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【5級を越える将棋講座 ⑬】桂の手筋1「ふんどしの桂」「歩頭の桂捨て」を解説【得する桂の使い方】

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脱・初心者を目指すための

5級を越える将棋講座

第13回は

基本となる手筋「桂馬」編

の1回目として

・ふんどしの桂
・歩頭の桂捨て

を紹介します。

桂ならではの利きを有効に活用した一手を学び

「ちょっと上手な桂の使い方」

ができるようになってください。


「ふんどしの桂」とは・・・

桂の手筋を代表するのが

「ふんどしの桂」

と呼ばれる一手です。(下図)

1マス離れて横に並んだ駒に対し、桂ならではの利きを使って上図のような両取りを掛ける一手をそう呼びます。

なぜ「ふんどし」なのかというと・・・

「桂」と「両取りになった駒」を繋げた形が「T」の字に見える

のを当時の人のセンスで「ふんどし」に見立てたことから「ふんどしの桂」と呼ばれるようになったみたいです。

日本の歴史を感じる名前ですね。

持ち駒に「桂」がある時に

「桂より価値の高い駒」が「1マス離れて横に並んでいる」上図のような形

を見つけたらシンプルに駒得できるので積極的に桂を打つといいですよ。

では、実戦で「ふんどしの桂」を活用した攻め方の例を紹介します。


不成りで入る「ふんどしの桂」

基本的には持ち駒の「桂」でシンプルに両取りを掛ければいいんですが、盤上にある桂でも狙うことができます。

下図がその一例です。

ちょっと強引に作った盤面ですが、7七にいる桂を使って「ふんどしの桂」を含みに駒得を狙う手順があります。

上図以下、▲6五桂(下図)

「鬼殺し」のようなハメ手で見かける▲6五桂 がその一手です。

桂が跳ねたことで角筋が2二の銀に当たっているので・・・

上図以下、△3三銀 ▲5三桂不成(下図)

△3三銀 と銀取りを受けますが、そこで▲5三桂不成 と成らずに敵陣に入れば「金」の両取りになる「ふんどしの桂」が決まります。

序盤に「桂」と「金」の交換ができれば上出来ですね。

盤上の桂で「ふんどしの桂」を狙う場合、上図のような▲5三桂不成 で動いてない金に両取りを掛けるのが稀に見るパターンです。

桂を使った奇襲戦法の狙いとして覚えておくといいかもしれません。


「ふんどしの桂」を含みに攻める

もう少し実戦的な「ふんどしの桂」を活用した例を紹介します。

上図は、後手が「雁木」の形に組んだ所です。

3筋の歩が切れているスキを突き、ここから「ふんどしの桂」を含みに攻める手があります。

上図以下、▲2四歩 △同歩 ▲2三歩(下図)

突き捨てから▲2三歩 と叩くのがスタートです。

もし△2三同金 と取ると▲3五桂(下図)の「ふんどしの桂」が決まります。

これは先手ペースなので▲2三歩 は取れません。

角を逃げるしかないんですが、△3一角 と引くのは▲4五歩(下図)で攻めが続くので・・・

逃げるなら△3三角(下図)になります。

「ふんどしの桂」を含みにした▲2三歩 の効果で角を3三に呼ぶことができました。

この形になれば「叩きの歩」から攻めが続きます。

上図以下、▲3四歩(下図)

弱点の角頭を叩くのが攻めを繋げる好手です。

この手に△4二角 と引くのは▲4五歩 なので・・・

上図以下、△3四同銀 ▲3五歩(下図)

銀で取るしかありませんが、▲3五歩 と拠点を作れば・・・

△4三銀 や△2三銀 と銀を引く手には▲3四銀(下図)の打ち込みが厳しいですし・・・

△2五銀(下図)と銀を出てくる手には・・・

上図以下、▲2五同銀 △同歩 ▲3四歩(下図)

シンプルに銀を取ってから▲3四歩 と角取りに突きだせば後手は崩壊します。

以下、△2四角 には▲2五飛 ですし・・・

△4二角 は▲4四角(下図)で先手優勢です。

最初に取れなかった▲2三歩 が邪魔で△2二角 と引けないのが痛いですね。

実戦では「ふんどしの桂」がダイレクトに決まることはそうないので、今回の▲2三歩(下図)のように・・・

「取れば▲3五桂 の両取りが決まるよ?」

という含みにしながら攻めるのが基本になります。

こういった感じで

「盤上には現れなかったけど裏側に手筋が隠れた攻め」

を狙えれば5級越えどころか初段も夢じゃありません。

少しずつ「手筋を含みに手を繋げる」ような攻めも覚えていくといいですね。


歩頭の桂捨て

第3回の「桂を使った基本の3手詰め」で紹介した

歩頭の桂捨て(空間を開ける桂捨て)

