今回は「ぴよ将棋w」の
Lv8 ピヨ平(10級)
を「石田流」で攻略した一局を紹介します。
・序盤の注意点
・破壊力抜群の攻め
辺りが見所ですね。
最短で石田流に組ませてもらった後の指し方のヒントとしてお楽しみください。
最短で石田流へ
先手が「私」、後手が「ピヨ平(10級)」です。初手から、▲7六歩 △3四歩 ▼6六歩 △6二銀(下図)
△8四歩 と伸ばさずに△6二銀 で居飛車を宣言してきました。
この形の場合、振り飛車の理想形の1つ「石田流」に最短で組むことができます。
上図以下、▲7八飛 △8四歩 ▲7五歩(下図)
後手の飛車先が一手遅れているので▲7五歩 が間に合います。
上図以下、△8五歩 ▲7六飛(下図)
△8五歩 に軽く▲7六飛 と浮けば飛車先が受かっているので大丈夫です。
この形になれば左辺の桂馬や角が使いやすく、相手が緩い手を指せば簡単に強力な布陣を築くことができます。
△6四歩 には7九の銀を動かすのを保留する

序盤早々、軽い形に組めた上図。
ピヨ平はここからちょっと注意が必要な一手を指してきました。
上図以下、△6四歩(下図)
△6四歩 は先手にスキができたら△6五歩 と突っかけて攻める手を見ています。
この手を指された場合、7九の銀は固定して角に紐を付けておいた方が無難です。
もし▲6八銀 のように指して角が浮いた状態になると△6五歩 の対応が難しくなりますから。
ここでオススメなのは次の一手です。
上図以下、▲5八金左(下図)
▲5八金左 は石田流の弱点である6七の地点をカバーしつつ、美濃囲いを組む上でムダにならない一手です。
もしここで△6五歩(下図)と仕掛けられたとしても・・・
上図以下、▲6五同歩 △8八角成 ▲同銀(下図)
シンプルに歩を取り、角交換を誘って問題ありません。
△4五角(下図)が気になるかもしれませんが・・・
上図以下、▲5六歩 △2七角成 ▲5五角(下図)
1回▲5六歩 と受けてから▲5五角 と打てば香取りが受からず、次の▲7四歩 も厳しいので先手優勢です。
ちゃんと備えておけばすぐに△6五歩 と仕掛けられても対応できるので大丈夫です。
「攻めの準備」と「玉の囲い」のバランスが大事
本譜に戻ります。上図は、▲5八金左 と角打ちのスキを作らず手を進めた所です。
すぐの△6五歩 は無理なのでしばらくは駒組みが続きます。
上図以下、△6三銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉(下図)
▲3八玉 まで入れば玉がそれなりに安定しました。
ここから少し攻めの準備に取り掛かります。
上図以下、△5二金右 ▲9六歩 △9四歩 ▲7七桂(下図)
駒組みをする時は「攻め」と「囲い」をバランスよくするのをオススメします。
・攻めの準備しかしない
・玉の囲いを優先しすぎる
という感じだと偏り過ぎて作戦負けに陥ることがありますから。
相手の動き次第ではありますが、全体を見て指すのが大切ですね。
上図以下、△1二香 ▲6八銀 △1四歩 ▲1六歩(下図)
▲7七桂 で角交換の心配がなくなったので▲6八銀 から銀を攻めに参加させます。
玉の懐を広げるために▲1六歩 と受けておくのも大切ですね。
上図以下、△5四歩 ▲6七銀 △3五歩 ▲2八玉(下図)
攻めの準備も整ってきたので玉を安定させていきます。
上図以下、△8三飛 ▲3八銀 △8四飛 ▲9七角(下図)
△8三飛 がクリックミスのような10級らしい緩みですね。
ありがたく手得をして▲9七角 まで組めれば石田流と美濃囲いがキレイに完成して理想形になりました。
シンプルな攻め筋があった

振り飛車の理想形に組めた上図。
ここで後手がミスをします。
上図以下、△3二金(下図)
△3二玉 と囲えば何でもなかった所、△3二金 としたのが玉を角筋に入ったままにする悪手で先手から強烈な攻め筋があります。
本譜は万全の態勢から仕掛ける予定だったので気付きませんでしたが、局後の検討ではシンプルな仕掛けが推奨されていました。
まずはその手順を紹介します。
上図以下、▲6五歩 △同歩 ▲7四歩(下図)
玉が角筋に入っているので▲6五歩 ~ ▲7四歩 の王道の攻めが成立していました。
玉を逃げるしかないので次の▲7三歩成 が受からず、たった3手で先手勝勢です。
これで勝っていたら気持ちよかったでしょうね。
万全の態勢に組む

上図は、後手が△3二金 と致命的な悪手を指した所です。
ここで▲6五歩 と仕掛けていれば早い勝ちでしたが、私が指したのは次の手順です。
上図以下、▲5六銀 △8二飛 ▲4六歩 △9三香 ▲9八香(下図)
▲5六銀 で▲6五歩 の仕掛けに厚みを足し・・・
▲4六歩 で終盤に△5五角 のような角を打たれた時のケアをして・・・
▲9八香 で角成りをされても香車を取られないようにする・・・
「絶対負けねぇぞ!」
という気合いの入った理想形に組んで万全です。
上図以下、△5三金 ▲6五歩(下図)
文句のない仕掛けで後手陣を攻略します。
上図以下、△9五歩 ▲同歩 △5二銀 ▲6四歩(下図)
角が玉を睨んでいるので後手の駒が窮屈そうです。
上図以下、△6四同金 ▲7四歩 △6三歩 ▲7三歩成(下図)
▲7三歩成 が入ればもう大丈夫ですね。
上図以下、△8四飛 ▲7四と △同飛 ▲同飛(下図)
角が玉を睨んでいて後手は飛車を取り返せないので先手勝勢です。
上図以下、△6一銀 ▲6四飛 △同歩 ▲同角(下図)
強烈な王手が決まり、あと少しで寄りそうですね。
上図以下、△5二玉 ▲5三飛 △4一玉 ▲5一金(下図)
▲5三飛 はちょっと筋悪でした。
ここは▲5三金 ~ ▲7一飛 と指した方がスマートでしたね。
上図以下、△4二玉 ▲5四飛成 △3三玉 ▲6一金(下図)
△4二玉 から上部へ逃がして手数が掛かっています。
上図以下、△4四歩 ▲5三角成 △4二金 ▲4四竜(下図)
これで詰みです。
上図以下、△3二玉 ▲4三銀 △同金 ▲同竜(下図)
ここで「ピヨ平」の投了となりました。
最短の寄せは逃しましたが、石田流の攻めが刺さる一局だったので楽しかったです。
最後に
たまに△8四歩 を保留して最短で石田流に組ませてくれた時は、△6四歩 に▲5八金左(下図)と受けて角交換を警戒したり・・・
石田流に組んだ後に角筋に玉が入った状態だったら▲6五歩 ~ ▲7四歩(下図)と仕掛ける
といった感じで指せば勝ち切れると思います。
10級くらいなら理想形の攻めを楽しめるヌルイ駒組みをしてくれるので、気持ちよく攻めて勝ちパターンを頭に入れる練習にするといいですね。