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【5級を越える将棋講座 ⑫】香の手筋3「ロケット」「飛車の下から打つ香」を解説【突破力のある香の使い方】

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脱・初心者を目指すための

5級を越える将棋講座

第12回は

基本となる手筋「香車」編

の3回目として

・ロケット
・飛車の下から打つ香

を紹介します。

この2つは香車ならではの

「上部に通った利き」

をダイレクトに使ったシンプルで強力なものになります。

攻撃に特化した「香」の使い方を覚え、

驚異の突破力

で敵陣を粉砕する攻めを覚えてください。


「ロケット」とは・・・

「ロケット」というのは

「香を縦の筋に重ねて打つ一手」

のことです。(下図)

上図のように香車を

・飛車の前に打つ
・重ねて打つ

といった使い方ですね。

縦に利きが通った駒が連携することで

上部への突破力が爆上がりする

というメリットがあります。

攻めを成功させる基本として

相手の「受け駒」の数より「攻め駒」の数を1つ多くする

というのがありますが、それをシンプルに達成できるのが香を重ねる利点です。

攻める前に力を溜める感じで

「香車を1枚重ねてから仕掛ける」

と切れにくい攻めになって効果的ですね。

では、これらを実戦で活かした形を2つ紹介します。


香を飛車の前に打つ「ロケット」

上図は「相掛かり」で飛車先の歩を交換した後に見かける形ですね。

この時、持ち駒に香車があると「弱点の角頭」をダイレクトに狙う手が成立します。

上図以下、▲2七香(下図)

それが飛車の上に香を打つ▲2七香 です。

たった一枚「香」を打っただけで持ち駒がない後手は角頭を受けることができず、2筋突破を止めるのが難しくなっています。

上図以下、△3四歩 ▲2三香成(下図)

指すなら角を逃がすために△3四歩 と開けるくらいですが、▲2三香成 とシンプルに成り込めばあっという間に先手優勢です。

ここまでに「継ぎ歩」や「垂れ歩」など、数手かけて角頭を攻略する手順を紹介してきましたが・・・

香車なら一発で決まる

のを見ると、香ならではの強力さが分かると思います。

香を使うと簡単に上部への攻めに駒を足せるので、

「ちょっと攻め駒が足りないかな?」

という時は

「持ち駒の香車を飛車の上に足す」

のが有効な一手になることが多いです。

矢倉を攻める時に「一手溜める▲2七香(下図)」なんかはたまに見かける手ですしね。

ちょっと猶予があり、確実な攻めをしたい場合は有効なので、

いつも攻めが切れがち

な人は一手溜める香打ちをお試しください。


香を重ねる「ロケット」

次は「香」を重ねる「ロケット」を紹介します。

上図は「穴熊」への端攻めを狙った局面です。

すでに9筋に2枚の香車が重なっていますが、端を突破するにはちょっと足りません。

一例としてシンプルな端攻めでのちょっと惜しい失敗例から紹介します。

上図以下、▲9四歩 △同歩 ▲9三歩(下図)

歩の突き捨てから▲9三歩 はよく見る手順ですね。

上図以下、△9三同銀 ▲同桂成 △同香(下図)

これには△9三同銀 から対応され・・・

上図以下、▲9四香(下図)

一見、▲9四香 と走ると攻めが続きそうですが・・・

上図以下、△9二歩(下図)

△9二歩 と受けるのがけっこう固く、一筋縄ではいきません。

上図以下、▲9三香成 △同歩 ▲9二歩(下図)

▲9二歩 の玉を近づける手筋から攻めを続けても・・・

上図以下、△9二同玉 ▲9三香成 △同桂 ▲9四歩(下図)

次の一手でちょっと惜しい感じになります。

上図以下、△8二金寄(下図)

まだ攻めは続きますが、7筋からの退路ができたのでちょっと捕まりません。

慌てて▲9三歩成 は切れ模様になるので・・・

上図以下、▲9九香(下図)

香を足して攻めるのがAI推奨の一手でした。

ただ、ここで香を打つなら

「最初に香を足してから仕掛けた方がスムーズだったんじゃないか・・・」

という感じがしますね。

そこで考えられるのが「香」を3つ重ねる「三段ロケット」です。

図を最初に戻します。

ここですぐに仕掛けず、もう一手溜めるのが攻めを確実にする好手になります。

上図以下、▲9七香打(下図)

やり過ぎに見えるかもしれませんが、穴熊の端を突破するならこれくらいで丁度いいです。

これで先ほどと同じ攻め筋が強力になって勝ち切れます。

上図以下、△6四歩 ▲9四歩(下図)

一例なので△6四歩 とヌルイ手を指した形で進めます。

上図以下、△9六同歩 ▲9三歩(下図)

