今回は、きのあ将棋の「ナカビーⅡ世(中級)」に48手で勝った一局を紹介します。
短手数の将棋らしくお互いに悪手を指し合うボロボロの将棋です。
同じようなミスをしないように注意喚起をするつもりで書いてみますね。
横歩を取るな
先手が「ナカビーⅡ世」、後手が「私」です。初手から、▲5八飛 △8四歩 ▲7六歩 △8五歩 ▲7八銀(下図)
いきなりの▲5八飛 がナカビーという名前通りの一手ですね。
この手に対しては△8四歩 ~ △8五歩 と飛車先を伸ばすのが今の所の攻略手順です。
そうすると飛車先を▲7七角 とシンプルに受けず▲7八銀 と指してくることが多いので分かりやすい展開に持ち込みやすくなります。
上図以下、△8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲6六角(下図)
まずは飛車先の歩交換をして先手の対応を見ます。
今回は▲6六角 でしたが、▲7七角 と指すこともあり、この辺はランダムみたいです。
いつもなら△8二飛 と引いて棒銀を狙うんですが、ここでちょっと欲張ったせいで悪手を指してしまいました。
上図以下、△7六飛(下図)
ちょっと一歩もらおうと横歩を取ったのが悪手でした。
ここから正しく対応されると序盤早々後手が不利になります。
まずはその手順から紹介しますね。
上図以下、▲7七銀 △7四飛 ▲8八飛(下図)
▲7七銀 から▲8八飛 と回るのが伸び伸びとした陣形になる気持ちいい手順です。
後手は△8二歩 と受けるくらいですが、それだと大駒の働きに差がついて先手が面白いです。
わずか14手でここまで不利になったのも、すべては△7六飛 と横歩を取ったからです。
欲張らずに飛車を引くのが無難というのが分かりますね。
悪手に悪手を返されて助かった

上図は、後手が欲張って△7六飛 と横歩を取る悪手を指した所です。
ここで▲7七銀 とされていたら大差の敗勢だったんですが、ナカビーⅡ世も悪手を指してきて助けられました。
上図以下、▲6八金 △8六飛 ▲7七角 △8二飛 ▲8七歩(下図)
▲6八金 と飛車に干渉しない手だったので△8六飛 から無事に飛車を引けて一歩得が残る展開になりました。
ここから棒銀にいき、48手での終局を迎えます。
上図以下、△7二銀 ▲3六歩 △8三銀 ▲3八銀 △7四銀(下図)
7六に歩がいないので銀が軽いですね。
上図以下、▲6六歩 △7五銀 ▲6七金 △8六歩(下図)
シンプルに銀が働く形になって後手優勢です。
上図以下、▲8六同歩 △同銀 ▲同角 △同飛 ▲7七銀打 △8二飛(下図)
銀と角の交換を果たし、飛車を受けた▲7七銀打 がちょっともったいない手で後手勝勢になりました。
悪手の連鎖で助けられた感がありまくりですね。
大雑把な寄せで勝つ

大差になった上図。
ここから大雑把な寄せで勝ち切ります。
上図以下、▲8三歩 △同飛 ▲3七桂 △8八歩(下図)
▲8三歩 がさらなる悪手で勝負が決まりました。
普通に受ける▲8七歩 なら△2八角 みたいな手から長い戦いになったんですが、▲8三歩 で歩を失った先手は受けが難しくなっています。
上図以下、▲4五桂 △5二金左 ▲9八香 △8九歩成(下図)
桂馬も取れてあと少しですね。
上図以下、▲4八玉 △7九と ▲7六銀 △7八と ▲同飛 △8九飛成(下図)
銀をボロっと取れた上に飛車に当てながら竜を作れて好調です。
ここから雑に詰めろを掛けたら受けなかったので終局を迎えます。
上図以下、▲5八飛 △2八角 ▲8五歩 △3九銀(下図)
ここでナカビーⅡ世の投了となりました。
△2八角 は詰ますことよりも右に逃がさないために打った角なんですが、▲8五歩 とだめ子みたいな一手パスをしてきたので詰みました。
以下は、▲3九同金 △同竜 までの詰みですね。
グダグダボロボロな一局でしたが、同じようなミスをしないための教訓として記憶の片隅にでも入れておいてください。
最後に
悪手の指し合いの末、48手で終わった「ナカビーⅡ世」との一局を紹介してみました。今回のように進めると▲7八銀(下図)と受けることが多いんですが・・・
飛車先の歩交換をしたら無難に△8二飛 と引きましょう。
横歩を取るのは一気に負けになるのでお気を付けください。