今回は「ぴよ将棋w」の
Lv20 ピヨ馬(初段)
に後手番で挑み
になった一局を紹介します。
見所は
・▲2四歩 を「飛車」で取るか「歩」で取るか
・反発の△6五歩
・ミスをとがめる平凡な寄せ
の3つです。
脱・級位者の壁になる初段を攻略するヒントになれば嬉しいです。
居飛車穴熊に「左銀速攻」から石田流を目指す
先手が「ピヨ馬(初段)」、後手が「私」です。上図は、後手のノーマル三間飛車に対し、先手が▲9八香 と居飛車穴熊の意志表示をした所です。
すんなり穴熊に組まれるとダメなので▲9八香 を見たら動くのが振り飛車の定番ですね。
上図以下、△5四銀 ▲6六銀 △3五歩(下図)
△5四銀 と出て7七の角頭を狙うのが「左銀速攻」と呼ばれる攻め筋になります。
それを▲6六銀 と受けた場合は、△3五歩 から石田流を目指すのが個人的にパターン化した流れです。
上図以下、▲9九玉 △4二角 ▲8八銀 △3四飛(下図)
△4二角 と引くのが後の中央への守りに備えた一手になります。
▲8八銀 と穴熊に組まれましたが、後手も石田流の好形から攻めを狙えるのでバランスが取れています。
▲2四歩 への対応
△3四飛 から駒組みが進み、下図の局面を迎えました。先手がやや手損の駒組みをしたので陣形に差が付いています。
そして次の一手が振り飛車にとって大切な分岐点になる一手でした。
上図以下、▲2四歩(下図)
この形の場合は疑問の突き捨てです。
これをトガめるには
・△2四同飛
・△2四同歩
のどちらかが正解なんですが、どちらが正しいのか・・・
振り飛車党の方なら簡単すぎて一目で△2四同飛(下図)と指しますよね。
これが正解の一手で・・・
上図以下、▲2四同飛 △同歩 ▲6六角 △4二金(下図)
上図以下、▲2二飛 △4九飛 ▲7九金 △2九飛成(下図)
と進むのがAperyが示した一例で後手有利です。
「6九の金が浮いているので飛車打ちのスキが大きい先手が不利になる」
というのが基本的な感覚ですよね。
未だにこういった基本が身についてなく、飛車交換に躊躇(ちゅうちょ)してしまうのが私のダメな所です・・・
実戦で私が指したのはハズレの△2四同歩(下図)でしたから。
これでも形勢は後手有利(-400くらい)を示していましたが、せっかくの決め所を逃した感がありますね。
ただ、数手後に先手がミスをしたのでまた後手にチャンスが訪れました。
上図以下、▲7五銀 △7四歩 ▲6六銀 △9五歩 ▲7五歩(下図)
先手は7筋で一歩手に入れながら銀を6六へ転回し、なぜかもう一度▲7五歩 と合わせてきたのが疑問で、先ほどのミスを挽回する決め所を迎えています。
反発して優位を築く△6五歩
疑問の▲7五歩 を指してきた上図。
本局、先手は何度も▲7五歩 の合わせから手損を繰り返していたのもあり、本譜は手拍子で△7五同歩 と応じましたが、ここで△6五歩(下図)と突くのが好手でした。
上部に厚く構えたダイヤモンド美濃の強みを生かす一手です。
上図以下、▲7四歩 △同銀 ▲7七銀引 △7六歩(下図)
7筋に角が利いているので銀との厚みが強烈ですね。
△7六歩 には銀を逃げるのが無難ですが・・・
上図以下、▲7六同銀 △7五歩(下図)
▲7六同銀 からムリヤリ反発する手もちょっと怖いです。
△7五歩 にも強引にいき・・・
上図以下、▲7五同銀 △同銀 ▲7四歩 △8五桂(下図)
▲7四歩 と桂取りに歩を打つのが先手の狙いです。
でも△8五桂 と逃げれば「端攻め」や「玉頭戦」を見据えた後手が有利なので大丈夫です。
こう進んでいれば早めの勝ちを狙えた所、逃したので長引きます・・・
角切りの決め手からの寄せ
上図は、決め所を逃しつつも先手のミスに乗って後手優勢になった中盤戦の終わりです。
ここから先手がもう1つミスを重ねて後手勝勢になります。
上図以下、△6六同飛 ▲同歩 △3九角(下図)
飛車 角 交換から△3九角 がシンプルな手順です。
上図以下、▲3八飛 △6六角成 ▲3三歩成(下図)
▲3三歩成 が受けを疎かにしたミスで決め手級の一手が生じています。
上図以下、△8六角(下図)
馬が玉を睨んでるおかげで▲8六同歩 と取れば△8七桂 で詰む強烈な一手が決まりました。
ただ、角を取ってくれなければ詰まないので勝つまではもう少し掛かります。
上図以下、▲4三と △同金 ▲6七歩 △5五馬(下図)
上図以下、▲6六歩 △同馬 ▲5七金 △4四馬(下図)
馬筋をそらさないように丁寧に指せば後手勝勢です。
上図以下、▲3二飛打 △4二金 ▲3四飛上(下図)
無理をしないように△4二金 と受けに回った所、ちょっと迷う飛車浮きを食らいました。
「馬筋が命」と判断して一旦 飛車取りを放棄します。
上図以下、△5五馬 ▲7八金 △3二金 ▲同飛成 △2八飛(下図)
△5五馬 と1回逃げてから飛車を取れば安全ですね。
上図以下、▲3八金 △2九飛成 ▲3九金 △7六桂(下図)
桂を2枚持ったことで△7六桂 から寄り筋になり、ようやく終わりが見えてきました。
上図以下、▲7二竜 △同銀 ▲2九金(下図)
ここで先手玉に詰みがあります。
特に面白い筋ではないですが、実戦詰将棋として出題するのでお時間のある方は解いてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、△8八桂成 ▲同金 △同馬(下図)
平凡に玉を引きずり出して詰みます。
上図以下、▲8八同玉 △7六桂(下図)
実戦はここでピヨ馬の投了となりました。
以下、▲9九玉 は△8八金で詰み・・・
▲7八玉 や▲7九玉 は△6八金 までの詰みですね。
取るに取れなかった8六の角が最後に活躍した詰みでした。
最後に
初段のピヨ馬は、序盤で変な手を指したり、中盤でミスをしたりとけっこう乱れや穴があります。本局は正着を逃しましたが、▲2四歩(下図)のような正しくトガめれば有利になれる手が所々に出てきますから。
得意戦法の勝ちパターンが頭に入っているならどうにかなるので、1つの形に絞って練習するといいかもしれませんよ。