ここの所、三間飛車ブームが私の中に来ています。
というのも、これを読んで一通り棋譜並べをしたからです。
「三間飛車 名局集」
何ていうのかな・・・四間飛車とは違ったちょっと通っぽい感じにハマったというか・・・
左銀の柔軟性や、角の陰に隠れた飛車を上手く使えたときの快感、みたいな駒を上手く働かせる事ができると気持ちいい戦法って感じ?
さばきと言ったらコレみたいな。
大野源一九段の軽いさばきに憧れてるんですが、あんなキレイな将棋を指せたら気持ちいいだろうなぁ・・・という理想を目指し頑張っています。
大山十五世名人の独特な左金の使い方とか、自由度の高い柔らかい将棋っていうか、まだまだ可能性を秘めた感じが魅力ですね。
最初の内は上手くいかなくて勝率が悪かったですが、最近、ちょっとずつ勝てるようになってきたので楽しくなっています。
まぁ将棋Flash相手なので大したことないんですけどね・・・
で、将棋Flashが居飛車の時はノーマル三間飛車をやる事が多いんですが、またちょっとした穴を見つけました。
何回かやっていて同じ事をやってくる事があるのでこれも将棋Flashのクセなんじゃないかと。
今回は、そんなちょっとしたクセを紹介したいと思います。
謎の角の覗きをしてくる率が高い
上図は先手の将棋Flashが急戦の駒組みをしてきた所です。
桂馬を跳ねて4筋辺りから攻めてこようという感じでしょうか。
後手の私は普通の三間飛車の駒組みですね。ここからどう駒を捌いていくか、ワクワクしている所です。
ここで普通なら△2二飛と急戦を受けるのが定跡なのかもしれません。
ただ、たまにはちょっと違う事もしてみようと、違う手を指してみました。それがこちら。
△4三銀です。
まぁ普通っちゃ普通の手ですよね。オーソドックスな形かもしれません。
この後、4筋から攻めてくるなら普通に飛車を4筋に振りなおして▲4五歩早仕掛けの定跡に合流すればいいかって感じでした。
でも、将棋Flashはここで予想外の一手を指してきました。それがこちら。
▲9七角です。
四間飛車だったら飛車に当たるから避ける必要があるんですが、三間飛車なので「ん?」って感じでしたね。
狙いが分からん・・・それに、これはスキができてるような・・・
ここでちょっと振り飛車が有利になれる一手があります。
上図以下、△9五歩(下図)
弱い角の頭を狙う一手です。よくある筋ですよね。
ここから普通に進めると・・・
上図以下、▲9五同歩△同香▲3一角成△同飛▲9五香(下図)
となり、9筋に傷は抱えるものの振り飛車が角得して少し優勢になります。
Bonanzaの評価値だと後手が400点くらいいいみたいですしね。
多分、こう進めるのが最善かと思います。
でも、将棋Flashはちょっと違う展開になり、より振り飛車が有利になれます。
それが今回発見した穴です。
将棋Flashは受け間違えて傷口を広げる
上図は、△9五歩と突っかけた所です。
ここから将棋Flashは独特の不思議な受けをして傷口を広げてしまいます。
上図以下、▲9五同歩△同香▲8八角(下図)
こう指すんならなぜ角で覗いたんだろ?っていう展開です。
次の一手で後手の優勢が拡大します。
上図以下、△9八歩(下図)
香車を歩で取りにいきます。これで地味ながら駒得が確定して後手がいいです。
上図以下、▲4五桂△4二角(下図)
ちょっとどうにかしようと桂馬を跳ねてきましたが、冷静に角をかわして後手がいいですね。
角交換するとちょっとゴチャっとしますから、ここは丁寧に指した方がいいです。
上図以下、▲2四歩△同歩▲9八香△同香成▲7七角(下図)
香得が確定してこれで後手がいいです。
こうなるならなぜ将棋Flashは▲9七角としたのか分からない展開ですね。
将棋Flashが角で覗いてきた変化ではほぼ毎回この変化になるので簡単に有利になれます。
△5四歩△4三銀型の角で覗ける形にするとやってくる事が多いのでちょっとお試しください。
ここからの勝ち切り方をBonanzaに見せて貰おう
これで優勢なので「あとは頑張ってください」でもいいんですが、それで終わるとちょっと寂しい・・・
なので、ここからの勝ち切り方をBonanzaに見せて貰いました。
優勢になってからの勝ち方を参考にしましょう。
上図以下、△9六歩▲9三歩△8四香▲8六歩(下図)
突破した端から手を作っていくのがBonanzaの判断でしたね。
玉も近いので効率のいい攻めです、さすがです。
上図以下、△8九成香▲同玉△8六香▲7八玉△9七歩成(下図)
玉の近くに攻めの拠点ができてメチャクチャ優勢ですね。
上図以下、▲9二歩成△同玉▲6八玉△8七香成▲9五角(下図)
角が狙われ玉も狙われ先手はピンチすぎますね、左辺が壊滅状態です。
上図以下、△9四歩▲5九玉△9五歩▲6六歩△4五歩(下図)
角を犠牲に玉を逃げますが、桂馬も取られどんどん追い詰められていきます。
上図以下、▲4九玉△8二玉▲2九飛△3五歩▲同歩(下図)
右辺に逃げようにもそちらには飛車が待ち構えている・・・逃げ場がないですね。
そして次の一手が厳しかったです。
上図以下、△2五桂▲3九香△3六歩▲9四歩△3七桂打(下図)
玉と飛車の位置がちょうど桂馬で両取りを掛けられる状態になっているのを見逃しません。さすがBonanzaです、急所を見つけるのが上手い。
上図以下、▲3七同香△同桂不成▲同銀△同歩成▲5九玉(下図)
後手の理想的挟撃が決まり先手は成す術がありません・・・
上図以下、△3八銀▲9三歩成△同玉▲5三桂△2九銀不成▲6一桂成(下図)
▲5三桂の所でBonanzaは読み切りました。
上図以下、△8六角▲6八銀△4九飛▲同玉△3八銀成▲5九玉△4八角▲同金△同成銀(下図)
までBonanzaの勝ちです。
やっぱり優勢になってからのBonanzaの勝ちっぷりは見事でしたね。
理想的挟撃体制、スキを突く桂打ち、文句ない勝利でした。
優勢になってから、どこが勝ちきるのに最短のポイントになるか見極める、この力は大切ですね。
最後に
三間飛車vs居飛車急戦の時に、謎の角覗きをしてくる穴を発見した話でした。5筋を空けて角が覗けるようにするとやってくる事があるので、お暇でしたらちょっとお試しください。
こちらとしては普通の形を目指しているだけなのでやってこなくても負担はありませんから。
もし▲9七角と覗いてきたら今回の手順を参考にして簡単に有利になりましょう。
将棋Flashは三間飛車に対しては色々な作戦をやってくるのでいい練習相手になります。
初心者の三間飛車党の方には丁度良い相手になると思うので、ぜひ挑戦してみてください。
そして、三間飛車に興味があるなら最初に紹介した「三間飛車名局集」はオススメです。
急戦から穴熊まで一通りの三間飛車の棋譜が収録されているので良い勉強になります。
どう指していいか分からない、三間飛車のさばき感覚を身に付けたい、そんな方ならぜひ読んでみてください。
これ1冊を並べ切った後は、何かコツを掴んでいると思いますから。
オススメです。