今回は、きのあ将棋の「ナカビーⅡ世 ゆとり」を32手で撃破した一局を紹介します。
先手番でのゆとりレベル攻略は下記リンクの記事でだいたい終わりました。
次は後手番での攻略もしようと思い、
「後手番ではどう指すのが分かりやすいかな?」
と思いながら、なんとなく先手番の時と同じ感じの手を指したらあっという間の終局を迎えたので1つの攻略法になると思い紹介することにしました。
けっこう似たパターンになるのでゆとりレベル攻略のヒントになると思います。
1つの攻略手順としてシンプルな垂れ歩で勝負を決める流れを覚えてください。
シンプルな居飛車で垂れ歩を狙う
先手が「ナカビーⅡ世」、後手が「私」です。初手から、▲5八飛 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7六歩(下図)
いきなり▲5八飛 と中飛車に振るのがナカビーⅡ世らしい一手ですね。
それに対し△8四歩 と飛車先の歩を突き、もし▲5六歩 と指してきた場合は今回の攻略手順が使える展開になります。
もし3手目が▲7六歩 だった場合、△8五歩 に▲7七角 と上がって飛車先を受けてくるので違う将棋になります。
今回は、飛車先の歩を角で受けなかった場合にのみ有効な攻略手順を紹介します。
上図以下、△8六歩(下図)
まずはシンプルに飛車先の歩交換にいきます。
これがゆとりレベルのナカビーⅡ世のミスを誘う一手になります。
上図以下、▲8六同歩 △同飛 ▲7八金 △8二飛 ▲3八金(下図)
▲7八金 と受けた所はよかったんですが、△8二飛 と飛車を引いた手に▲3八金 は悪手でした。
ここから定番の手筋で後手優勢になります。
上図以下、△8六歩(下図)
次に角の頭に「と金」を作る「垂れ歩」が決め手です。
▲3八金 の所で▲8七歩 と受けなかったために生じた一手ですね。
次の歩成りを受けるなら、
上図以下、▲8四歩 △同飛 ▲6六角 △8二飛 ▲8八銀(下図)
という手がありますが、ゆとりレベルはやってこない傾向にあり、このまま突破できます。
2度目の垂れ歩で勝負あり
垂れ歩が決まった上図。
ここから勝ちの局面まで持っていきます。
上図以下、▲8三歩 △同飛 ▲6八金 △8七歩成(下図)
先手は金を逃げましたが、急所に「と金」ができて順調です。
上図以下、▲5七金 △8八と ▲同銀 △8六歩(下図)
▲5七金 では▲6六角 のように角を逃げた方が長引きました。
本局は角を逃げなかったので大差になり、2度目の垂れ歩が入って勝負ありですね。
ここからあっという間の終局を迎えます。
32手で終わる
もう先手に受けがない上図。
シンプルに寄せにいきます。
上図以下、▲7七銀 △8七歩成 ▲8四歩 △同飛 ▲6六銀(下図)
ここでよく見る「と金」捌きをすれば勝ちです。
上図以下、△7八と(下図)
軽く△7八と と「と金」を捨てて次の△8九飛成 を成立させるのが王道の「と金」捌きですね。
たまに初心者で△8八と と入って「と金」を大事にする人もいますが、△7八と のように軽く捨てる手の方が効率がいいです。
「飛車を成るために邪魔な駒を捨てる感覚」
を覚えれば寄せの速さが段違いにアップするので、もし△8八と が第一感だった人は△7八と という捨て方を覚えましょう。
上図以下、▲4八玉 △8九飛成 ▲5九飛(下図)
△7八と を▲同飛 と取ると△8九飛成 が王手飛車取りになるので▲4八玉 と逃げましたが、シンプルに飛車が成り込んで後手勝ちです。
▲5九飛 と飛車をぶつけてきた上図で詰みがあります。
実戦詰将棋として出題するので最後に気持ちよく詰まして勝ち切ってください。
答えは数行下の次の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、△5九同竜(下図)
と飛車を取って詰みます。
上図以下、▲5九同玉 △6九飛(下図)
ここでナカビーⅡ世の投了となりました。
上図以下、▲4八玉 △5九角(下図)
から詰みですね。
以下、▲4九玉 でも▲5八玉 でも
△6八角成 ▲4八玉 △5九飛成(下図)
までの詰みです。
最後に
「ナカビーⅡ世 ゆとり」を後手番で攻略する手順を紹介してみました。初手▲5八飛 に△8四歩 と飛車先を突き、▲5六歩(下図)としてきた場合・・・
△8五歩 ▲7六歩(下図)と進むことが多いです。
そうなったら△8六歩 から飛車先の歩交換をしてください。
ゆとりレベルだと「垂れ歩」を受けない▲3八金 と指すことが多いので、すかさず△8六歩(下図)と垂らせば勝勢です。
けっこうよく決まるので「ナカビーⅡ世 ゆとり」に苦戦している方がいましたらお試しください。
「ナカビーⅡ世 ゆとり」との対戦は下記リンクからどうぞ。