上図は「きのあ将棋」の「あらきっぺさん」に後手番で挑んだ時の終盤戦です。
▲8三銀 の打ち込みに△7一玉 と逃げた所なんですが「7五の角」がよく利いていて受けになってませんでした。
先手には2通りの勝ち筋があります。
1つは「1手必至」、もう1つは「19手詰め」です。
まずは優しい1手必至を解き、その後に19手詰めを考えると2度楽しめると思いますよ。
終盤のトレーニングにどうぞ。
答えは数行下の見出しで書きます。
1手必至の答え
では答えです。
まずは1手必至からいきます。
上図以下、▲5二飛成(下図)
この飛車成りで受けがありません。
次に▲8二金 の一手詰めがあるので△5二同金(下図)と竜を取るくらいですが・・・
7手詰めなので受かっていません。
上図以下、▲7二銀成 △同玉 ▲8三角(下図)
この角打ちが広い方へ逃がさない急所の一手です。
以下、△7一玉 なら▲7二金 までの詰み・・・
△6二玉 なら▲6一金(下図)までの詰み・・・
△8二玉(下図)なら・・・
上図以下、▲7二金 △9三玉 ▲8二銀(下図)
金と銀をベタベタ打てば詰みます。
19手詰めの答え
次は19手詰めの答えです。
上図以下、▲5三角打(下図)
角を重ね打つのが明快な一手ですね。
・△6二金打
・△5三同金
・△6二金寄
・△6二金上
に分かれるのでそれぞれ解説します。
▲5三角打 に△6二金打 の変化
まずは正解の19手詰めになる△6二金打(下図)から。上図以下、▲6二同角成(下図)
この手には角を切れば詰みます。
△6二同金寄 なら▲8二金 までの詰み・・・
△6二同金上 なら▲8二金 △6一玉 ▲7二銀成(下図)と迫り・・・
以下、△5一玉 なら▲4二銀 までの詰みなので金で取りますが・・・
上図以下、△7二同金 ▲5二飛成(下図)
飛車を切り・・・
上図以下、△5二同玉 ▲5三金(下図)
金で押さえれば優しい詰みですね。
以下、△4一玉 なら▲4二金 までの詰み・・・
△5一玉 や△6一玉 なら▲5二銀 までいずれも早詰みです。
なので▲6二同角成 は△同玉(下図)と取るのが最善です。
上図以下、▲7二銀成(下図)
これには銀を取れば手が続きます。
・△7二同玉
・△7二同金
が大きな分岐点になるので見出しを分けて解説します。
▲7二銀成 に△同玉 の変化
△7二同玉(下図)には・・・上図以下、▲8二金(下図)
タダの所に金を打てば詰みます。
以下、△8二同玉 なら▲5二飛成(下図)で金を補充し・・・
△5二同金 なら▲8三銀 △9二玉 ▲9二銀成(下図)の手筋を決めれば・・・
どう対応しても▲8三金 までの詰みですし・・・
▲5二飛成 に△7二金打(下図)と合駒した場合は・・・
上図以下、▲8三金 △7一玉 ▲8二銀(下図)
▲8三金 ~ ▲8二銀 とシンプルに打ち込めば、△8二同金 ▲同金 までの詰みです。
▲8二金 に△6二玉(下図)と逃げた場合は・・・
上図以下、▲5三銀(下図)
シンプルな銀打ちから詰みます。
以下、△5三同金 なら▲同飛成 までの詰み・・・
△5一玉 なら▲5二銀成 △同金 ▲4二金(下図)と迫れば・・・
以下、△6一玉 ▲5二飛成 までの詰みです。
いずれも早詰みなので△7二同玉 は次善手になります。
▲7二銀成 に△同金 の変化
△7二同金(下図)と取るのが19手詰めになる最善の応手です。この手には・・・
上図以下、▲5二飛成(下図)
飛車を切れば手が続きます。
△7一玉 なら▲6一金 △8二玉 ▲8三金 までの詰みなので取るしかありません。
上図以下、△5二同玉 ▲5三銀(下図)
そこで▲5三銀 と打つのが左右どちらに逃げられても詰ます好手です。
以下、△5一玉 や△4一玉 なら頭金までの詰み・・・
△4三玉 なら▲4四金 △3二玉 ▲3三歩成(下図)から・・・
どこへ逃げても頭金までの詰みなので、▲5三銀 には△6一玉(下図)が最善ですが・・・
上図以下、▲5二金 △7一玉 ▲6二金打(下図)
手厚く迫れば詰みます。
△6二同金 なら▲同金 △8二玉 ▲8三金 までの詰みなので8二へ逃げますが・・・
上図以下、△8二玉 ▲7二金 △同玉 ▲6二金(下図)
金を取って▲6二金 と迫れば・・・
上図以下、△8二玉 ▲8三金(下図)
頭金までの19手詰めです。
これが正解手順になります。
▲5三角打 に△同金 の変化
△5三同金(下図)と角を取った場合は・・・上図以下、▲5三同角成(下図)
角で取り返せば詰みます。
△6二金打 のように合駒を打つと▲8二金 までの詰みなので・・・
上図以下、△6二金 ▲8二金(下図)
△6二金 の移動合いが最善ですが、▲8二金 と打てば・・・
上図以下、△6一玉 ▲6二馬 △同玉 ▲5二金(下図)
馬切りから金打ちまでの優しい詰みです。
▲5三角打 に△6二金寄 の変化
△6二金寄(下図)と受けた場合は・・・上図以下、▲6二同角成(下図)
角を切れば詰みます。
以下、△6二同金 なら▲5一飛成(下図)で退路を塞げば・・・
どう対応しても▲8二金 までの詰みです。
△6二同玉(下図)なら・・・
上図以下、▲5三角成 △5一玉 ▲4二金(下図)
角成りで7一への退路を断てば金打ちまでの詰みです。
▲5三角打 に△6二金上 の変化
△6二金上(下図)と受けた場合は・・・上図以下、▲6二同角成(下図)
角切りから詰みます。
△6二同金 なら▲5一飛成 から▲8二金 までの詰みなので玉で取りますが・・・
上図以下、△6二同玉 ▲5二飛成(下図)
飛車を切れば優しい詰み筋です。
△7一玉 は▲7二銀成 までの詰みなので取るしかありません。
上図以下、△5二同玉 ▲5三金(下図)
あとは金で押さえれば、どこへ逃げても頭金までの詰みです。
最後に
決め方が2つある終盤戦でした。
実戦は▲5二飛成 の1手必至を食らい、あまりにもあっけない幕切れにガックリしましたよ・・・
悔しさはあれど、アッサリした必至だったので
「あ、1手必至なら級位者向けの問題に丁度いいじゃん」
と気を取り直し、改めて変化手順を検討したら「19手詰めで先手勝ち」と示されてビックリ。
必至も詰みも良い手順だったので寄せ問題として両方を出題してみました。
ほどよい暇つぶしになった人が1人でもいれば満足です。