上図は「きのあ将棋」の「郷谷さん(上級-)」に先手番で挑んだ時の終盤戦です。
実戦は筋悪く迫って長手数の詰みになりましたが、AIで検討したら11手で詰みがあると示されました。
思い切った初手で始まる最短の11手詰めを考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、▲5二竜(下図)
ズバッと竜を切るのが最短で仕留める好手でした。
△4二銀 と合駒した場合は▲4三角成 △2二玉 ▲3一角(下図)と迫り・・・
以下、△1二玉 ▲1三金 までの早詰みなので▲5二竜 は△同金(下図)と取るしかありません。
上図以下、▲4四桂(下図)
そこで桂を打つのが手を繋ぐ好手です。
・△2一玉
・△2二玉
・△4一玉
・△4二玉
が考えられるのでそれぞれ解説します。
最善は△2一玉
まずは正解の11手詰めになる△2一玉(下図)から。何の策もなく2四へ逃がすと捕まりませんが・・・
上図以下、▲3二銀 △1二玉 ▲2二金(下図)
2三への利きがある▲3二銀 を打ち、▲2二金 と捨てれば大丈夫です。
△1三玉 なら▲2三金 までの詰みなので取るしかなく・・・
上図以下、△2二同玉 ▲3一角(下図)
定番の角打ちで上部脱出を阻止すれば・・・
上図以下、△1二玉 ▲1三香(下図)
歩 以外の駒を使い切りピッタリ詰みます。
△2二玉 と逃げた場合
▲4四桂 に△2二玉(下図)と逃げた場合は・・・上図以下、▲3一角(下図)
この角打ちが入るので簡単です。
以下、△1二玉 ▲1三金 △2一玉 ▲2二金 のように1三から好きな駒を打てば詰みます。
△4一玉 と逃げた場合
△4一玉(下図)と広い方へ逃げようとした場合は・・・上図以下、▲3二金 △5一玉 ▲5二桂成(下図)
▲3二金 で右辺を塞いでから金を取れば詰みですね。
上図以下、△5二同玉 ▲6三角成 △6一玉 ▲6二金(下図)
あとは▲6三角成 からどこへ逃げても頭金です。
△4二玉 と逃げた場合
△4二玉(下図)と逃げた場合は・・・上部へ逃げられるので面倒そうですが・・・
上図以下、▲3二金 △5三玉 ▲5二桂成(下図)
最初の迫り方は△4一玉 の時と同じで大丈夫です。
以下、△5二同玉 は▲6三角成 からの詰み・・・
△5四玉 なら▲6三角 △4四玉 ▲5四金(下図)までの詰み・・・
△4四玉(下図)なら・・・
上図以下、▲6二角 △5四玉 ▲5三角成(下図)
までの詰みです。
5五の桂が邪魔で逃げられませんでしたね。
おまけ:実戦で指した詰み
問題図を見た時、
「桂を拠点に迫る」
という記事タイトルから初手に▲4四桂(下図)と打って詰ました人もいますよね?
これも正解です。
一応、補足として簡単に手順を書いておきます。
△4二玉 なら▲3一角 が刺さるので右へ逃げますが・・・
上図以下、△2一玉 ▲4三角成(下図)
この角成りがあって手が続きます。
取ると▲2二金 までの詰みなので逃げるしかありません。
上図以下、△1二玉 ▲5二竜 △同金 ▲1三香(下図)
そこで竜を切って銀を補充し、▲1三香 と捨てれば・・・
以下、△2二玉 なら▲3一角 から・・・
△1三同玉 なら▲2二銀(△2四玉 なら▲3三馬 の詰み)△同玉 ▲3一角 からの詰みです。
実戦は▲1三香 で郷谷さんの投了となりました。
ただ、私が読んでいたのは△1三同玉 に▲2二角(下図)と打つ一手で・・・
これだと意外と手数が掛かるのもあり
「▲3三馬 が王手で入れば詰むよな?」
くらいの感じで完全には読み切れていませんでした。
いつもの「投了に救われたパターン」ですね。
上図以下、△2二同玉 ▲3二桂成 △1二玉 ▲2二金(下図)
予定してたのは上記の手順で・・・
上図以下、△1三玉 ▲2三金 △同玉 ▲3三馬(下図)
AIで検討したら大丈夫でした。
以下、△1三玉 ▲2四銀 △1二玉 ▲2二馬 までの詰みです。
最後に
スパッと詰むのにグダグダしてしまう筋の悪さを反省する意味で出題してみました。とりあえず、質駒を補充してから迫る▲5二竜 や・・・
桂の拠点を頼りに迫る手順は実戦でも使えると思います。
最後の最後、詰ましにいくしかない時の迫り方としてお役立てください。