今回は「きのあ将棋」の「郷谷さん(上級-)」に
62手
で勝てた久しぶりの快勝譜を紹介します。
三間飛車トマホークで穴熊を攻略する一例にどうぞ。
穴熊に組んでも後手有利
先手が「郷谷さん(上級-)」、後手が「私」です。上図は、先手がガッチリと穴熊に囲い、後手はトマホークの攻撃態勢を整えた所です。
後手からの攻めが決まる形になっているのでAIの評価値はすでに後手有利を示していました。
ここから定番の手順で穴熊を攻略します。
上図以下、△9七桂成(下図)
まずは桂を飛び込み・・・
上図以下、▲9七同香 △9六歩 ▲同香 △同香 ▲9七歩(下図)
素直に香も突っ込みます。
上図以下、△9七同香成 ▲同桂 △9六歩(下図)
桂取りに打つ△9六歩 までは定番の手順ですね。
先手は歩切れなので受けにくそうです。
上図以下、▲2四歩(下図)
AIはこの歩突きに△9七歩成 と踏み込む手を最善と示していましたが、本譜は無難に対応しました。
上図以下、△2四同歩 ▲7七角(下図)
郷谷さん定番の角ぶつけには・・・
上図以下、△7七同角成 ▲同銀 △9七歩成(下図)
素直に交換して桂を取れば寄り筋です。
あとは金や銀を取ると△9八金(銀)の詰めろになる弱点を突きながら寄せます。
上図以下、▲6六香 △7六香(下図)
銀に働きかける▲6六香 には△7六香 と打って金駒の入手を狙うのが厳しいですね。
上図では▲5九銀 と引いて受けに飛車筋を通すのが最善ですが、その場合は△7七香成 ▲同金 △8五桂(下図)と露骨に絡めば後手勝勢です。
本譜は▲5九銀 ではなく▲2四飛(下図)と走ってきたので・・・
上図以下、△7七香成 ▲9八歩(下図)
香成りが詰めろで入り明確に後手勝勢です。
▲9八歩 と詰めろを受けた手には2種類の寄せが考えられます。
必至を狙う寄せ
AIは「寄せ問題7」で出題した形になる△7八成香 とシンプルに金を取る手を推奨していましたが、私が指したのは・・・
上図以下、△8八角(下図)
角を打ち込んで「と金」と「成香」を取られる前に形を決める一手でした。
▲8九玉 と逃げるのは△9八と ▲同玉 △9七歩 ▲8九玉 △9八銀 までの詰みなので取るしかありません。
上図以下、▲8八同金上 △同と ▲同金(下図)
△8八同と と成香を残して迫り、それを▲同金 と取り返した上図で1手必至があります。
最後に必至問題として出題するので決め手を考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
必死問題の答え
では答えです。
上図以下、△7六桂(下図)
この桂打ちで必至になります。(△7九銀 でも正解です)
先手の持ち駒に金がないので粘れません。
以下、▲7七金 と成香を取れば△8八金(下図)までの詰みですし・・・
▲8九金(下図)と引いても・・・
上図以下、△8八金 ▲同金 △同桂成(下図)
8八に金か銀を打ち込めば詰みですね。
残された手段は▲9七角(下図)のように金取りを受ける手ですが・・・
上図以下、△8八桂成 ▲同角 △8九金(下図)
桂で角を取って△8九金 と打ち・・・
上図以下、▲8九同玉 △7八金 ▲9九玉 △8八金(下図)
成香を拠点にして△7八金 と打てば優しい詰みですね。
実戦は△7六桂(下図)に受けがないと判断したのか・・・
上図以下、▲5四桂 △同銀 ▲6三香成 △同銀引(下図)
2回の王手の後、郷谷さんの投了となりました。
最後に
久しぶりの快勝譜だったので記事にしてみました。△9七桂成(下図)からの端攻め・・・
1手必至の△7六桂(下図)などは・・・
郷谷さんにトマホークをやった時によく見る手なので覚えておくと勝ちやすくなりますよ。
攻め筋の1つとしてお試しください。