今回は、きのあ将棋の「ロレンツィオ ゆとり」を棒銀で攻略した一局を紹介します。
ロレンツィオはシンプルにミスをする展開が多く、比較的楽に勝てるゆとりレベルかもしれません。
的確にミスをとらえて大差勝ちを狙いましょう。
まずは棒銀へ
先手が「私」、後手が「ロレンツィオ」です。初手から、▲２六歩 △３四歩 ▲２五歩 △３三角（下図）
まずは角道を開けずに飛車先の歩を伸ばします。
振り飛車党のロレンツィオは普通に△３三角 と受けるので、ここから棒銀で飛車先突破を目指します。
上図以下、▲３八銀 △４二銀 ▲２七銀 △６二玉 ▲２六銀（下図）
本局は飛車を振らずに△６二玉 と囲ってしまったので個性が出ませんでした。
こちらはかまわず銀を繰り出してシンプルな棒銀で攻めます。
上図以下、△４四角 ▲７六歩（下図）
ロレンツィオは▲２六銀 と棒銀の形を作ると△４四角 と上がってくることが多いです。
こうなったら角が邪魔なのでシンプルに角交換を狙い▲７六歩 と角道を開けます。
上図以下、△７二玉 ▲４四角 △同歩 ▲７八銀（下図）
角交換から▲７八銀 と８八に角打ちのスキがあるように指すのがちょっとした罠です。
ロレンツィオはこれに引っ掛かることが多く、地味に有効です。
上図以下、△８八角 ▲７七角 △同角成 ▲同銀（下図）
△８八角 と打たれたら▲７七角 と打ち返せば問題ありません。
角交換をして▲７七同銀 となれば無条件で銀が好形に持っていけたので得しました。
こうなれば先ほど▲４四角 と角交換した手損を取り返して好調です。
飛車先の突破を目指す
手損を取り返した上図。
ここからシンプルに攻めていきます。
上図以下、△５二金右 ▲６八玉 △４三銀 ▲２四歩（下図）
▲６八玉 と一手だけ玉を囲って５、６筋の歩に紐をつけ、▲２四歩 から開戦です。
上図以下、△２四同歩 ▲１五銀 △３三桂 ▲２四銀（下図）
銀が好位置まで進出して棒銀成功です。
上図以下、△４五桂 ▲５八金右 △２七歩 ▲同飛 △４九角（下図）
後手もこのままではいけないので桂馬を跳ねて反撃してきます。
△４九角 まではよく見る反撃です。
ただ、ロレンツィオはこのあとに致命的なミスをすることが多く、一気に先手優勢になります。
上図以下、▲２六飛 △１四歩 ▲４八金（下図）
▲２六飛 とシンプルに飛車を逃げた所で△３八角成 と指さないといけないんですが、なぜかここで角を見捨てることが多いです。
そうなったら▲４八金 と角を捕獲して先手勝勢です。
上図以下、△５七桂成 ▲同玉 △２五歩 ▲同飛 △５四銀（下図）
すでに後手には指し手がありません。
上図以下、▲４九金 △４五歩 ▲３三銀成 △５一金寄 ▲２一飛成（下図）
角を取って飛車を成り込み圧倒的大差になりました。
ここから焦らず寄せに入ります。
確実に寄せる
飛車を成り込み大差になった上図。
無理をせず冷静に寄せ切ります。
上図以下、△４六歩 ▲同歩 △３五歩 ▲４四桂（下図）
壁になっている金の連結を断つのが分かりやすいですね。
上図以下、△５五銀 ▲５二桂成 △同金 ▲６一角（下図）
急所に角を打ち込んで詰みました。
上図以下、△６二玉 ▲５二角成（下図）
ここでロレンツィオの投了となりました。
以下、△５二同玉 ▲４三角 △６二玉 ▲６一角成（下図）
までの詰みですね。
最後に
「ロレンツィオ ゆとり」は棒銀をやると今回のような感じに進むことが多いです。棒銀にいく▲２六銀 に△４四角 と上がってきたら▲７六歩（下図）と角交換を狙って邪魔な角を消してください。
その後、△４九角 と打ち込んできたらシンプルに飛車を逃げ、角を見捨てたら▲４八金（下図）と捕獲してください。
こうなれば大差になって圧勝できますよ。
棒銀をやって似た変化になったらお試しください。
