの解決法でした。

そこで、当時 将棋部に入っていたので顧問でアマ五~六段クラスの先生に

「△3二銀型 四間飛車から角交換する将棋」

を試してみたら意外な一手を指され、1つの打開策を知ることになったんです。

先ほどの私ではどうにもならない局面を例にその一手を紹介します。

実際はちょっと先手の形が違っていたと思いますが、分かりやすく上図で説明します。

「先生でも打開は難しいのかなぁ・・・」

と待機策を続けていた所、ここから私の不用意な手待ちをキッカケにある一手が飛び出します。

上図以下、△1二香(下図)

離れ駒ができるのが怖かったのでちょっと香車を上がったんですが、すかさず次の一手で打開されます。

上図以下、▲4五桂(下図)

まったく見えてなかった桂跳ねです。

素直に応じた結果、その意味に気付きます・・・

上図以下、△4五同飛 ▲3二角(下図)

「こんな所に・・・」

と思ってしまった角打ちでした。

もし△1二香 と上がっていなければ△1二角 と受ける手がありますが、香車が邪魔して角を打てず、2一の桂取りが受からない上図は一瞬のスキを突かれて完全にやられた感がありますね。

千日手を打開された上にポイントを上げられてしまい

「さすが高段者は発想が違うわ・・・」

「桂馬を捨てて角打ちのスキを作る発想は1秒も浮かばなかったよ・・・」

と敗北を意識しつつも、1つの打開策を知って悩みを解決できたので少し嬉しさがありました。

上図以下、△3五歩 ▲2一角成 △3六歩 ▲3八歩(下図)

のように進めるのが一例ですが、居飛車としては手があるので面白い展開に持ち込めてますね。

▲4五桂 のタダ捨ての桂は当時の私にとって新しい発想として感動する一手になりました。


もし△1二香 と上がらなかったら・・・

ちょっと局面を戻します。

先ほどはここで▲7七桂 と跳ねた手に対し△1二香 と上がって▲4五桂 の仕掛けを食らいました。

もし△1二香 と上がらなかった場合はどうなるのかも触れておきます。

上図以下、▲4五桂 △同飛 ▲3二角 △1二角(下図)

△1二香 と上がった時にはなかった△1二角 の受けがあります。

ただ、この形の場合はこれでも先手からの手がなくはないです。

上図以下、▲2四歩(下図)

この突き捨てからけっこう動けますから。

もし△2四同銀 と銀で取れば▲2二歩 と桂取りを狙えるので歩で取りますが・・・

上図以下、△2四同歩 ▲1四角成 △4二飛(下図)

と進んでどうか・・・

先手の馬が生還すれば手が続くので悪くはなさそうですね。

「1筋の突き合いがなく△1三歩型 だとどうなるのか・・・」

という課題が残りますが、後手が1筋を受けずに手待ちを続けるなら▲1五歩 と突き越した形にしておき、▲4五桂 を跳ねる前に▲1四歩 と突き捨てればいけそうな気もします。

この辺は細かい研究が必要になりそうですね。


最後に

現代とはちょっと違う

「レトロな角交換四間飛車

への打開策を紹介してみました。

手待ちしてる所へ急に飛び出す▲4五桂(下図)は覚えておいて損のない一手だと思います。

「駒を捨ててスキを作る」

という発想はどこかで使えますから。

もし「ノーマル四間飛車」に急戦で挑み、△3二銀型 から△4五歩 の角交換に困っている方は

▲4五桂 ~ ▲3二角(下図)

の手順を頭に入れ

千日手で指し直しだな」

と思ってる相手へのビックリ打開策としてお試しください。