今回は「ぴよ将棋」の
Lv34 ピヨ基(五段)
に「先手番 三間飛車トマホーク」で挑み、
△3五歩(下図)の受け
に困った一局を紹介します。
高段のひよこは穴熊が多く、三間飛車ではトマホークでの攻略が定番化していますが、まだまだ未知の受けがありました。
実戦譜を元に
・有効と思われる攻め筋
・指さない方がいい一手
などを紹介するので、やっかいな△3五歩 への一例としてお楽しみください。
攻めが難しい△3五歩
先手が「私」、後手が「ピヨ基(五段)」です。上図は、▲1七桂 と跳ねてトマホークらしい速攻の端攻めを狙っている所です。
ここから数手後に対応の難しい受けをされました。
上図以下、△2二銀 ▲2五桂 △4二角 ▲6五歩(下図)
▲2五桂 ~ ▲6五歩 と穴熊を狙う手順まではよかったんですが、次の一手が初体験の一手でした。
上図以下、△3五歩(下図)
このタイミングで飛車の横利きを受けに通すのは意外でしたね。
どう指すのが効果的か局後にAperyで検討したんですが・・・
上図以下、▲6八飛 △2四角 ▲6四歩(下図)
という感じで端攻めを保留して動く手を推奨され、いつもの勝ちパターンに持っていく将棋とは別物になりました。
先手有利(600点)と示しているものの、けっこう先の長い将棋になり難しいです。
△3五歩 は研究課題になる有効な受けなのかもしれません。
実戦譜を元に攻め筋の一例を紹介します

△3五歩 に対し、どうにか攻めを決行しようと私が指したのは次の手順です。
上図以下、▲6六角 △9四飛 ▲9六歩(下図)
飛車が邪魔なのでちょっと牽制してみました。
上図以下、△3一金 ▲9五歩 △2四飛 ▲2六歩(下図)
しかし、飛車の横利きを止めることはできずイマイチな結果に・・・
上図以下、△6四歩 ▲同歩 △同飛 ▲6八飛(下図)
後手から△6四歩 と動いてきたので、それに乗っかって強引な捌きに出ました。
このままだと▲2二角成 ~ ▲6四飛 の素抜きがあるので・・・
上図以下、△6六飛 ▲同飛 △8八角(下図)
飛車 角 交換から△8八角 と打ち込まれ、お互い引くに引けない展開になりました。
ここから無難に指すなら▲6五飛 ですが、ウッカリから意外な攻め筋が見つかります。
上図以下、▲6四飛 △5五角成 ▲6五飛打(下図)
▲6四飛 と逃げて△5五角成 の飛車・銀両取りに「あっ」となり、ヤケクソで打った▲6五飛打 が次善手くらいの手順でした。
▲6四飛 は無い手ではなかったみたいですね。
上図以下、△9九馬(下図)
馬と飛車の交換は、改めて▲7七角 のように打って穴熊を睨む手を狙っていたので歓迎です。
それを察知したのか△9九馬 と入りましたが、ここで有効な攻め筋がありました。
Apery推奨の攻め筋

「トマホークならこの手を指さずに何を指す?」
と言えるくらいの一手があります。
上図以下、▲1四歩(下図)
ここで端に手をつけるのが先手優勢を維持する一手でした。
上図以下、△1四同歩 ▲1三歩 △同桂 ▲1四飛(下図)
飛車の利きを目いっぱい使った端攻めです。
上図以下、△1五歩 ▲同香 △同角 ▲同飛 △2五桂(下図)
後手も△1五歩 から△2五桂 と必死の抵抗を見せます。
上図以下、▲1三歩 △同香 ▲1四歩 △同香 ▲同飛(下図)
先手は飛車を四段目に戻し・・・
上図以下、△1三歩 ▲8四飛 △6三香 ▲8五飛寄(下図)
2枚の飛車を8筋に転回して先手が700点くらい良いようです。
以下、△6九香成 ▲8一飛成 と進み、▲3四香 みたいな手を狙って悪くありません。
Apery推奨のこの手順を1つの攻め筋として覚えておくと役立つかもしれませんね。
実戦のミス手順
局面を戻します。上図は、▲6五飛打 に△9九馬 と香車を取られた所です。
ここから△1四歩 の端攻めを狙えば先手有利な展開でしたが、私が指したのはこの手順でした。
上図以下、▲6二飛成 △同金 ▲同飛成(下図)
ヤケクソの2枚替えです。
ただ、この手順はそこまで悪くなく先手やや有利だったようです。
上図以下、△8九馬(下図)
しかし、△8九馬 への対応を誤り敗勢へ陥ります・・・
正着はここでも▲1四歩(下図)でした。
この将棋では2五の桂を活かす端攻めが急所だったみたいですね。
以下、一例です。
上図以下、△4五馬 ▲1三歩成 △同香 ▲同香成 △同桂(下図)
上図以下、▲1三同桂成 △同銀 ▲2五桂 △1二歩 ▲3三香(下図)
これで先手が1400点くらい優勢です。
受けになってない▲7八銀
実戦は△8九馬 に▲7八銀(下図)と受けになってない手を指し、後手有利の展開になりました。上図以下、△9八飛(下図)
馬取りの先手だったはずが△9八飛 で逆に先手を取られピンチです。
上図以下、▲6八竜 △8八馬 ▲3四銀 △3二金(下図)
竜を引き上げた▲6八竜 が明確な悪手で、ここからは厳しい将棋になりました。
香の打ち場所が大切

後手ペースですが、どうにか勝負形へと端攻めを狙った手順から
角の利きが1五に利いてる場合に注意した方がいい香打ち
を紹介して終わります。
上図以下、▲1三桂成 △同銀 ▲1四歩 △2二銀 ▲1三金(下図)
強引すぎる金打ちに賭けますが・・・
上図以下、△1三同桂 ▲同歩成 △同香 ▲同香成 △同銀(下図)
この後に悪手が出て負けが決まります。
上図以下、▲2五桂 △2二銀 ▲1九香(下図)
下段から打った▲1九香 がこの形では悪手でした。
上図以下、△1五歩(下図)
角筋を活かした△1五歩 で攻めが止まってしまい、これで先手は切れ筋です。
打つなら▲1四香 と角筋の利かない所から打つべきでしたね。
トマホークでは△1五歩 のような角筋を使った端の受けがあるので、香車を打つ場合は注意が必要です。
実戦は△1五歩 で心も折れ、数手後に負けになりました・・・
投了図はこちらです。
中盤のミスから雑になり、まだ勝ち筋のある将棋を台無しにするのが悪いクセですね。
ミスをしてからもメンタルを崩さずに頑張らないと高段相手の勝利は遠そうです・・・
最後に
トマホークへの有効な受けになる△3五歩(下図)の検討手順を紹介してみました。現状は▲6八飛 から新たな攻め筋を狙うのが有力ですが、もう少し時間を掛けて研究すれば良い手順が見つかるかもしれません。
△3五歩 はしばらくの間、トマホークでの課題になりそうです。