上図は「きのあ将棋」の「郷谷さん(上級-)」に先手番で挑んだ時の終盤戦です。
中盤のミスで押され気味だったんですが、ムリヤリ▲6四角 と飛び出して後手玉を牽制した手への応手を誤ったため先手の勝ちになっています。
ここから
「実戦でここまでキレイに決まることってある?」
と思ってしまうほど単純で明快な「尻銀」が決め手になる寄せがありました。
素直に応じると3手で必至になる手順を考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
寄せ問題の答え
では答えです。
上図以下、▲6二馬(下図)
質駒の銀を入手する馬切りから・・・
上図以下、△6二同金 ▲3一銀(下図)
▲3一銀 と玉を縛るのが正解です。
寄せの本で見かける「尻銀」と呼ばれる手筋ですね。
次に▲4二角成 や▲4二金 と詰ます手が受からず、これで後手玉は必至です。
例としていくつか受けの応手を書いておきます。
△2四金 と退路を広げた場合は▲4二角成(下図)で詰みます。
△5三角(下図)のように6四の角筋を止めながら4二の地点を受けた場合は・・・
上図以下、▲4二金(下図)
シンプルに金を打てば△4二同角 ▲同角成 までの詰みです。
△1三桂(下図)と2一への退路を作っても・・・
上図以下、▲4二角成 △2一玉 ▲2二金(下図)
角成りから金打ちまでの詰みがあります。
△2四歩(下図)と2三への退路を作る手もありますが・・・
上図以下、▲2二金 △4一玉 ▲4二角成(下図)
▲2二金 で4筋へ玉を送れば角成りまでの詰みです。
こういった詰みが受からないので▲3一銀 は必至になります。
最後に
実戦ではめずらしい「尻銀」一発で必至になった将棋を紹介してみました。敗戦模様のあきらめ将棋の中、いつもなら見逃す「馬切りからの▲3一銀(下図)」に気付いて踏み込めたのは奇跡ですね。
この手が見えたのは「寄せの手筋200」を読んで「尻銀」の手筋を覚えていたおかげです。
寄せの形を知識として入れておく大切さを痛感しましたよ。
▲6四角 と出た段階で「尻銀」を狙っていたわけじゃないのが反省点ですが
「あれ? 馬を切って銀を打てば勝ち?」
とギリギリ気付けた所を褒めようと思います。