人生詰んだニートのブログ

人生詰んだニートが「日々の愚痴」や「趣味の将棋」について書いているブログです。

美濃囲い攻略の決定版!「美濃崩し200」のレビュー

今回は、徹底的に美濃囲いの攻略手順を詰め込んだ本

「美濃崩し200」

を紹介したいと思います。


この本は、「美濃崩し200」の名の通り、振り飛車にとって定番の囲いである「美濃囲いの崩し方」に焦点を当てた問題が200問も詰まった本です。

・片美濃囲い
・本美濃囲い
・高美濃囲い
・銀冠
・木村美濃
・金美濃

に対し、基本から応用まで様々な手筋や詰み手順が網羅されており

「これ1冊読めば美濃囲いの対策はバッチリ!」

と言えるほど完成された内容になっています。

この手の囲い崩しの本はこれまでにいくつか読んできましたが、ここまで実用的で洗練された手順を見たのは初めてでした。

これらの手順が完璧に頭に入れば「対 美濃囲い」においてはAI並みの終盤力が身に付くと言っても過言じゃありません。

知ってるか知らないかで大きな差が生まれるので、攻める側の居飛車党だけじゃなく、やられる側の振り飛車党の人も読んだ方がいい本ですね。

この記事では、どんな感じの本なのか感じてもらうために、私の実戦から切り取った

美濃崩しの基本中の基本になる問題

を例題として3問ほど出題します。

まずは腕試しついでに解いてみてください。


美濃囲い攻略の基本問題

・第1問(下図)

これは美濃囲い攻略の基本となる詰将棋です。

まずはこの5手詰めの問題を解いてみてください。


・第2問(下図)

実戦でもよく見る「横から美濃囲いを攻略する基本手筋」で寄せてください。


・第3問(下図)

この問題では美濃囲いへの端攻めを考えてください。


答えは次の見出しで書くので、大まかに答えが浮かんだら進んでください。


美濃囲い攻略の答え

では答えです。


第1問の答え

上図以下、▲7一角(下図)

から詰みます。

上図以下、△9二玉 ▲9三銀(下図)

玉の頭に▲9三銀 と捨て、桂馬で取らせることで逃げ道を封鎖するのがポイントです。

ここで▲9三銀 ではなく▲8二金 と打ってしまうと△9三玉 から上へ逃げられてしまうので注意してください。

あと▲9三銀 ではなく▲9三金 と金を捨ててしまうと横に進めない銀では詰まなくなります。

「最後に横に進める駒を残す」

というのが大切なので忘れないようにしてください。

上図以下、△9三同桂 ▲8二金(下図)

までの詰みです。

角の利きを活かして9三の脱出路を塞ぐのは定番の手筋です。

これを覚えると終盤にナナメの駒を使う時に

「角を残す」か「銀を残すか」

の判断を間違えにくくなりますよ。


第2問の答え

上図以下、▲5三銀(下図)

金の頭に打つ▲5三銀 の銀捨てが美濃崩し定番の手筋です。

問題図では後手に持ち駒がないので▲4四角 から▲7一銀 を狙う手もありますが、ここでは▲5三銀 を紹介します。

上図以下、△5三同金 ▲6二銀(下図)

もし▲5三銀 に△5一金 と引いた場合は▲5二歩 と打てばOKです。

▲5三銀 を△同金 と取ったら▲6二銀 と6一の金に働きかけ、次の▲7一角 を狙います。

上図以下、△6二同金 ▲7一角(下図)

もし△6二同金 ではなく△7一銀 のように受けた場合は▲5三銀成 と金を取って「次に6二に何かを打ち込む準備」をしておけばOKです。

▲7一角 が入った本譜はこのまま第1問と似た手順で詰みます。

上図以下、△9二玉 ▲9三香 △同桂 ▲8二金(下図)

この問題のポイントは▲5三銀 ~ ▲6二銀 と守りの金を吊り上げて▲7一角 のスキを作る所でした。

この金を狙う筋は定番なので覚えておくと役立ちますね。


第3問の答え

上図以下、▲9五歩(下図)

端攻めなのでまずは端歩を突きます。

上図以下、△9五同歩 ▲9二歩(下図)

そして香車を叩いて上へ誘いだします。

上図以下、△9二同香 ▲9三歩 △同香 ▲9四歩 △同香 ▲8六桂(下図)

9四まで香車を吊り上げたら▲8六桂 と香取りに打てば完了です。

この手順が歩と桂馬を持った時に使える端攻めの基本ですね。

問題図のように飛車などで6筋への退路が塞がれている時は特に有効になります。


最後に

「美濃崩し200」

には、上記3問のような基本から、それらを踏まえた上での応用問題が目白押しなので

「この手順は初めて見た」

という初心者の方が勉強になるのはもちろんのこと、

「こんな基本くらい知ってるよ」

と思った初段前後の方でも見たことがない手順があると思います。

もし下図のちょっとした応用問題の答えがパッと見えないなら読む価値がありますよ。

応用問題の中でも基本寄りではあるんですが、この問題の答えを初めて知った時は

「こんな寄せ方があるのか・・・」

「駒の使い方うますぎだろ!」

と感動しましたね。

答えは伏せておくので気になった方は本書でご確認ください。

この問題のバリエーションとかもあるので参考になると思います。

この本は

「中盤まで良い感じだったのに終盤は美濃囲いの固さにやられがち・・・」

という居飛車党の方や

「美濃囲いへの攻め筋を把握して受けをマスターしたい」

という振り飛車党の方にオススメなので

美濃囲いに関する何かしらの悩み

をお持ちの方はぜひ1度読んでみてください。