今回は「ぴよ将棋」の
Lv36 ピヨ彦(六段)
に「ノーマル三間飛車」で挑み、どうにか勝った一局を紹介します。
見所は
・飛車を見捨てる攻め
・Apery推奨の寄せ手順
の2つです。
六段でもけっこうミスをする一例としてお楽しみください。
オーソドックスな持久戦へ
先手が「私」、後手が「ピヨ彦(六段)」です。上図は、先手のノーマル三間飛車に対し、後手が居飛車穴熊を目指している所です。
いつも通り「トマホーク」にいこうと思っていたら△5四歩 と突いてきたので作戦変更を迫られています。
上図以下、▲5六銀 △4四歩 ▲4六歩(下図)
とりあえず攻勢を取らないとダメだと思い、▲5六銀 ~ ▲4六歩 で仕掛けを匂わせました。
藤井システムとかでよく見る形なので普通の持久戦ですね。
上図以下、△1一玉 ▲3六歩 △2二銀 ▲3七桂(下図)
「すぐに▲4五歩 と突っかけるのは軽いかな?」
と思ったので▲3七桂 と桂馬も跳ねて準備を整えました。
ここでひよこが「中田功XPピヨ」って言ってたのを見て、
「へ~、この形が噂で聞いていた戦法なのか・・・」
って思いました。
中田功XPの具体的な指し方を知らないのでちょっと学んでみようかと思ったり思わなかったり・・・
ここからは知識不足の私なりの手順で穴熊を攻略していきます。
勝手読みで形勢を損ねるけども・・・
上図以下、△4二角 ▲6五歩 △4三金 ▲4七銀上(下図)
▲6五歩 と角筋を通し、4筋での戦いに備えて▲4七銀上 と少し上部に厚く構えました。
ただ、ここは▲4七金 や▲3九玉 と普通に囲うのを推奨されていたので微妙なのかもしれません。
後に▲4七銀上 を咎められる反撃もありましたし、この手を指すなら要研究ですね。
上図以下、△3二金 ▲3八金(下図)
先手の囲いがまあまあ引き締まったので仕掛け時です。
上図以下、△7四歩 ▲4五歩(下図)
▲4五歩 と突っかけて攻めが始まります。
上図以下、△5三銀 ▲4四歩 △同銀(下図)
ここが大きな分岐点でした。
Aperyの推奨は▲4五歩 や▲2五桂 でしたが、私はここで勝手読みをして無理な攻めをしてしまいます。
上図以下、▲4五銀(下図)
この手は評価値が-530も後手に傾く悪手です。
上図以下、△4五同銀 ▲4四歩(下図)
▲4四歩 には金が5三か3三に逃げると思い込んでいて
「これで▲4五桂 と銀を取り返した手が金に当たって好調じゃん」
と楽観視していました。
しかし・・・
上図以下、△4四同金(下図)
この歩を取る手がこちらの読みを上回る一手で、先手先手で攻める予定がすべて消えています。
歩切れなので▲4六歩 と受けることもできず、こうなってみると4五にいる銀が先手玉への強烈な圧を生み、明らかに▲4五銀 と突っ込んだ手をトガめられているのが分かりますね。
上図以下、▲4四同角 △6九銀(下図)
しかたなく▲4四同角 と金を取った手に対し△6九銀 と飛車取りに打ったのが疑問で、形勢は先手も悪くないものになりました。
ここは△6九銀 ではなく△4六歩 と玉頭に手を付けていれば後手有利な展開だったようです。
上図以下、▲4五桂 △7八銀不成 ▲4一銀(下図)
当初の予定とは違いましたが、飛車を見捨てることで銀を取りながら▲4五桂 と跳ねることができ、すかさず▲4一銀 と絡んだ上図は先手持ちです。
上図以下、△3一金 ▲3二金 △1五角(下図)
▲3二金 と貼りついて好調と思ったら、△1五角 がドキッとする受けでした。
角を捨てることで飛車筋を通し、どうにか受けようとする根性の頑張りですね。
