今回は「ぴよ将棋w」の
Lv28 ピヨ矢(三段)
に「先手番 ノーマル三間飛車」で挑んだ一局を紹介します。
早々に△8六歩 の突き捨てを指され
「あれ?飛車先の逆襲で楽勝かな?」
と思ったらそうじゃなくて、いきなり劣勢になった所からの逆転が見所です。
同じミスをしないためのヒントとしてお楽しみください。
最短の石田流でのスタート
先手が「私」、後手が「ピヨ矢(三段)」です。本局は、後手が飛車先の歩突きを保留したので最短で石田流に組める形で始まります。(下図)
そして下図のように進み、ここで級位のひよこ相手に楽勝パターンとして勝ってきた一手が指されました。
上図以下、△8六歩(下図)
ひよこ攻略の定番「早めの突き捨て」です。
この形だとちょっと早い気がして
「三段相手に圧勝かな?」
みたいな油断から破滅への道が始まります。
上図以下、▲8六同歩 △3三桂 ▲7七桂 △3二玉 ▲8五歩(下図)
飛車先を逆襲する形を作り
「どうやって受けるんだろ?」
くらいに思っていたら、見落としていた一手から劣勢になりました。
上手い角引き
楽勝と思っていたここから、わずか3手で「あっ」となります。
上図以下、△5二金右 ▲8六飛 △5三角(下図)
「▲8六飛 と回れば▲8四歩 からの歩成りが受からないから勝ちだよね」
と楽観していた所、
「え?受かるよ?」
と言わんばかりの△5三角 でやらかしたことに気付きました。
これ以上ないピッタリな受けで、完全に後手の掌の上で転がされていたみたいです。
ここは▲8六飛 ではなく▲7八金 のようにスキがない駒組みを続ける必要がありました。
ここから後手ペースの中盤戦に突入します。
後手も決め手を逃す
飛車のコビン攻めが受けにくい上図。
▲7六飛 と戻れば互角ではありますが手損になります。
それを嫌った次の一手から傷口を広げる展開になり劣勢が拡大していきました。
上図以下、▲7六銀 △7四歩(下図)
とりあえず△7五角 と出られるのを防いだ▲7六銀 も△7四歩 と突かれれば意味をなさず手がありません。
上図以下、▲5八金左 △7五歩 ▲6五銀(下図)
▲5八金左 では、まだ▲7八金 の方がマシですし、▲6五銀 は明確な悪手で後手に決め手を与えていました。
実戦は後手が見逃してくれたのか甘い手を指してきたんですが・・・
上図以下、△7六歩 ▲同飛 △8六歩(下図)
とされていたら受けがなく終わっていましたね。
本譜は△7六歩 ではなく△7二飛(下図)としてきたので悪あがきができました。
上図以下、▲7四歩 △7六歩 ▲同飛 △8六歩(下図)
先ほどと似ていますが、飛車が7筋にいるのでちょっと無茶が利きます。
上図以下、▲5四銀 △3一角 ▲8四歩(下図)
次に▲8三歩成 を狙えるので後手も微妙に忙しいです。
上図以下、△8七歩成 ▲8三歩成 △7一飛 ▲8二と(下図)
△7一飛 の所で形勢が互角にまで戻っていました。
しかし、▲8二と が疑問でまた後手優勢になっています。
ここでの正着は▲8二と ではなく▲6五桂(下図)と跳ねる手で・・・
上図以下、△8八と ▲7三歩成(下図)
と進めれば先手優勢でした。
確かにこの方が駒が捌けてる感じがあって楽しそうです。
せっかくの逆転を一手で捨ててしまうのは弱すぎて嫌になりますね。
悪いなりに頑張る中終盤
上図は、▲8二と に△5一飛 と逃げられ、追撃とばかりに▲7二と と寄った所です。
実はこの▲7二と も悪手で、もし△8六と(下図)と飛車取りに引かれていたら明確に後手優勢でした。
▲7二と の所でも▲6五桂 と跳ねるのが急務で、飛車を広くしておく必要があったみたいです。
実戦は△8八と(下図)と角を取ってくれたのでまだどうにかなります。
上図以下、▲6五桂 △8五角 ▲9六飛(下図)
これでもピンチですが、タダで取られていた飛車が角と刺し違えになればマシです。
上図以下、△9九と ▲7三歩成 △同桂 ▲同と △9六角 ▲同歩(下図)
7筋の攻めも続きそうですし、角を持てたのでちょっと希望が出てきました。
上図以下、△9七角成 ▲4六桂 △7九飛 ▲6二と(下図)
後手陣を睨む攻め駒が意外とあるので、
「先手陣に手が付く前に後手玉を薄くすればチャンスがある」
みたいな感じで指していました。
上図以下、△6二同金 ▲5三銀打 △5二金上(下図)
△5二金上 が悪手で先手優勢になっています。
上図以下、▲6二銀成 △同金 ▲5三金(下図)
手掛かりはここしかないので、しつこく5三に絡んで反撃のスキを与えないようにしました。
上図以下、△5三同金 ▲同桂成 △同飛 ▲同銀成 △同馬 ▲5一飛(下図)
5三の地点で一気に清算し、▲5一飛 が詰めろで入ったのでどうにかいけそうです。
駒をケチって簡単な詰みに
後手玉を追い込んだ上図。
ここからあっという間の終わりを迎えます。
上図以下、△3一馬 ▲3四桂(下図)
ずっと狙っていた桂跳ねが良いタイミングで入って先手優勢です。
上図以下、△4一金 ▲同飛成 △同馬 ▲9七角(下図)
後手玉をサッパリ裸にしちゃおうと▲9七角 から猛攻を仕掛けます。
上図以下、△7二飛成 ▲4二金 △同馬 ▲同角成 △同竜 ▲同桂成 △同玉(下図)
4二の地点で清算し、先手玉への脅威もなくなったので寄せやすくなりました。
上図以下、▲7二飛 △5二香(下図)
「飛車の王手から合駒をネチネチ攻めていけばいいか」
と思っていたら、△5二香 とケチったので簡単な寄せになりました。
上図以下、▲5一角 △3一玉 ▲5二飛成(下図)
▲5一角 を取れば▲6二金 から押していって詰むので逃げるしかありませんが、▲5二飛成 とされて受けがありません。
ちなみに△5二香 ではなく△5二金 と合駒をした場合は▲6二金 と貼り付けば寄ります。
上図以下、△3六桂 ▲同歩 △1五角 ▲3九玉(下図)
△3六桂 から最後の王手ラッシュです。
上図以下、△4八金 ▲同金寄 △同角成 ▲同金 △6九飛(下図)
上図以下、▲4九香 △2八金 ▲同玉(下図)
ここで「ピヨ矢」の投了となりました。
序盤で大ミスをした時はどうなるかと思いましたが、お互いにミスがあったおかげでどうにか勝ちを拾えてよかったです。
最後に
「ぴよ将棋w」攻略の定番になりつつある「早めの飛車先の突き捨て」
ですが、三段ともなると級位のひよこほど雑ではないので注意が必要ですね。
今回のように△5三角(下図)と引く受けがある場合は注意してください。
私も次からは気を付けないとね・・・