今回は「ぴよ将棋w」の
Lv28 ピヨ矢(三段)
がやってきた「三間飛車穴熊}を「後手番 居飛車急戦」で倒した一局を紹介します。
見所は、Aperyの検討で見つかった
・急戦を▲6七金 と受けてきた時の攻め筋
・穴熊の急所を突く攻め
の2つです。
三段を攻略する一例としてお楽しみください。
玉頭銀にすぐ仕掛けを狙う
先手が「ピヨ矢(三段)」、後手が「私」です。上図は、先手の三間飛車穴熊に対し、後手が急戦の駒組みをした所です。
先手はもう少し玉を囲ってから動くのかと思ったら早めに動いてきました。
上図以下、▲5六銀(下図)
3四の歩を狙ってプレッシャーを掛ける玉頭銀ですね。
あまり受けに回るのは好きじゃないのでこちらも攻勢に出ます。
上図以下、△6四銀 ▲6七金 △7五歩(下図)
▲5六銀 と出て弱くなった角頭を狙う△6四銀 を▲6七金 と受けられ、ちょっと苦手な展開になっています。
金の受けが意外と厚くて難しいんですよね・・・
ここが形勢を大きく左右するポイントの局面で、
・▲5九角
・▲6五歩
・▲7五同歩
といった応手が考えられます。
それぞれ、ザっとAperyで検討した一例を紹介しますね。
▲5九角 と引いた場合
▲5九角(下図)と引いて飛車筋を通すのはよく見る一手です。軽く飛車をさばかれるとダメなので、後手は慎重な手が求められます。
ここからAperyが示した先手の応手が個人的に嫌な展開でした。
上図以下、△7二飛 ▲3六歩 △7六歩 ▲3五歩(下図)
後手が押さえ込みを狙う7筋は軽く流し、玉頭方面への転回を狙うのがApery推奨の手順です。
上図以下、△3五同歩 ▲3八飛(下図)
弱い玉頭を狙う袖飛車は
7筋方面でドンパチやって飛車を成り込んで寄せ合いに入る
といった感じの対抗形の将棋とは別物で
駒組みをミスった相居飛車の将棋
みたいになりやすく、個人的に一番やられたくない変化です。
角筋を通したまま薄い玉頭をカバーするのも難しいですし、これをやられていたら精神的に終わっていました。
上図以下、△7五飛(下図)
△7五飛 と飛車で受ける手が推奨されていましたが・・・
上図以下、▲2六角(下図)
▲2六角 で先手の攻め駒が急所に働いてきて後手が面白くないですね。
▲2六角 の他にも▲7八飛 と戻り、▲7六金(下図)から浮いた飛車を厚みで押していく手もあります。
先手に有力な手が多く、完全にやられてる形ですね。
こんな感じで、袖飛車への転回は後手の駒組みに不備があるとかなり有力な指し方になるので、対急戦では「狙えるスキはないか」を常に意識しておくといいですね。
▲6五歩 から角交換を狙ってきた場合
▲6五歩(下図)は常に狙いとしてある振り飛車らしい一手です。上図以下、△7七角成 ▲同金 △7六歩(下図)
後手は角交換から△7六歩 と進めるくらいですね。
もし▲7六同金 と取ってくれれば△5五銀(下図)と出る手がけっこう厳しいです。
▲5五同銀 と取ると△6七角(下図)が刺さりますし・・・
▲6七銀 と引けば△4五角(下図)とか△6九角 がうるさいです。
なので、△7六歩 には▲6六金(下図)とかわす手を推奨されていましたが・・・
上図以下、△7七歩成 ▲同飛 △5三銀引(下図)
歩を成り捨てて飛車の位置を悪くしてから△5三銀引 と引き、△8八角 を狙う手があります。
上図以下、▲7六飛 △8八角 ▲7七角 △7九角成(下図)
▲7六飛 と先に逃げても△8八角 と打ち、△7九角成 と馬を作った上図は、難しいですが後手も悪くない展開です。
▲6五歩 から角交換を狙う手はちょっとイマイチなのかもしれません。
本譜の進行▲7五同歩
本譜は、△7五歩 を▲同歩(下図)と取ってきました。これは6四の銀が動きやすくなるので後手が悪くありません。
上図以下、△7五同銀 ▲8八角(下図)
ここでどう銀を支えるかが難しい所です。
・△7六歩
・△7四歩
の2通りが考えらますが、Aperyの推奨は△7六歩(下図)と銀の前に歩を打つ手でした。
上図以下、▲7六同金 △8六歩(下図)
▲7六同金 と取られるとダメそうに見えますが、△8六歩 が継続の一手です。
▲8六同歩 には△同銀(下図)と取り・・・
▲8六同金 なら△同飛 で後手ペースなので、▲6五歩(下図)と角を捌きにきますが・・・
上図以下、△5五歩(下図)
角交換に応じず、△5五歩 と突くのが有力な一手です。
・▲5五同角 なら△同角 ▲同銀 △8七銀不成
・▲6七銀 なら△8七銀不成
と飛車・金の両取りが決まって後手ペースなので、▲8三歩(下図)と反発するくらいですが・・・
上図以下、△8三同飛 ▲8四歩 △7三飛(下図)
と進むと△8三銀不成 が受けにくく後手ペースになります。
ここまで読めていれば△7六歩 と指していたんですが、私が指したのは△7四歩(下図)と銀を下から支える手でした。
これはこれでたまに見る一手でそこまで悪くありません。
上図以下、▲6五歩 △8八角成 ▲同飛 △2二角(下図)
そこまで派手な展開もなく、角交換から△2二角 と打ってやや後手ペースになりました。
上図以下、▲7七歩 △8六歩(下図)
▲7七歩 と受けたので△8六歩 から8筋の突破が決まり、後手優勢です。
穴熊の急所を突く寄せ
上図は、後手優勢になってから色々あって迎えた終盤です。
先手が袖飛車に振って玉頭戦になり色々暴れられたんですが、どうにか落ち着いた所ですね。
実戦は▲8九飛上成 から2枚飛車でのゆっくりした寄せを狙ったんですが、検討では穴熊の急所を狙う手が推奨されていました。
上図以下、△2六歩(下図)
指されてみれば本などでよく見る定番の一手です。
角筋が通っているのでこれが強烈でした。
上図以下、▲5五桂 △2七歩成 ▲同金 △1五桂(下図)
先手は▲5五桂 と角筋を止めるくらいですが、歩成りから△1五桂 と絡めば穴熊が一気に弱体化して寄せやすくなっています。
こういう寄せがパッと見えるとスマートに収束するカッコイイ終盤になりそうですね。
地道な寄せをした私の実戦では、凡手が続いたのが分かる投了図になりました。(下図)
変に粘られた感のある穴熊の形・・・
いくつかあった決め手をことごとく逃した末の終局なのが伝わるでしょうか・・・
最後に
ピヨ矢(三段)との一局から、有力な手を紹介してみました。正しく指されると難しい所が多かったのもあり、玉頭銀への対策が必要なのを痛感しましたね。
ここ最近よく見る「早い動きの振り飛車」に対抗する有力な手段はないもんか・・・