今回は「きのあ将棋」の「郷谷さん(上級-)」に
△5三銀型 三間飛車
で挑み
62手
で勝てた一局を紹介します。
見所は
・単純な位取りは先手有利
・ミスに乗っかる攻め
・実戦詰将棋(13手詰め)
の3つです。
攻略手順の一例にどうぞ。
序盤の形勢は先手持ちだった
先手が「郷谷さん(上級-)」、後手が「私」です。上図は、先手の穴熊に対し、6筋の位を取る「真部流」に組んだら、次に▲4五歩 の仕掛けを見せられた所です。
位を取れて悪くないと思っていたんですが、AIで検討したら先手有利(+300点)と示していました。
単純に位を取るだけではダメみたいですね。
ちょっと駒組みの立ち遅れ感があるのは否定できず、これを改善するのが今後の課題になりそうです。
当初の予定は△5五歩 ▲同歩 △5二飛 みたいに中央から動くつもりでしたが・・・
上図以下、△7三桂 ▲4五歩(下図)
なんか自信が持てず端攻めを含みに桂を跳ねました。
しかし普通に▲4五歩 と仕掛けられたら応手が難しい・・・
いきなり「やっちまった感」がありまくりでした。
さすがに取るのはマズイので・・・
上図以下、△5五歩(下図)
△5五歩 で角筋を緩和しようとしましたが・・・
上図以下、▲4四歩(下図)
シンプルに歩を取り込まれてさらに困るヘボっぷり・・・
こういう手に振り飛車らしく指すなら△4二飛 でしょうか・・・
しかし、私が指したのは・・・
上図以下、△4四同角 ▲2四歩(下図)
「歩を取る」という明らかに筋が悪い手で・・・
自然に2筋突破を達成されて明確に後手不利になりました。
ミスに乗っかって逆転を狙う
こうなった以上、2筋方面で戦うのは無理です。
とりあえず玉頭方面からヤケクソの反撃を狙って紛れを求めるしかありません。
上図以下、△8五桂(下図)
角取りの先手で桂を跳ね、端攻めの含みを作りにいきます。
ここで▲8六角 と逃げられたら厳しかったんですが・・・
上図以下、▲2三歩成(下図)
勢いに任せて2筋突破を優先したのが悪く、ここで形勢は互角に戻りました。
上図以下、△7七桂成 ▲3二と(下図)
この大駒の取り合いは金を取れる後手に分があります。
上図以下、△7八成桂 ▲同金 △5六歩(下図)
絶望的だった玉の堅さが緩和され、どうにか戦えそうな形になりました。
銀取りの先手で角筋も通り、思った以上の成果が出た感じです。
ここで▲6八銀 と引かれればやや後手持ちの互角(-200点)でしたが・・・
上図以下、▲4一飛(下図)
攻め合いにきたので・・・
上図以下、△8八角成 ▲同金 △5七歩成(下図)
穴熊を弱体化させながら急所に「と金」を作れて後手優勢(-1000点)になりました。
あとは正確に指せれば勝てそうです。
攻めっ気の強さが仇となる・・・ 実戦詰将棋(13手詰め)の出題
形勢が良いとはいえ、7一に玉がいて5筋が空いた美濃囲いは王手が掛かりやすくて心もとない感じですね。
ちょっと読み違えたら一気に負けそうです。
そんな薄みが攻めたい欲求を呼んだのか・・・
上図以下、▲4三角 △5五角(下図)
▲4三角 と攻め合いにきたので△5五角 と急所の角を打つことができました。
玉を睨みつつ飛車取りにもなっているので受け方が難しいです。
上図以下、▲2一飛成(下図)
「受けてもダメ」
と判断したのか飛車を成り込みましたが、飛車の利きがなくなったので先手玉に詰みが生じました。
最後に実戦詰将棋として出題するので、ここからの13手詰めを考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、△8八角成 ▲同玉 △7九銀(下図)
角切りからの銀打ちで詰んでいました。
金駒がまだ3枚あるので攻め駒は充分ですね。
▲9九玉 は△8八金 までの詰みなので
・▲7八玉
・▲7七玉
に別れます。
△7九銀 に▲7八玉 の変化
まずは正解の13手詰めになる▲7八玉(下図)から。上図以下、△6八銀成(下図)
これには銀を成れば詰みます。
実戦はここで郷谷さんの投了となりました。
以下、▲8八玉 なら△7八金 ▲9九玉 △8八金 までの詰みなので上へ逃げますが・・・
上図以下、▲7七玉 △6七成銀 ▲8六玉 △8五銀(下図)
銀を捨てれば・・・
上図以下、▲8五同玉 △8四金 ▲8六玉 △8五金打(下図)
金の2連打までの詰みです。
△7九銀 に▲7七玉 の変化
▲7七玉(下図)と逃げるのは11手詰めの次善手でした。上図以下、△6八銀不成(下図)
この場合は成らずで迫ります。
▲8六玉 は△8五銀 から詰むので下へ逃げますが・・・
上図以下、▲7八玉 △7九金 ▲8八玉 △7八金打(下図)
ベタベタと金を打てば・・・
上図以下、▲9九玉 △8九金寄(下図)
隅に押し込んで詰みます。
補足:△7九銀 ではなく△7八金 でも詰みます
3手目は△7九銀 ではなく△7八金(下図)でも詰むので補足します。これは取るしかないですね。
上図以下、▲7八同玉 △6九銀 ▲7七玉 △7八金(下図)
そこで「取れば頭金」の△6九銀 から△7八金 で上部へ追い出せば・・・
上図以下、▲8六玉 △7五銀打(下図)
銀の重ね打ちから詰みます。
厚みを活かす真部流ならではの手順ですね。
上図以下、▲7五同歩 △同銀 ▲8五玉 △8四歩(下図)
この13手詰めも正解です。
最後に
久しぶりに「△5三銀型三間飛車」をやったら62手で勝てた一局でした。
まぁ、勝てたとは言っても上図の段階で先手有利らしいので課題は残りましたけどね・・・
位取りだけじゃなく、場合によっては石田流のような早い仕掛けを狙う展開も考えた方がいいのかもしれません。
△4三銀型と比べるとスピードが劣る感じは否めないので、その辺の改善ができれば楽しく指せそうです。
上手く使い分ける指し方とか見つかるといいんだけど・・・
これは当面の研究課題ですね。