今回は「ぴよ将棋w」の
Lv27 ひよ花(三段)
に「先手番 角交換中飛車」で勝った一局を紹介します。
見所は
・王手飛車がある場合の指し方
・ひよね(三段+)と同じミスをしてきた
・▲8三角 から押さえ込みを狙う手順
の3つです。
三段を攻略する一例としてお楽しみください。
- 王手飛車がある場合の指し方
- 飛車先の歩交換への対応
- 無難な進行にしたら「ひよね(三段+)」と同じミスをしてきた
- ▲8三角 で押さえ込む変化
- イマイチな▲8七飛 を指した本譜の進行
- 安全勝ちを狙う終盤
- 最後に
王手飛車がある場合の指し方
先手が「私」、後手が「ひよ花(三段)」です。上図は、初手▲5六歩 に△3四歩 で始まり、角が向かい合った状態で駒組みをしている所です。
本局はここから△8八角成 と角交換され・・・
上図のように後手が矢倉に組む形に進みました。
ここから▲5四歩 と一歩交換にいき・・・
▲5九飛 から中飛車の理想形を目指してる所で△2四銀(下図)と玉のコビンを開けたため・・・
王手飛車を含みにする展開になりました。
上図以下、▲7八金 △5三歩(下図)
局後にAIで検討したら、ここでちょっと面白い一手が示されたので紹介します。
上図以下、▲8六歩(下図)
あえて先手から8筋に手を付ける手が成立していたようです。
上図以下、△8六同歩 ▲同銀(下図)
銀を取れば▲7七角 の王手飛車があります。
上図以下、△3三角 ▲7七銀(下図)
後手は△3三角 などで王手飛車をカバーするくらいですが、▲7七銀 と引いて次の▲8三歩 を見た先手が面白い展開です。
的確に不備を突く▲8六歩 は一瞬も見えてなかったので参考になる手順でした。
飛車先の歩交換への対応
局面を戻します。本譜は玉のコビンが開いたスキを突く▲8六歩 が見えなかったので・・・
上図以下、▲6六銀 △8六歩 ▲同歩 △同飛(下図)
定番の▲6六銀 を指し、飛車先の歩交換をされる展開になりました。
本譜は無難な▲8七歩 を指したんですが、ここで
・▲7五銀
・▲7七銀
という王手飛車を含みにした手で優勢になる手があったのでサラッと紹介します。
最善の▲7五銀
この形では▲7五銀(下図)が強烈な一手になっていました。△7六飛 と横に逃げるのは▲7七歩 △7五飛 ▲6六角(下図)の王手飛車で先手勝勢です。
なので△8二飛(下図)と真っ直ぐ引くのが最善ですが・・・
上図以下、▲8四歩(下図)
シンプルに飛車先を押さえれば先手ペースになります。
この時、△7四歩 と銀を牽制すると▲5五角 の王手飛車があるのが痛いですね。
上図以下、△3三桂 ▲6一角(下図)
コビンをカバーする△3三桂 には▲6一角 で飛車の捕獲を狙います。
上図以下、△9二角 ▲7七桂 △8八歩(下図)
△9二角 で▲8三歩成 を受け、△8八歩 で▲8九飛 を阻止するのが最善の受けですが・・・
上図以下、▲8八同金 △7四歩 ▲6六銀 △8四飛 ▲7八金(下図)
△8四飛 を許して▲7二角成 を狙う方針で指せば・・・
以下、△7一銀 には▲6五桂 で薄くなった5三の地点を攻める手があり、先手有利な展開です。
軽い▲7七銀 もある
△8六同飛 には▲7七銀(下図)と銀を引く手もあります。上図以下、△8二飛 ▲8四歩(下図)
飛車を引いた所で▲8四歩 と垂らすのが「取れば▲6六角 の王手飛車」を狙った軽手です。
上図以下、△6四歩 ▲6八銀 △4四歩 ▲8三角(下図)
以下、▲6六角 を残すために▲6八銀 と引いて▲7七桂 ~ ▲8九飛 を狙い・・・
△4四歩 のように王手飛車を受けたら▲8三角 と飛車を押さえておけば先手ペースになります。
無難な進行にしたら「ひよね(三段+)」と同じミスをしてきた
上図で
・▲7五銀
・▲7七銀
