人生詰んだニートのブログ

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【ぴよ将棋w】ピヨ幸(三段+)の変則的な雁木を早繰り銀で破る【受けの手筋△3四歩】

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今回は「ぴよ将棋w」の「ピヨ幸(三段+)」がやってきた

四間飛車から居飛車に戻る雁木

を「早繰り銀」でどうにか倒した一局を紹介します。

見所はAIで検討して見つかった

・受けの手筋
寄せの手筋
・実戦詰将棋(11手詰め)

の3つです。

早繰り銀で「三段+」を攻略する一例としてお楽しみください。


変則的な序盤

先手が「ピヨ幸(三段+)」、後手が「私」です。

上図は、早めの▲1六歩 を△1四歩 と受けたら▲6八飛 と四間飛車に振られた所です。

ここからいつも通り左銀急戦でいこうと思ったら・・・

上図以下、△3二玉 ▲7八金(下図)

「こっちの心を読まれた?」

と思うくらい早めの▲7八金 でガッチリ固められ、序盤早々やっかいな展開になりました。

この形への急戦は難しいので苦手です・・・

でも、この金上がりの狙いは急戦を受けるためではありませんでした。

上図以下、△5四歩 ▲2八飛(下図)

▲2八飛 がピヨ幸の巧みな構想で、四間飛車を見せて△3二玉 を誘い、当たりの強くなった後手玉を上から攻める狙いだったようです。

雁木ならではの狙いにしっかりハマった形でちょっと困りました。

AIの評価値ではちょっと後手寄りの互角ですが、飛車を戻った1手損をどうにかトガめないと先手ペースになりそうです。


「早繰り銀」で攻勢に出る

上図は▲2八飛 から数手進んで後手が△7三銀 と早繰り銀を狙った所です。

「1手得を活かすなら先に仕掛けてペースを握るのが分かりやすい」

という判断ですね。

上図以下、▲2五歩 △3三角 ▲3六歩 △2二銀(下図)

早い仕掛けを狙うと言っても▲2五歩 は△3三角 と受けるのが無難です。

先手も▲3七銀 から早い攻めを狙えるので、攻め合いになっても耐久力がある形にしておく方がいいですから。

△2二銀 まで囲えば攻めに専念できますね。

上図以下、▲3七銀 △7五歩(下図)

先に突っかけた△7五歩 で評価値はちょっと後手有利(-300点)を示しています。

どうにか一手損を疑問手に変えることに成功したのかもしれません。

本譜はここで▲7五同歩 と取ってきましたが、AIは▲4六銀(下図)が最善と示していました。

▲4六銀 以下、△4二角 と当たりを避けながら7筋を狙うのがAIの判断で、ここから難しい戦いが続くようです。

この変化は分岐も多く結論が出ないため今回は割愛します。


気になる角交換の変化には・・・

上図は△7五歩 を▲同歩 と取った本譜の進行です。

これなら銀の活用が見込めて後手が悪くありません。

上図以下、△8四銀 ▲7四歩 △7二飛(下図)

取られそうな歩を▲7四歩 とかわすのが手筋ですね。

▲7四歩 に△7五銀 と出ると▲7三歩成 △同桂 ▲7四歩 の桂頭攻めがあるので、後手はこの歩を目標に△7二飛 と回ります。

本譜はここで疑問手が出て後手ペースになりましたが、ちょっと気になるのが▲6五歩(下図)と角交換を狙う手ですよね。

まずはこの手に対するAIの応手を紹介します。

上図以下、△7五銀 ▲3三角成 △同銀 ▲4六角(下図)

後手からは角交換せず、△7五銀 と急所に銀を進めるのがAIの判断でした。

先手は角交換から▲4六角 と牽制するのが定番の一手ですが・・・

上図以下、△5五角 ▲同角 △同歩(下図)

△5五角 でこの筋を緩和しておきます。

上図以下、▲7三歩成 △同飛 ▲8二角 △4四角(下図)

