今回は
「角交換四間飛車破り 必勝ガイド」
のレビューをしたいと思います。
この本は、居飛車目線で「角交換四間飛車に簡単に作戦負けをしない手順」を学べる本です。
角交換四間飛車破り
というタイトルからは攻め筋を中心に解説している印象を受けますが、どちらかと言うと
序盤 ~ 中盤に好き勝手されないための基礎手順
が中心になっている感じだったので
角交換四間飛車 序・中盤の常識
みたいなタイトルの方がしっくりくる印象を受けました。
なので、角交換をした振り飛車が持つちょっと独特な駒組みや仕掛けに苦戦してる人にオススメです。
この記事では、大まかな内容に触れながら感想を書いていくので購入を迷ってる方は参考にしてみてください。
結論から始まる読みやすい構成
第1章の前に序章として・居飛車が目指す理想形
・振り飛車の狙い筋
に軽く触れているので
角交換四間飛車の概要を掴んでから講座を読める内容
になっています。
まずは居飛車が目指す形を頭に入れることでゴールが明確になり
「じゃあそれを実現するためには実戦でどう指せばいいのか」
という流れで読めるのが分かりやすかったです。
結論から始まる文章は現代のネット文化に慣れた人ならとっつきやすいと思いますよ。
逆棒銀への対策をバッチリ学べる
角交換四間飛車を相手にする上でまず必須の知識となるのが「逆棒銀」の受け方です。逆棒銀というのは居飛車が▲2五歩 と伸ばした形に
△3三銀 ~ △2二飛(下図)
と「向かい飛車」にして飛車先の反発を狙った形を言います。
これが振り飛車側の核となる攻め筋で、もし無策に▲9六歩(下図)のような手を指してしまうと・・・
上図以下、△2四歩 ▲同歩 △同銀(下図)
すかさず△2四歩 と仕掛けられ、△2五銀 ~ △2六銀 の進出を防ぐのが難しくなり、あっという間に2筋を制圧されて敗勢に陥ってしまいます。
実は△2二飛 と回られた段階ですでに油断ならない局面を迎えていたんです。
この攻め筋への応手を知らないと居飛車に勝ち目はないんですが・・・
本書では「逆棒銀」に対する有力な手順が詳細に解説されているので、互角に渡り合う指し方を身に付けることができます。
もし逆棒銀に悩んでいる方なら満足できる内容だと思いますよ。
特に58~62ページに書かれている手順は必見です。
逆棒銀を警戒した「▲2六歩型」も解説されている
居飛車の作戦としては、簡単に逆棒銀を許さない「▲2五歩を保留した形」(下図)で駒組みをする指し方もあります。2筋から反発されるのは2四に争点ができているから
なので
「だったら▲2五歩 と伸ばさなければ逆棒銀を食らわない」
というシンプルな作戦ですね。
ただ、逆棒銀を防げば大丈夫ってわけでもなく、これはこれで難しい将棋になります。
この形だとお互いにジワジワ侵食するような戦いになる傾向があるからか、知識がないと窮屈になって身動きが取れない展開になりがちです。
本書を通して
理想形をどう築くか
という細かい手順を知ればバリエーションとして▲2六歩型も指せるようになると思いますよ。
角交換保留型も学べる
角交換四間飛車が登場した頃は、居飛車の穴熊を許さないように▲6八玉(下図)のタイミングで角交換をする将棋がメジャーでしたが・・・最近では角交換を保留して▲7八玉(下図)を許す将棋も増えてきました。
プロの将棋を見ていて
「あれ? ▲7八玉って許しちゃダメなんじゃなかったっけ?」
みたいに思った人もいませんか?
そういった人は本書の第2章を読むと得るものがあると思います。
振り飛車にどんなメリットがあるのか・・・
駒組みの方向性はどうすればいいのか・・・
など、振り飛車に現れた「新手筋」の変化などを元に違いを感じることができますよ。
先手番角交換四間飛車は△8五歩型のみ解説
第1章、第2章では四間飛車が後手番での解説でしたが、第3章では「先手番での角交換四間飛車」について解説されています。ただ、ページの都合上△8五歩型(下図)に絞った解説です。
ここまでに学んできた内容と比べて1手の差がどう出るかを見る感じになります。
この辺を詳しく知りたかったら「四間飛車目線の本」を1冊買うといいかもしれません。
最後に
「角交換四間飛車 必勝ガイド」では、居飛車を持って角交換四間飛車を迎え撃つのに必須となる
・逆棒銀への応手
・▲2六歩型
・角交換保留型
などの基本を一通り学べるので
「居飛車側の有力な指し手を知りたい」
「序盤を互角で乗り切るための基礎を学びたい」
「振り飛車の狙いをザっと頭に入れておきたい」
といった基礎からしっかり学びたい居飛車党にオススメです。
本書を通して
「序盤のちょっとした形の違いがどう影響するか」
を理解すればこの戦法を見る目が変わって楽しくなると思いますよ。
さっそく読んで独特な将棋へのモヤモヤを払拭しちゃいましょう。