なら明確に先手優勢だった所、本譜は▲8七歩(下図)と指してチャンスを逃しましたが・・・
上図以下、△8五飛 ▲7七桂 △8二飛 ▲8九飛(下図)
無難な飛車先の逆襲を狙ったら・・・
上図以下、△4四歩 ▲8六歩 △7四歩 ▲8五歩 △7三銀(下図)
▲8五歩 に△7三銀 と「ひよね(三段+)」と同じミスをしてきたので・・・
上図以下、▲6五桂(下図)
気持ちいい桂跳ねが決まって先手優勢になりました。
角交換中飛車にした場合は、飛車先の歩交換を誘うのが攻略ポイントになるのかもしれませんね。
▲8三角 で押さえ込む変化
先手の攻めが決まった上図。
上図以下、△6四銀 ▲8四歩 △8七歩(下図)
△8七歩 の反撃が定番の一手ですね。
ここはシンプルに▲8七同飛 △6九角 ▲8九角 でよかったんですが、ひよね(三段+)で検討した時に示された▲8三角(下図)が気になったので試してみました。
次に▲7四角成 ~ ▲8三歩成 が決まれば先手勝勢になります。
上図以下、△8五角(下図)
簡単に▲7四角成 を許さない△8五角 が精一杯の抵抗です。
本譜はこの手への対応を誤って微妙になりました。
悪手は後回しにしてまずは正着から紹介しますね。
上図以下、▲6一角成 △8四飛 ▲6二馬(下図)
ここは▲6一角成 で△8四飛 を許し、▲6二馬 からジワジワいくのが最善だったようです。
上図以下、△8二飛 ▲6三馬(下図)
後手の攻め手を奪えれば先手の勝ちが見えてきます。
上図以下、△6五銀 ▲同銀 △9四角 ▲6四馬(下図)
飛車を牽制すれば受けが難しそうですね。
上図以下、△8四飛 ▲8五歩(下図)
どこへ飛車を逃げても銀と馬が連携して押さえ込めます。
△8四飛 には▲8五歩 が好手で・・・
△8五同飛 なら▲7四銀 でしつこく追えばいいですし・・・
△8五同角 なら▲9五銀 と露骨にいけば先手ペースです。
イマイチな▲8七飛 を指した本譜の進行
本譜は△8五角 に▲6一角成 ではなく▲8七飛(下図)と飛車の働きを優先したため・・・上図以下、△7六角 ▲8六飛 △6五銀(下図)
8筋が重くなって微妙な感じになりました。
評価値は先手有利でも、押さえ込めそうだった展開から動かれたのは気持ち的に辛いですね。
上図以下、▲7七銀(下図)
▲6五同銀 や▲6一角成 の方が評価値は良かった(900前後)んですが、押さえ込みの方針だったので駒の交換を避ける▲7七銀 を選びました。
ここで△8三飛 と指されていたら難しい変化だった所・・・
上図以下、△9四角(下図)
角を逃げてくれたので・・・
上図以下、▲9四同角成 △同歩 ▲8三歩成(下図)
8筋の突破が決まって先手勝勢になりました。
安全勝ちを狙う終盤
上図は、▲7二と と飛車成りを狙った手に△5七桂 と嫌な手を指された所です。
囲いを乱す実戦的な一手ですね。
上図以下、▲5九金 △9三桂 ▲8一飛成 △5六銀 ▲5八歩(下図)
ヘタに攻め合いにすると負けそうだったので▲5八歩 で安全に勝つ道を選びました。
寄せは見所がなかったので投了図(下図)のみ紹介します。
飛車を捕獲して2枚竜で迫った所で「ひよ花」の投了となりました。
以下、△4二金打 と受けても▲3二竜右(下図)と迫れば・・・
上図以下、△3二同金 ▲4五桂(下図)
▲4五桂 からの詰みがあって先手の勝ちです。
上図以下、△4五同歩 ▲4四銀 △2一玉 ▲2一金(下図)
と尻金の形に持っていけば詰みます。
最後に
角交換中飛車で▲6六銀(下図)から理想形を目指し・・・△8六歩 の歩交換を誘うのが「ぴよ将棋w」の攻略になるかもしれないと感じた一局でした。
高確率で△8六歩 を指してくるので、この辺の手順を一通り覚えておけば勝ちパターンが見つかりそうです。
手を絞りやすい角交換中飛車に特化するのはアリかもしれませんね。