先手は▲7三歩成 ~ ▲8二角 ともう1つの手段で飛車を狙ってきますが、△4四角 と打てば攻め合いに持ち込めます。

上図以下、▲7七歩 △7六歩(下図)

次の△5六歩 の「角成り」と「と金作り」を受ける▲7七歩 には△7六歩 でこじ開けにいき・・・

上図以下、▲7六同歩 △5六歩 ▲同歩 △7六銀(下図)

△7六銀 と「取られる直前の飛車の利き」を活かして攻め込みます。

上図以下、▲7三角成 △6七銀成(下図)

馬を取らずに△6七銀成 と入れば玉の安定度の違いでやや後手持ちの展開です。

以下、▲6七同金 なら△7三桂 と馬を取ればいいですし・・・

▲9一馬 と逃げれば△7八成銀(下図)と金を取り・・・

▲7八同飛 なら△9九角成 ▲7一飛成 △5七銀 と縛る方針で指せば後手有利です。

なので成銀を取らず▲5五香(下図)と打つのが最善の反撃で互角ですが・・・

▲5二香成 の瞬間に1手の余裕があるのを活かして△6七銀 ~ △6六角(下図)のように包囲する方針で指すのがAIの判断でした。

△6九金 の詰めろなので先手は何かしら受ける必要があり、そこで△5二金 と成香を取ってどうか・・・という感じですね。

▲6五歩 から角交換を狙う変化は

難しいけど正しく指せれば後手が良さそう

という感じなので、怖がらずに攻め合えばギリギリ後手勝ちのようです。


受けの好手△3四歩

局面を戻します。

上図は、手筋の▲7四歩 に△7二飛 と歩を取りに寄った所です。

ここで▲6五歩 と角交換を狙う変化なら難しかった所、本譜は・・・

上図以下、▲1五歩 △同歩 ▲3五歩(下図)

歩の突き捨てから銀の活用を目指してきました。

上図以下、△3五同歩 ▲4六銀 △7四飛 ▲3五銀(下図)

気が付くと先手の銀の方が先に急所に出てきてますが、ここで受けの好手があって後手ペースになります。

上図以下、△3四歩(下図)

あえて銀を角頭へ誘う△3四歩 が攻めを空振らせる好手です。

銀を引けば△7五銀 から攻守が逆転するので・・・

上図以下、▲3四同銀 △5五角(下図)

先手は素直に歩を取るくらいですが、△5五角 と逃げながら飛車を牽制すれば後手ペースです。

上図以下、▲3七歩 △3三歩 ▲4五銀 △7五銀(下図)

△3三歩 で銀を追い返して△7五銀 と出た上図は後手充分ですね。

実戦ではこの形に持ち込む△3四歩 が見えず、△7五銀(下図)と指したので・・・

上図以下、▲2四歩(下図)

先手から先行されるイマイチな展開になりました。


嫌味を作る成り捨て

上図は、先手に玉頭を制圧されながらも反撃にいった所です。

ここから嫌味を作る一手で逆転を狙います。

上図以下、▲8七歩 △7七歩成(下図)

単に銀を引かずに△7七歩成 と指し・・・

上図以下、▲7七同桂 △7五銀(下図)

桂を跳ねさせてから△7五銀 と引いたのが桂頭の弱点を作る嫌味な一手です。

良し悪しは微妙なんですが、本局はこれが功を奏しました。

数手後、△7六歩 と打たれる手を嫌って▲7六歩(下図)と打ってきたので・・・

上図以下、△7六同銀 ▲同銀 △同飛 ▲6七金(下図)

銀交換に持ち込むことができ、ちょっと希望が見えてきた感じがあります。

▲6七金 と受けたのが疑問で、ここで形勢は後手有利(-400点)になっています。


逆転して生じた寄せの手筋

そして迎えたポイントの局面が下図。

▲7五歩 と先手で飛車を止めようとしてきましたが・・・

上図以下、△8四飛(下図)

取らずに横にかわしたのが地味ながら好手でした。

上図以下、▲7八玉(下図)

