今回は「ぴよ将棋」最強のAI
Lv40 ピヨ帝(六段+)
の攻略として、いつも検討に使っているAI
Apery
と戦わせて、どうやって「ピヨ帝」に勝つのか見せてもらいました。
自然な指し回しでサラリと勝つAperyの見事な一局をお楽しみください。
Apery vs ピヨ帝(六段)
先手が「Apery」、後手が「ピヨ帝(六段+)」です。初手から、▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩(下図)
ちょっと金上がりのタイミングにAIっぽさがありましたが、相掛かりに進みました。
上図以下、▲9六歩 △9四歩 ▲3八銀 △7二銀(下図)
飛車先の歩交換を保留して様子をうかがう最近の相掛かりですね。
上図以下、▲4六歩 △8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲4七銀(下図)
▲4六歩 を見てピヨ帝が一歩交換にきました。
浮いた歩を狙う定番のタイミングで、それを無難に受ける▲4七銀 までは自然な流れです。
上図以下、△8二飛 ▲8七歩 △8三銀 ▲3六銀(下図)
後手が△8三銀 から棒銀を狙った手に対し、Aperyは▲3六銀 と予想外の積極策を見せてくれました。
受けに回る展開かと思っていただけに期待が高まります。
棒銀を受ける▲7七桂

上図以下、△3四歩 ▲2四歩 △同歩 ▲同飛(下図)
△3四歩 を見てAperyも一歩交換へいきました。
ここからどうやって手を作っていくのか・・・
上図以下、△2三歩 ▲2八飛 △4二銀 ▲7六歩(下図)
▲7六歩 と角交換も視野に入れた積極的な一手に対し・・・
上図以下、△3三銀 ▲6八銀 △7四銀 ▲7七桂(下図)
後手は△3三銀 と角交換はせず矢倉へ向かいました。
△7四銀 と上がった手に▲7七桂 と跳ね、次の△8五銀 を防ぐのは参考になる受けですね。
対棒銀で有効な一手なので、この手がパッと浮かばなかった人は覚えておくと役立つと思います。
雁木 vs 矢倉 へ

▲7七桂 と棒銀を受けた上図。
後手から早い攻めもないのでここから少し囲い合う展開になりました。
上図以下、△3一角 ▲6六歩 △5四歩 ▲6七銀(下図)
雁木 vs 矢倉 になり、お互い冷静に陣形を整えていきます。
上図以下、△5二金 ▲5六歩 △4四歩 ▲5八金(下図)
上図以下、△4三金右 ▲1六歩 △4一玉 ▲4五歩(下図)
もう少し囲ってから動くのかと思ったら、Aperyは居玉のまま▲4五歩 と突っかけていきました。
上図以下、△4五同歩 ▲同銀 △4四歩 ▲3六銀(下図)
これがただの一歩交換で終わらず、手にした歩を活用したAperyの急所を突く攻めが始まります。
さりげなく矢倉を攻略する手順は見事でした。
Aperyによる自然な攻め

上図以下、△1四歩 ▲7九角(下図)
何気ない△1四歩 が先手に攻め筋を与える疑問手でした。
上図以下、△8六歩 ▲同歩 △同角 ▲8七歩 △4二角 ▲6九玉(下図)
ピヨ帝の次の一手が先手にチャンスを与えてしまいます。
上図以下、△2四銀(下図)
後手陣の弱点を的確に狙う次の一手からAperyペースです。
上図以下、▲4八飛 △3三銀 ▲1五歩(下図)
▲4八飛 と薄くなった4筋を狙い、それを受けに△3三銀 と戻った所で▲1五歩 ともう1つの弱点を突くのが的確でした。
上図以下、△1五同歩 ▲1四歩(下図)
私程度の棋力では▲1四歩 がフワっとした攻めに見えましたが、これが見た目以上に厳しかったようです。
上図以下、△3一玉 ▲1三歩成 △同香 ▲2五銀(下図)
香を1四まで吊り上げず、先に銀を出る▲2五銀 が含みのある上手い手ですね。
上図以下、△2四歩 ▲1四歩(下図)
△2四歩 を待って▲1四歩 と打ち・・・
上図以下、△2五歩 ▲1三歩成(下図)
銀と引き換えに1筋に「と金」を残すのが厳しいみたいです。
上図以下、△2六歩 ▲2八飛 △2七銀 ▲4八飛(下図)
△2六歩 に▲2八飛 と回り、△2七銀 と銀を使わせたのも上手いですね。
上図以下、△3五歩 ▲同角 △3四銀 ▲2六角(下図)
狭い方へ引く▲2六角 が攻めを継続する好手です。
上図以下、△1三桂 ▲4五歩(下図)
角の利きがあるのでこの攻めが厳しくなっています。
上図以下、△4五同銀 ▲4七香(下図)
サラッと急所を突き刺す▲4七香 が鬼ですね。
上図以下、△3四金 ▲4五香 △同金 ▲4六歩(下図)
強く受けてきた△3四金 も▲4六歩 と軽くあしらって先手勝勢です。
この辺りの手順は指されてみると自然な手に見えますが、そう簡単に指せないですよね。
上図以下、△2四香 ▲4五歩 △2六香 ▲4四歩(下図)
役目の終わった角と刺し違えて急所に歩を進めれば寄せが見えてきました。
ここからピヨ帝の頑張りに余裕の対応をするAperyの指し回しをご覧ください。
Aperyの冷静な寄せ

上図以下、△2五角 ▲4六飛(下図)
玉を睨みながら攻めを牽制する△2五角 に▲4六飛 と浮いたのが的確な対応でした。
上図以下、△1六銀成 ▲同香 △2九香成 ▲4三銀(下図)
シンプルに打ち込んだ▲4三銀 が厳しいです。
上図以下、△2四角 ▲4五飛 △4六桂 ▲3五銀(下図)
ピヨ帝も△2四角 から△4六桂 と六段ならではの怖い反撃で精一杯の対応をしますが、▲3五銀 が読み切りの受けでした。
上図以下、△3五同角 ▲同飛 △3四歩 ▲4五飛(下図)
2四の角がいなくなれば先手の寄せの方が早いです。
上図以下、△5八桂成 ▲同銀 △5七銀(下図)
対応を間違えたら危ない△5七銀 には・・・
上図以下、▲3二銀成 △同飛 ▲3六桂(下図)
角の利きを止めつつ、後手玉の上部脱出も防ぐ▲3六桂 が明快な応手でした。
上図以下、△5八銀不成 ▲同玉 △3五金 ▲2三銀(下図)
先手玉は寄らず、詰めろの▲2三銀 を食らった後手は手がありません。
上図以下、△3六角 ▲同歩 △4六桂 ▲6八玉 △5九銀(下図)
最後の王手ラッシュを乗り越えれば先手の勝ちですね。
上図以下、▲7九玉 △6八銀打 ▲8九玉 △4五金(下図)
先手に手番が回り終局を迎えます。
上図以下、▲3二銀成 △同玉 ▲4三金(下図)
ここでピヨ帝の投了となりました。
上図以下、△2三玉 ▲3二角 △2四玉 ▲2二飛(下図)
と迫れば上部へ逃げられず、以下、△2三歩 ▲同飛成 で詰みですね。
最後に
Aperyによるあっという間の「ピヨ帝」攻略でした。△2四銀(下図)と上がった手を的確にトガめた▲4八飛 からの攻めは見事でしたね。
指されてみると無理のない手が多く、神レベルのAIからしたらアマ六段なんてスキだらけで朝飯前なのかもしれません。
こういう感じでサラッと急所を突く鮮やかな将棋を指してみたいもんです。