を「詰み」ではなく中盤に活かした使い方を紹介します。

上図は「歩頭の桂捨て」から先手勝勢になれる定番の局面です。

桂ならではのヤッカイな一手で「▲5五角 の王手飛車」を狙える形になるんですが、どこに桂を打てばいいでしょうか・・・

せっかくなので次の一手として出題します。

数行下に答えを書くので「絶好の桂打ち」が見えたらスクロールしてください。





では答えです。

上図以下、▲7四桂(下図)

タダで桂を捨てる▲7四桂 が好手になります。

△9二玉 や△7一玉 と逃げると▲8二金 の詰みなので・・・

上図以下、△7四同歩 ▲5五角(下図)

△7四同歩 と取るしかありません。

すかさず「ムリヤリ空けた玉のコビン」を狙って▲5五角 と打てば王手飛車が決まって先手勝勢です。

▲7四桂 ~ ▲5五角 は実戦で決まったら気持ちいい手順ですね。

ちょっとした注意点としては、初手に▲7四桂 ではなく▲5五角(下図)と角から打つと失敗する所です。

「飛車を逃げたら▲7四桂 から詰むんだから、先に角を打つ▲5五角 が正解じゃない?」

と思った人もいるかもしれません。

「飛車取り」よりも「詰み」を優先する感覚は素晴らしいですが・・・

これは「ある一手」を見落とした悪手になります。

上図以下、△2四飛(下図)

△2四飛 がこのミスをトガめる唯一の逃げ場所で、飛車取りを避けながら横利きで▲7四桂 を△同飛(下図)と取る手を用意した好手になります。

「どっちでも勝ち」

のように見えて手順前後で勝機を逃す罠が隠れていました。

もし下図のように3四の歩が邪魔して△2四飛 と浮いても横利きが7筋に通らない形なら・・・

最初に▲5五角(下図)の「詰めろ飛車取り」を打つのが正解になります。

決めにいく時は慎重に確認するのが大切ですね。


「歩頭の桂捨て」を活用した7手詰め

第3回の「桂を使った3手詰め」では手数が長くて紹介できなかった

「歩頭の桂捨て」を活用した7手詰

を出題します。

初手に「桂」を打つことで詰み形に持っていけるんですが、どこに打てばいいでしょうか・・・

この手順を知ると「詰まなそうな玉が詰んだ感動」を味わえると思います。

ちょっと難しいので、初手だけでも浮かんだらスクロールしてください。





では答えです。

上図以下、▲8四桂(下図)

ここに桂を打つのが好手で詰みます。

△6一玉 には▲6二金 の詰み・・・

△8二玉 には▲7一角(下図)と打ち・・・

以下、△7一同玉 ▲7二金 で詰むので、▲8四桂 は△同歩(下図)と取るしかありません。

この桂捨てで「8三の地点が空いた」ので・・・

上図以下、▲6一角(下図)

この角打ちでの詰みが生じました。

△6一同玉 は▲6二金 の詰みなので・・・

上図以下、△8二玉 ▲8三金(下図)

△8二玉 と逃げるしかありませんが、桂捨ての効果で▲8三金 と打てたのが大きく・・・

上図以下、△7一玉 ▲7二角成(下図)

角と金がキレイに連携して詰み上がりました。

最初に▲8四桂 と捨てず、いきなり▲6一角 と打つと△8二玉(下図)と逃げられて手がないのを見ると・・・

▲8四桂 と捨てる効果が分かりますね。

自力で▲8四桂 を見つけるのは難しかったと思いますが、知識として覚えた今なら実戦でも浮かぶと思います。

一見、詰まなそうに見えても「桂捨て」で「空間をあける」と詰み形になることがあるので

「手が続かない・・・詰まない・・・」

と諦めず、ヤケクソでもいいので「桂」を捨ててギリギリまで迫るといいかもしれませんよ。


最後に

基本となる手筋「桂馬」編

の1回目として

・ふんどしの桂
・歩頭の桂捨て

を紹介しました。

・「ふんどしの桂」を含みに攻める手順(下図)


・▲8四桂 からの詰み(下図)

は実戦でもよく現れるので、桂を持ったら意識して狙ってみてください。

こういった手が使えるようになれば5級以上の棋力はあると思いますよ。


※「5級を越える将棋講座 第14回」は下記リンクからどうぞ。

【5級を越える将棋講座 ⑭】桂の手筋2「控えの桂」「継ぎ桂」を解説【狙いを秘めた桂の使い方】 - ダメ人間ブログ【ニートの愚痴と将棋の記録】