今回は「ぴよ将棋w」の
Lv8 ピヨ平(10級)
に後手番で挑み
三間飛車 vs 棒金
になった一局を紹介します。
見所は
・冷静に厚みで対抗する棒金
・Apery推奨の攻め筋
・実戦詰将棋
の3つです。
変な駒組みだけど油断すると危ない10級を攻略する一例としてお楽しみください。
疑問の▲5八金右 から変則的な駒組みをされる
先手が「ピヨ平(10級)」、後手が「私」です。初手から、▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲7八飛(下図)
ぴよ将棋w では珍しい三間飛車になりました。
上図以下、△8五歩 ▲7七角 △6二銀 ▲4八玉(下図)
まずはお互いに玉を囲い合う平凡な駒組みに進むのかと思いきや・・・
上図以下、△4二玉 ▲5八金右(下図)
▲5八金右 がちょっと疑問の一手で乱れだしました。
ただ、左辺への厚みを増す狙いもあって、ヘタな攻めを狙うと跳ね返される心配があります。
こういう時は慌てずに自玉を安定させることを考えるのが無難ですね。
上図以下、△3二玉 ▲7五歩(下図)
▲7五歩 は早い攻めも見た油断ならない一手です。
これには後手も対応します。
上図以下、△6四歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲8八銀(下図)
△6四歩 で△6三銀 と受ける準備をするのがバランスを取る手ですね。
▲8八銀 まで進み、先手の形は駒が使いにくい悪形なんですが、無理に仕掛けると悪形をほぐしてしまう懸念があるのでじっくりいきます。
厚みに対抗する棒金へ
先手の左辺は変な形でも意外と防御力があるので、後手は金駒を繰り出して押すような攻めを心がけるのが無難です。
上図以下、△6三銀 ▲9八香 △4二銀 ▲9六歩(下図)
上図以下、△9四歩 ▲6七金 △7二金(下図)
▲6七金 と上がった形がけっこう厚いので△7二金 から棒金を狙い、こちらも目いっぱい厚みで押すことにしました。
上図以下、▲2六歩 △8三金 ▲3六歩 △7四歩(下図)
△7四歩 から棒金での攻めが始まります。
上図以下、▲6八角 △7五歩 ▲同飛 △7四金(下図)
△7四金 で飛車を押さえれば悪くない流れですね。
上図以下、▲7九飛(下図)
▲7九飛 と引いたのが悪く、ここで後手にチャンスがきていました。
まずは局後の検討で示されたApery推奨の手順を紹介します。
Apery推奨の攻め筋
上図以下、△6五歩(下図)
浮いた8八の銀を狙って△6五歩 と突くのが最善でした。
▲6五同歩 は△8八角成 が厳しいので・・・
上図以下、▲7七銀 △8六歩 ▲同歩 △8八歩(下図)
▲7七銀 と受けますが、△8六歩 ~ △8八歩 が上手い手順になります。
▲8八同銀 と取ると△6六歩 が厳しいですね。
上図以下、▲9七桂 △9五歩(下図)
先手は▲9七桂 と逃げるくらいですが、△9五歩 と桂を狙えば攻め手が多い後手が有利になります。
こういう攻めを狙っていればカッコよかった所、実戦で私が指したのは△6五歩 ではなく△7五歩(下図)でした。
じっくり押す方針を守った一手で、ゆっくりした将棋が好きならアリな手ですね。
無理をしない攻めで先手陣を攻略します。
ゆっくりと寄せる
上図以下、▲3八玉 △6五歩(下図)
ちょっと遅れた△6五歩 から攻めます。
上図以下、▲5六歩 △6六歩 ▲5七金(下図)
先ほどのように▲7七銀 なら難しかった所、▲5六歩 と緩んだので急所を刺す△6六歩 が入って後手ペースになりました。
上図以下、△7三桂 ▲5八金引 △6七歩成(下図)
攻めに厚みを増そうと△7三桂 と跳ねましたが、最善はすぐに△6七歩成 として△8八角成 の銀取りを狙う手だったようです。
本譜は▲5八金引 と先受けした手がヌルく、△6七歩成 が良い形で入りました。
上図以下、▲6七同金 △8八角成 ▲7七角(下図)
馬を消しにきた▲7七角には・・・
上図以下、△7九馬 ▲同金 △3三銀(下図)
△7九馬 と飛車の方を取り、冷静に△3三銀 と受ければ後手勝勢です。
上図以下、▲3七玉 △4九飛 ▲5七角 △6五桂(下図)
▲3七玉 が悪手で、△4九飛 ~ △6五桂 が決まり寄せが見えてきました。
上図以下、▲7八歩 △5七桂成 ▲同金 △3九飛成 ▲3八桂(下図)
ここで先手玉に詰みがあります。
実戦詰将棋として出題するのでお時間のある方は解いてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。上図以下、△4八銀(下図)
この銀打ちから詰んでいます。
▲2七玉 と逃げると△2九竜 の王手に合駒がないので受けようがなく、▲1七玉 △3九角 までの詰みです。
なので▲4六玉(下図)と上に逃げるしかありませんが・・・
上図以下、△2八角(下図)
合駒がないのでこの角打ちで決まっています。
上図以下、▲4五玉 △5四銀(下図)
これで詰みですね。
実戦はこの詰みに気づかず△4八銀 ではなく△2八角(下図)と打ったので平凡な寄せになりました。
上図以下、▲2七玉 △1九角成(下図)
これで受けが難しく後手の勝ちですね。
上図以下、▲6八金 △2八馬(下図)
ここでピヨ平の投了となりました。
最後に
10級ともなると序盤に変な駒組みをすることがあります。ただ、今回の▲5八金右(下図)のように左辺の厚みを増す可能性がある場合・・・
軽い攻めだと跳ね返されてしまうので、油断せずに金駒で押すような攻めを心がけるといいですよ。
厚みには厚みで対抗する
という居飛車っぽい攻め筋もお試しください。