上図は「きのあ将棋」の「郷谷さん(上級-)」に後手番で挑んだ時の終盤戦です。
端から美濃囲いを詰ましにいき、△1一香 の王手に▲1六歩 と合駒したので先手玉にいくつかの詰み筋が生じています。
実戦は△2五桂打 と王手を掛け、それに▲1八玉 と逃げたので詰みましたが、局後に検討すると▲2八玉(下図)と逃げられていたら詰まないと示されました。
色々な詰み筋がある中、数少ないハズレを引くいつも通りの筋悪は健在だったようです。
ただ、△2五桂打 以外の手で迫ればちゃんと詰むので、正着を指せなかった反省を込めつつ実戦詰将棋として出題します。
▲1六歩 の合駒にはどう迫れば詰むでしょうか。
11手で詰む手順を考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、▲1六同香(下図)
シンプルに歩を取ってしまうのが正着でした。
▲2八玉 なら△1九角 ▲3九玉 △2八銀 の詰み・・・
▲2六玉 なら△2五銀 ▲1五玉 △1四香 の詰みなので・・・
上図以下、▲1六同玉(下図)
素直に取るのが最善です。
上図以下、△1五歩(下図)
AIはいくつかの詰み手順を示しましたが、△1五歩 と叩くのが最短の一手です。
▲1七玉 なら△1六香 から・・・
▲2六玉 なら△2五銀 から、先ほどの手順と似た感じで詰むので・・・
上図以下、▲1五同玉 △2四銀(下図)
この歩は取るしかありません。
そこで△2四銀 と打てば詰みが見えてきました。
▲1四玉 なら△1三香 の詰み・・・
▲2六玉 なら△3五角 ▲3六玉 △2五銀 などの詰みがあるので・・・
上図以下、▲1六玉 △1五香(下図)
▲1六玉 と逃げますが、△1五香 で下への退路を断てば捕まっています。
上図以下、▲2六玉 △1七角(下図)
△2五銀 からの詰みもありますが、△1七角 の方が分かりやすいでしょうか・・・
上図以下、▲3六玉 △3五角成(下図)
しっかり馬で包囲すれば詰みです。
今回の手順は、美濃囲いに端から迫った時の詰み筋として覚えておくと詰み逃しを回避できそうですね。
上部へ逃げられるのを恐れず、堂々と引きずり出して仕留めるパターンも取り入れようと思います。