ここは香を重ねた効果で▲9三歩 ではなく▲9四香 と走る手もあります。

突破力が増したことで攻め筋が色々増えていますね。

上図以下、△9三同銀 ▲同桂成 △同香 ▲9四香(下図)

上図の▲9四香 を△同香 と取ると▲同香 △9三歩 ▲9二歩 という手順から玉を上部に引きずり出せば長手数ですが詰んでしまいます。

一手間違えれば詰むほど危険な状況になってるのが香を3つ重ねた効果ですね。

上図以下、△9二歩(下図)

9四の香を取る手はないので、先ほどと同じ△9二歩 が正しい受けになります。

上図以下、▲9三香成 △同歩 ▲9二歩(下図)

△9二歩 には▲9三香成 ~ ▲9二歩 と玉を叩いて上部に誘えば、まだ9筋に2枚の香がいるので・・・

上図以下、△9二同玉 ▲9三香成 △同桂 ▲同香成(下図)

さっきのように△8二金 と受けるスキを与えず玉を上部に呼ぶことができます。

ここまでくれば詰み形ですね。

上図以下、△9三同玉 ▲8五桂 △8四玉(下図)

▲8五桂 に△8二玉 と下へ逃げるのは▲9三銀 から銀を重ねて打てば詰みなので△8四玉 と上に逃げますが・・・

上図以下、▲7五銀 △9四玉 ▲9五歩(下図)

▲7五銀 から狭い方へ玉を誘えば・・・

上図以下、△9五同玉 ▲9六香(下図)

最後はキレイに「香」が刺さって詰みます。

微妙に逃がしてしまった最初の手順とは雲泥の差ですね。

今回は自玉が安全なのでどちらでも勝ちですが、場合によっては

「焦って攻めたら駒を渡しすぎて逆に詰まされた」

というパターンもあるので、攻め切れるか怪しかったら1回溜めるのが大切になります。

穴熊を攻める時、持ち駒に香が2枚あるなら、端に香を3つ重ねる「三段ロケット」は有効です。

「やりすぎかな・・・」

と思ったとしても

「100%倒しにいく手」

と割り切って狙ってみてください。


飛車の下から打つ香

「香を重ねて打つ」

という使い方には上に重ねるだけじゃなく

「飛車の下から香を打つ」

といった重ね方もあります。(下図)

基本的には飛車の上に打って「安い香」から突っ込んでいくことが多いんですが、

「飛車から突っ込んだ方が効果的」

な時に有効な一手になります。

その典型的な例が下図です。

矢倉の端を破り、あと少しで突破できそうなんですが、飛車1枚ではちょっと足りません。

この時、上から香を打つ形を覚えたてだと▲1七香(下図)と足す手が浮かぶと思いますが・・・

上図以下、△3一玉(下図)

玉に早逃げされると香が飛車の邪魔をして攻めが重くなってしまいます。

この形の場合、飛車を成り込むことを優先した方がいいので、香を打つなら▲1九香(下図)と飛車の下から打つのが効果的です。

飛車の上に重ねる手を覚えた後だとちょっと盲点になる一手ですよね。

この手には

・▲1一飛成 の詰めろになっている

・△1三歩 と打っても▲同飛成 と取れるので受けにならない

・△3一玉 と逃げられても▲1一飛成(下図)と軽く飛車を使える

といった3つのメリットがあります。

上図で△2一銀 の合駒には▲1二香成(下図)と自然に香まで攻めに使えて好調ですね。

「香の支えがあるからどうやっても飛車の成り込みを止められない」

というのが▲1九香 と下から打つ効果です。

飛車の上に▲1七香 と打った形との差は歴然ですね。

「飛車」に「香」を重ねる場合、

「上」と「下」のどちらに重ねるか

の判断を間違えると大きく形勢を左右するので気を付けてください。

「最後」に飛車を成り込む方が効果的なのか・・・

「最初」に飛車を成り込む方が効果的なのか・・・

この違いを理解して香打ちの判断ができるようになれば5級どころか2級を越えてますよ。


最後に

基本となる手筋「香車」編

の3回目として

・ロケット
・飛車の下から打つ香

を紹介しました。

・飛車の上に香を打つ(下図)


・香を複数重ねる(下図)


・飛車の下に香を打つ(下図)

という使い方はシンプルながら強烈なので、実戦で香を持ったら狙ってみてください。

適切に「香」を使って攻めを成功させることができるようになれば5級を越えたと思って大丈夫ですよ。


※「5級を越える将棋講座 第13回」は下記リンクからどうぞ。

【5級を越える将棋講座 ⑬】桂の手筋1「ふんどしの桂」「歩頭の桂捨て」を解説【得する桂の使い方】 - ダメ人間ブログ【ニートの愚痴と将棋の記録】