今回は「ぴよ将棋w」の
Lv19 ひよな(1級)
に「早繰り銀」で挑み、63手で倒した一局を紹介します。
・対矢倉へのシンプルな攻め筋
・簡単な実戦詰将棋
が見所です。
級位のひよこを速攻で攻め潰す一例としてお楽しみください。
迅速に攻めの形を作る
先手が「私」、後手が「ひよな(1級)」です。初手から、▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3二銀(下図)
「ぴよ将棋w」が好きな「都成流」模様の△3二銀 からスタートしました。
これには誘いに乗らず普通に指します。
上図以下、▲7六歩 △3三銀 ▲4八銀 △8四歩(下図)
▲7六歩 を△3三銀 と受けて「矢倉」が確定したので「早繰り銀」の速攻を狙います。
上図以下、▲3六歩 △8五歩 ▲3七銀(下図)
後手も△8五歩 から早い仕掛けを狙っていますが、先手も負けじと▲3七銀 と攻めの準備を進めます。
上図以下、△8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲7八金(下図)
△8六歩 からの一歩交換には▲7八金 と受けておけばすぐにやられることはありません。
△3三銀 と角道を止めているので意外と攻め味がないですから。
そのスキに先手は着々と攻めの体制を整えていきます。
上図以下、△3二金 ▲4六銀 △8二飛 ▲8七歩(下図)
△8二飛 と引いたら▲8七歩 と受けておくのが無難です。
受けを疎かにして△8六歩 と垂らされると、次の△8七歩成 が受けにくくてけっこう困りますしね。
速攻を狙うとはいえ、攻めの手ばかりじゃなく受けの手もしっかり指すのが大切です。
上図以下、△5二金 ▲6九玉(下図)
▲3五歩 と仕掛ける前に▲6九玉 と居玉を避けておくのが無難です。
これは数手後に角・銀交換になった後、△1五角 の王手飛車を避けている意味があります。
居玉だと常に王手飛車がつきまとって面倒なので、1手で回避できるなら安いもんです。
上図以下、△6二銀 ▲3五歩(下図)
これ以上 待っても後手陣が充実するだけなので▲3五歩 から仕掛けます。
ここから 飛車・角・銀 によるシンプルな攻め筋で攻略していきます。
▲3四歩 に△4四銀 と上がった場合の指し方
先手の攻めが始まった上図。
早繰り銀らしい攻め筋で矢倉を粉砕しにいきます。
上図以下、△3五同歩 ▲同銀 △4一玉(下図)
△4一玉 は危険地帯に近づく疑問手でした。
これには次の一手が強烈です。
上図以下、▲3四歩(下図)
どう対処しても先手が面白い展開になります。
まずは△4四銀(下図)と上に逃げた場合を解説しますね。
上図以下、▲2四歩(下図)
銀を取りたくなるかもしれませんが、▲2四歩 と2筋の攻めを狙うのが好手です。
もし△2四同歩 なら▲同銀 と取れば次の▲2三銀成 を受けるのが難しく先手勝勢です。
なので△3五銀(下図)と銀を取る方がマシですが・・・
上図以下、▲2三歩成(下図)
狙い通り▲2三歩成 と「と金」を作ればOKです。
上図以下、△8八角成 ▲同銀 △2六歩(下図)
後手は角交換してから飛車を止めるしかありませんが、▲3二と が王手で入るので先手の攻めが成立しています。
もし△2六歩 ではなく△2七歩 ▲同飛 △2六歩 と先手を取ろうとしてきた場合は、▲3二と と金を取ってから▲2八飛 と引いておけば問題ありません。
上図以下、▲3二と △同玉 ▲6六角(下図)
一歩節約した本譜の場合、▲3二と ~ ▲6六角 が受けにくい攻めになります。
上図以下、△4四銀打 ▲2二歩 △同玉 ▲4五金(下図)
手筋の▲2二歩 で玉を角筋に呼び、▲4五金 と絡むのがAperyの示した一例でした。
次に▲3五金 と銀を取る手が厳しく先手優勢です。
本譜の進行 △4二銀
▲3四歩 と銀取りに打った上図。
ここで△4四銀 と上がるのは▲2四歩 から先手が面白い展開になりました。
「銀を上に逃げるのは得策じゃない」
と判断したのか△4二銀(下図)と下に引いたのが本譜の進行です。
ここから▲2二角成 △同金 ▲7七角 と攻める手もありますが、次の一手も強烈です。
上図以下、▲2四歩(下図)
弱くなった角頭を狙うのが定番の一手ですね。
上図以下、△8八角成 ▲同銀 △2四歩 ▲同銀(下図)
狙われてる角を交換して△2四歩 と手を戻し・・・
上図以下、△5五角(下図)
飛車を牽制する△5五角 がおなじみの反撃です。
これにはシンプルに指せば先手優勢になります。
上図以下、▲2六飛 △1九角成 ▲2三銀成(下図)
▲2六飛 と浮いて角筋をかわし、▲2三銀成 が入れば先手の攻めを止めるのは難しいです。
上図以下、△2五歩 ▲同飛 △2二歩 ▲同成銀(下図)
上図以下、△2四歩 ▲同飛 △1八馬 ▲3二成銀(下図)
歩を使ってどうにかしようと頑張ってきましたが、普通に対応すれば問題ありません。
▲3二成銀 が決まった上図は先手勝勢ですね。
△3二同玉 と取れば▲2三角 から詰むので逃げるしかありませんが・・・
上図以下、△5一玉 ▲2一飛成 △3一香 ▲4二成銀(下図)
気持ちよく飛車を成り込み、▲4二成銀 と迫れば寄りです。
上図以下、△4二同金 ▲3一竜 △4一金 ▲4二金(下図)
一間竜の手筋も決まって勝ちが見えてきました。
上図以下、△6一玉 ▲4一竜 △5一銀(下図)
△5一銀打 と受ければもう少し持ったんですが、△5一銀 と節約したので詰みがあります。
最後に実戦詰将棋として出題するので解いてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、▲5一同竜 △7二玉 ▲6一角(下図)
▲6一角 で8三からの脱出を防ぐのがポイントです。
上図以下、△7一玉 ▲8三角成(下図)
そして▲8三角成 の開き王手をすれば合駒利かずの詰みです。
実戦は△6一銀 と合駒をしてきたので▲同竜 と取って「ひよな」の投了となりました。
ちなみに、△5一銀 の所で△5一銀打(下図)とガッチリ受けてきた場合は・・・
上図以下、▲5二金 △7一玉 ▲7二香(下図)
と迫れば寄ります。
△7二同玉(下図)と香車を取れば・・・
上図以下、▲6一角 △7一玉 ▲8三桂(下図)
で詰みます。
以下、△8三同飛 ▲7二金 で詰みですね。
なので▲7二香 は△同飛(下図)と取るんですが・・・
上図以下、▲8三銀(下図)
と打てば受けがありません。
このままだと▲6一金打 の詰みなので△6一香(下図)と打つくらいですが・・・
上図以下、▲6一同金 △同玉 ▲5二角 △7一玉 ▲6一金(下図)
で詰みます。
最後に
△3三銀 から矢倉になった場合、素早く▲4六銀(下図)と繰り出し、いつでも▲3五歩 の仕掛けを狙えるようにするのは有効です。級位のひよこなら受けを間違えることも多いので楽に勝てる展開になりやすいですよ。
分かりやすい将棋がお好きならお試しください。