父親が退院する日を迎えました。
午前中の退院だけど今回は少しゆっくり目。
正午になる少し前に母が迎えに行きました。
ちょいちょいブログで書いてきた通り、父親とはほぼ会話をしない関係だから
帰ってきた時にどう声を掛けよう・・・
って憂鬱でしたよ。
スムーズにいった成功体験もないしね。
でも、これまでの経験上
親父の体制が整うと声を掛けにくい
ってのはあるから
・ベッドに横になる
・パソコンの前に座ってネットを始める
のどちらかに落ち着く前に手を打つのがベストなのは間違いない。
となると、いつものように後手を引くのは避けなきゃならん。
母親に
「お父さん帰ってきたよ」
と声を掛けられる前に動くしかねぇ・・・
今回の狙い目は
親父が家に入る前
理想としては
車から降りてトランクを開ける直前
荷物運びを手伝うついでに声を掛ける感じかな。
白々しさが透けて見えるけど、ドッシリ構えた親父を相手にするよりはマシ。
防御を固められる前に攻めるしかねぇ!
そう決めたら急にソワソワ・・・
車が入ってくるのを察知しないといけないから、いつものように部屋でネットしてるわけにいかないしね。
作戦遂行のために12時半からタイミングを見計らうニート・・・
スムーズにいけばもう帰ってくる・・・
仮に遅くなっても1時前には帰ってくるはず・・・
そう思って駐車場に目を凝らす・・・
しかし・・・
10分・・・
20分・・・
30分・・・
予想の時間を過ぎても帰ってこない・・・
午前中に退院の手続きは済んでるはずだから、これはアレだ・・・
親父が食べたいものを買いにスーパーに寄ってる可能性が高い・・・
こうなると時間が読めないのがヤッカイな所。
親父よりも母ちゃんがダラダラ買い物するからね・・・
ここで
もう15分は帰ってこないかも・・・
ちょっと休憩するか・・・
と部屋に戻ったのがマズかった・・・
パソコンをつけて5分くらいしたら玄関が開く音が・・・
警戒のスキを突く絶妙な不意打ち。
「お父さん帰ってきたよ~」
の声と共に母が入ってくる。
なんてこった・・・
ほんの5分待てば狙い通りだったのに・・・
仕方ない、親父が定位置につく前に声を掛けるか・・・
と顔を出したら母だけで親父の姿が見えない。
「あれ? 親父は?」
と聞くと
「まだ車にいるよ」
の返事。
外が寒かったせいかすぐ車から降りなかったみたい。
母は一足早く茶の間の暖房をつけに入ってきただけでこれから荷物を下ろすらしい。
このチャンスは逃せねぇ
速足で駐車場へ向かうと、トランクから荷物を下ろし、今まさに家へ歩き出そうとしてる親父に遭遇。
俺の姿をチラ見しても自力で運ぼうとする親父に
「あ・・・運べる・・・?」
と相変わらずのギクシャク感で声を掛ける。
「俺が持つよ」とストレートに言えず、相手に判断をゆだねる形になったから余計に気まずい・・・
「運べる?」って言葉も衰えを刺激するように聞こえなくもないし、取りようによってはプライドを傷つけそうな言葉だしね。
これは失敗したな・・・
目線をやや下にしたまま1歩目を踏み出す親父。
断って自分で運ぶのか・・・
それとも渡してくれるのか・・・
完全に無視するのか・・・
何でも自分でやる性格上、荷物を渡すってのは考えにくいから
反応があるかは分からないけど自力で運ぶんだろうな・・・
出てきたのは間違いだった・・・
と自分の白々しさに後悔しながら立ち尽くすゴミ息子。
あまりにも気まずい時間のせいか親父の動きがゆっくりに見える・・・
これは事故に遭った人が体験するスローモーション?
息が詰まり過ぎて脳が危機を感じてたのかも・・・
時間がゆっくり流れると同時に
でも顔は合わせたし山場は越えた
親父が通り過ぎたら部屋に戻っていつもの生活に戻れる
と先取りした安堵感も湧いてくる・・・
今になると精神のバランスを取ろうと必死だった感じ。
だって、どう転んでも良い展開が見えなかったからね・・・
でも、近づいてきた親父の反応は予想外なものでした。
チラッと目を見てからスッと荷物を渡してきたんですよ。
「え? あぁ・・・うん・・・」
と困惑気味に荷物を受け取るニート。
味わったことのない感覚に脳が追いつかない・・・
声を掛けてから荷物を渡されるまで実際は5秒にも満たなかったと思うけど、頭の中に色々な感情が混在してたせいか10倍くらいに感じたな・・・
荷物を持ちにいったのに、いざ渡されるとビックリするとか意味が分からないよね。
こんな当たり前のことをしたことがないほど親父との距離が離れてたってことかな・・・
たぶん、親父も荷物を渡しずらかったと思うし・・・
それなのに渡してくれたのは親父なりの気づかいだったんだろうね。
やっぱ慣れないことはするもんじゃねぇなぁ・・・
違和感が強すぎてお互いに変な感じだったしね。
声を掛けることだけに目がいってたのは失敗だった・・・
こんなことならいつも通り気まずく声を掛けた方がマシだった気がする。
今までロクに会話なんてしなかったんだから無愛想でいいのかもしれない。
今度からは「いつも通り」を第一にしないとな・・・