飛車成りを受けるなら玉を上がるしかないとはいえ、この形では受けになっていなかったようです。

上図以下、△7六歩 ▲同金(下図)

△7六歩 で金を上に誘い・・・

上図以下、△6九銀(下図)

下段に落とす△6九銀 を打てば寄り筋に入ります。

この手があるなら△7六歩 は取らずに▲6五桂 と逃げ、△6四歩 の桂損で済ます方がマシだったかもしれません。

上図以下、▲6九同玉 △8七飛成(下図)

角と金の両取りで後手勝勢です。

長くこのブログを読んできた方なら薄々お察しかもしれませんが、私は実戦でこの△6九銀 を逃しました。

私が打ったのは決め所でミスをする△8九銀(下図)でしたから・・・

これだと角が浮かないので・・・

上図以下、▲8九同玉 △8七飛成 ▲3七飛 △4二玉 ▲6七銀(下図)

▲6七銀 と金を受けられると決めきれません。

勝勢だった形勢が互角に戻ってしまいました。

上図以下、△7八歩(下図)

次に△4六角 ▲同歩 △7九銀 を狙った△7八歩 ですが、▲3八飛 と受けられていたら切れ模様でしたね。

本譜は▲8六歩(下図)と指してきたので・・・

上図以下、△4六角 ▲7八銀 △7六竜(下図)

どうにか金を取れて後手優勢まで戻せました。


実戦では逃した詰み

上図は数手進み、角取りに△8七歩 と打ったら手抜いて▲2三歩成 と攻めてきた所です。

実戦では怖くて受けに回ったんですが、ここで先手玉が詰んでいました。

最後に実戦詰将棋として出題するので、お時間のある方はごゆっくりお楽しみください。

答えは数行下に書きます。










では答えです。

上図以下、△8八歩成 ▲同玉 △8七銀(下図)

シンプルに角を取って銀を打てば詰んでいました。

・▲7九玉
・▲8七同銀

に分かれるのでそれぞれ解説します。


▲7九玉 と逃げた場合

▲7九玉(下図)と逃げた場合は・・・

上図以下、△7八銀成 ▲同玉 △6七銀(下図)

銀を取って△6七銀 と打ち・・・

上図以下、▲8九玉 △7八金 ▲9八玉 △8九角(下図)

ベタベタと駒を打っていけば詰みます。


▲8七同銀 と取ってきた場合

▲8七同銀(下図)と取ってきた場合は・・・

上図以下、△7九角(下図)

この角打ちで詰みます。

▲7九同玉 なら△7七飛成 ▲7八銀打 △6七桂(下図)

と迫り、あとはどこへ逃げても頭金までの詰みです。

なので角は取らずに▲7八玉(下図)と逃げますが・・・

上図以下、△6八金 ▲8九玉 △8七竜(下図)

と迫れば詰みます。

実戦はこの詰みを逃して最終的には下図のような投了図になりました。

ここから▲7九玉(下図)と逃げられた後が読み切れてなく、勝った感のない将棋でしたね。

もし指されていたら△8八金 と打つ予定だったんですが、AIで検討してみたら右へ逃がしてちょっと長引いたようです。

ここでの正着は・・・

上図以下、△3八角成 ▲7六角 △8八金(下図)

竜を見捨てて飛車を取ってから△8八金 と打つ手順でした。

上図以下、▲6八玉 △7八金 ▲同玉 △8八飛(下図)

3八の馬が右辺への逃げを防いでいるのが大きいですね。

上図以下、▲6七玉 △5六銀(下図)

この銀捨てで上部への脱出を塞げば△4九馬 と王手を掛けて詰みです。

この手順は全く読んでなかったので、投了されずに△7九玉 と指されていたら負けていたかもしれません。


最後に

ピヨ幸(三段+)の変則的な雁木の一局から・・・

・受けの好手△3四歩(下図)


・寄せの好手△6九銀(下図)


を紹介してみました。

特に△3四歩 は早繰り銀をやられた時に使えるので覚えておいて損のない一手だと思います。

居飛車の将棋で速攻を狙われた時にお試しください。