上図は、前問の「実戦詰将棋107」のおまけで書いた変化から生じた11手詰めです。
流れるような手順が気持ちよかったので出題することにしました。
級位者でも読みやすい手順だと思います。
頭で駒を動かす練習にどうぞ。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、▲2二歩 △1二玉 ▲1一桂成(下図)
歩の王手から桂を成り捨て・・・
上図以下、△1一同玉 ▲2一歩成(下図)
続けざまに歩も成り捨てて急所に誘うのが変化を許さない気持ちいい手順でした。
上図以下、△2一同玉 ▲2三香(下図)
あとは香を1つ離して打てば・・・
上図以下、△3一玉 ▲2二香成 △4一玉 ▲3二成香(下図)
攻め駒がキッチリに働く形で詰みます。
さりげなく4四の香が刺さってるのが良いですね。
おまけ:実戦の詰み逃し
上図は、前問の詰みを逃し、相手のミスを願って△7三銀 と指した局面です。
ここから逆転までの手順を書いていきます。
上図以下、▲4一金(下図)
読み切った感のある金捨てから・・・
上図以下、△4一同飛 ▲同角成 △同玉 ▲3一飛(下図)
強烈な飛車打ちを食らってガックリしましたが・・・
上図以下、△4二玉 ▲4四香 △4三銀(下図)
ここで事件が起きました。
▲3三銀 と打っていれば長手数の詰みがあって先手の勝ちだった所・・・
上図以下、▲4三同香成 △同金 ▲7八銀(下図)
▲4三同香成 と銀を取った手が悪く、この瞬間に後手玉の詰みが消えてチャンスが回ってきました。
上図以下、△7七角 ▲同銀 △7八飛(下図)
角捨てから飛車を打ち・・・
上図以下、▲9七玉 △9四香(下図)
上下から包囲する形を作った上図は逆転に成功したようで・・・
上図以下、▲9五香 △同香 ▲9六歩 △同香 ▲同玉 △9五歩(下図)
△9五歩 を見て詰みを読み切った郷谷さんの投了となりました。
以下、一例です。
上図以下、▲9五同玉 △9四香 ▲同玉 △9八飛成(下図)
△9八飛成 で下からも迫る形を作れば・・・
上図以下、▲9五歩 △9三歩 ▲同玉 △9五竜 ▲9四歩 △8二金(下図)
△8二金 までピッタリ詰みます。
正着の▲3三銀 の変化
実戦は▲4三同香成 と銀を取って後手の逆転勝ちになりましたが・・・
上図以下、▲3三銀(下図)
ここは焦点に銀を捨てれば詰んでいました。
上図以下、△3三同桂 ▲同角成 △3一玉 ▲2三桂(下図)
ここで△2一玉 と逃げれば今回出題した11手詰めの変化です。
正着は△4一玉(下図)と逃げる変化ですが・・・
あまり面白い手順じゃなかったので見送りました。
ただ、ここまで書いてしまったので詰み手順をザっと書いておきます。
上図以下、▲4三香不成(下図)
△4三同金 と取ると▲3二銀 △5二玉 ▲4三銀成 から詰むので・・・
上図以下、△4二銀 ▲3二銀(下図)
何か合駒するのが正着ですが、▲3二銀 と迫れば・・・
上図以下、△5一玉 ▲4二香成(下図)
馬と香がしっかり働いて詰みます。
上図以下、△4二同金 ▲同馬 △同玉 ▲4三金 △5一玉 ▲4二銀(下図)
馬切りから▲4二銀 で左辺へ誘導し・・・
上図以下、△6二玉 ▲7三桂右成 △7一玉 ▲8二銀(下図)
待ち構えていた2枚桂を活躍させれば詰みます。
この手順を見逃してくれたおかげで勝てました。
お互いに詰み逃すグダグダっぷりが低段の実戦っぽいですが、こういう将棋にならないようにキッチリ詰ませるようになりたいですね。