上図は「きのあ将棋」の「郷谷さん(上級-)」との一局で現れた終盤戦です。
実戦は▲3一銀 から詰ましにいき、惜しくも詰まずに負けたんですが・・・
局後の検討では ここで
詰め将棋っぽい好手
から詰みがあることが示されました。
初手がポイントになる13手詰めの手順を考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、▲1四桂(下図)
この桂打ちが「拠点」になりつつ、変化によっては「1四への退路を断つ好手」にもなる詰め将棋らしい一手です。
ここで
・△1二玉
・△1三玉
・△1四同香
に分かれるのでそれぞれ解説します。
△1二玉 と逃げた場合
△1二玉(下図)と逃げた場合は・・・上図以下、▲2二金 △1三玉 ▲2三金 △1四玉(下図)
桂の利きを頼りに▲2二金 と打って後手玉を上へ追いやり・・・
上図以下、▲1五歩 △同玉 ▲1六歩 △1四玉 ▲1五金(下図)
玉頭で先手を取れば▲1五金 までの詰みです。
△1三玉 と逃げた場合
△1三玉(下図)と逃げた場合は・・・上図以下、▲2二銀(下図)
と打てば詰みます。
ここで
・△2四玉
・△1四玉
に分かれるんですが、△2四玉 の詰みは△1四玉 と逃げた時と類似の形で詰むので△1四玉(下図)の変化を解説します。
上図以下、▲1五歩 △同玉 ▲1六歩 △2四玉(下図)
ここで決め手があります。
上図以下、▲3五金(下図)
この金捨てで上部へ馬筋を通すのが詰みに持っていく好手です。
上図以下、△3五同歩 ▲2五歩 △同竜 ▲同馬(下図)
馬筋が通れば2五への利きが多くなるので▲2五同馬 が実現して詰みました。
△1四同香 と桂を取った場合
△1四同香(下図)と桂を取った場合は・・・上図以下、▲3一銀(下図)
1四への退路が塞がったので▲3一銀 の捨て駒から詰みます。
△1二玉 と逃げると▲2二金 △1三玉 ▲2三金 の簡単な詰みなので・・・
・△3一同玉
・△1三玉
に分かれます。
まずは△3一同玉(下図)と銀を取った変化から・・・
上図以下、▲4二金 △2二玉 ▲3二馬 △1二玉(下図)
シンプルに▲4二金 ~ ▲3二馬 と押していけば・・・
上図以下、▲2三馬 △1一玉 ▲1二金(下図)
馬と2四の歩が最高に働く形で詰みます。
なので▲3一銀 には△1三玉(下図)と逃げますが・・・
上図以下、▲1二金 △2四玉 ▲3五金(下図)
これには少し前に見た▲3五金 の好手で詰みます。
上図以下、△3五同歩 ▲2五歩 △同竜 ▲同馬(下図)
▲2五歩 ~ ▲同馬 と上部を押さえ・・・
上図以下、△3三玉 ▲4三飛(下図)
取った飛車を打てば詰みですね。
詰め将棋としての解答は以上です、お疲れ様でした。
ちなみに、私が実戦で指したように初手の▲1四桂 を打たず、単に▲3一銀(下図)と打った場合・・・
△3一同玉 と取ってくれれば詰むんですが・・・
上図以下、△1三玉(下図)
と逃げられると詰みません。
ただ、検討してみると・・・
上図以下、▲2三歩成 △同竜(△同玉 は▲3五桂 から長手数の詰みがある)▲2五金(下図)
と先手玉の詰みを消しておけば先手勝勢(+4000点)らしいので勝ち筋はあったようです。
今回の詰みすら読めない棋力ではこの手順で「凌ぎ勝つ」のは無理とはいえ、冷静に局面を判断するのも大切なのが分かりますね。
問題図の局面で
「詰ますことができなければ負け」
と勝手に思い込み、凌ぐ発想が1ミリもなかった弱さをどうにかしたいです・・・