上図以下、▲1五同香 △3二飛(下図)
ちょっと予定が狂いましたが、飛車が取れれば悪くないので攻めを続けます。
上図以下、▲3二同銀成 △同金 ▲8二飛(下図)
浮いた3二の金を狙って先手で▲8二飛 と打てば好調と思いきや、ここは▲2二角成 △同金 ▲3一銀 と絡む方が早かったようです。
でも、本譜の▲8二飛 でもそこまで悪くありません。
上図以下、△3一金打 ▲8一飛成 △4六歩 ▲同銀 △6九飛(下図)
穴熊がガッチリした上に△6九飛 の反撃を受けて盛り返されてるように見えますが、ここで決め手がありました。
まずは実戦では逃したApery推奨の寄せ手順を紹介します。
Apery推奨の穴熊崩し
上図以下、▲3三桂打(下図)
シンプルに桂をねじ込む▲3三桂打 が穴熊の急所を突く好手でした。
上図以下、△3三同桂 ▲同桂成(下図)
こうなると急に穴熊がスカスカで心もとないですね。
△3三同銀 は▲同角成 で寄り筋なので・・・
上図以下、△3三同金 ▲同角成 △同銀 ▲3一竜(下図)
取るなら△3三同金 ですが、角切りから▲3一竜 と王手を掛け・・・
上図以下、△2一桂 ▲3二金(下図)
▲3二金 と打てば、後手の持ち駒に縦横に進める駒がない欠点を突いた必死で先手の勝ちでした。
こういうのがスッと読めてれば高段の攻略も簡単にできそうですね。
ヌルイ実戦の寄せ
局面を戻します。上図は、△6九飛 と反撃の飛車打ちを打たれた所です。
ここで▲3三桂打 ならスマートな勝ちでしたが、私が指したのは▲5三角打(下図)でした。
盤上に攻め駒を増やしつつ、急所になりそうな3一の金に狙いをつけた一手です。
先ほどの▲3三桂打 と比べると遥かに遅い手ですね。
上図以下、△4二歩 ▲4三歩(下図)
△4二歩 と受けてきたので、強引にこじ開けにいく▲4三歩 で手になりました。
△4三同金 と取ると▲3一竜 があるので・・・
上図以下、△4三同歩 ▲3一角成 △同金(下図)
△4三同歩 と取ってきましたが、予定通り▲3一角成 と切り、穴熊の弱体化ができました。
ここで▲3一竜 といきたいんですが、△4四歩 と角を取られると攻めが切れそうだったので違う手で迫ります。
上図以下、▲2二角成 △同金 ▲3三銀(下図)
取られそうな角を捨て、桂馬の利きを頼りに▲3三銀 と絡めば攻めが続きそうです。
上図以下、△4二角 ▲同銀成 △4九銀(下図)
△4二角 の受けに▲同銀成 と応じ、少し後手玉が遠くなった所で△4九銀 と絡まれてちょっと焦りました。
「危なそうだけど自玉は詰まないよな?」
とドキドキしながら次の一手を打ち込みます。
上図以下、▲3三桂打(下図)
後手玉はほぼ受けなしなので先手玉が詰まなければ勝ちです。
上図以下、△3八銀成 ▲同玉 △2九角(下図)
ちょっと怖い角打ちですが・・・
上図以下、▲3七玉 △3九飛成 ▲2六玉(下図)
これで先手玉は詰まず、どうにか勝ちになりました。
以下、△3六竜 から王手ラッシュを受け、▲3七玉(下図)と逃げた所でピヨ彦の投了となりました。
最後に
どうにかこうにか六段に勝利した一局でした。この1勝を掴むまでに33連敗していたのもあり、ようやく勝ててホッとしましたよ。
連敗の中には寄せさえ間違えなければ勝ちだった惜しい将棋もけっこうあったので、もう少し筋の良い寄せが見えるようになればチャンスがありそうです。
改めて「寄せの手筋200」を読み返さないとね・・・
それにしても、こんなに1勝が遠い六段の攻略が終わるのはいつになるのか・・・
長い長い戦いになりそうです・・・