今回は「ぴよ将棋w」の「ひよ乃（初段+）」に
左美濃急戦
をやった一局の検討でAIが示した
向かい飛車で飛車先を逆襲する発想
を紹介します。
飛車先の歩交換から横歩を取られた時の対策にどうぞ。
飛車先の歩交換を受けない
先手が「私」、後手が「ひよ乃（初段+）」です。
上図は、左美濃急戦 vs 矢倉 のオーソドックスな駒組みをした所です。
△８五歩 と飛車先の歩を伸ばしてきたのを▲７七角 と受けず、▲７九玉 と囲ったのが１つのポイントですね。
▲７七角 と受けなかったのは△５四歩 ～ △３一角 ～ △８六歩（下図）と角交換を狙われる変化を嫌ったからです。
盤上から角を消されると「理想的な攻めの形」を作るのが難しくなってしまいますから・・・
「角筋を活かした攻め」が１つの狙いなので、簡単に角交換を許さない駒組みが大切ですね。
横歩を取られたらチャンス
飛車先を受けなければ次のように進むことが多いです。
上図以下、△８六歩 ▲同歩 △同飛（下図）
素直に歩を交換して飛車を直通させてきます。
▲８七歩 と受ければ無難な進行ですが、本譜はちょっと上部への厚みを増したかったので・・・
上図以下、▲７七角（下図）
銀冠への組み替えを含みに角を上がってみました。
△８二飛 と引いてくれれば▲８六歩 ～ ▲８七銀 ～ ▲７八金 のように指すつもりでしたが・・・
上図以下、△７六飛（下図）
本譜は横歩を取ってきたため「１つの反撃筋」が生じ、先手有利になるチャンスを迎えました。
ここからAIが示した柔軟な発想を紹介します。
上図以下、▲８七銀 △７五飛（下図）
▲８七銀 と上がって上部を厚くするのは一緒でしたが・・・
上図以下、▲８六銀（下図）
ズイっと銀を出たのがハッとする一手でした。
守備駒だと思っていた銀を攻めに活用し・・・
上図以下、△７四飛 ▲８八飛（下図）
飛車筋がスーッと通った形なのを利用して▲８八飛 と回れば完了です。
後手は次の▲８五銀 からの攻めを受ける術がなく、27手目にして先手有利になりました。
相手の飛車が不安定な内に自分の飛車を最大限に活用する見事な手順ですね。
左美濃急戦で横歩を取られた時の反撃として忘れないようにしたい発想でした。
最後に
左美濃急戦で飛車先の歩交換をされた時（下図）・・・
▲５八金右 のように上がってない形なら、銀冠を含みに▲７七角（下図）と上がる手は有力かもしれません。
もし△７六飛（下図）と横歩を取られた時に・・・
７八の銀を▲８七銀 ～ ▲８六銀（下図）と攻め駒として活用し・・・
▲８八飛（下図）から８筋を逆襲する攻め筋が生じますから。
無難に指して一歩得が活きる形にするとペースを握られるので、こういう反撃含みに駒組みをするのが大切ですね。
左美濃の横歩を取られた時は今回の
「向かい飛車への振り直し作戦」
を１つの反撃筋としてお試しください。
