今回は「ピヨ将棋w」の
Lv24 ピヨ斗(二段)
との「相三間飛車」の一局を紹介します。
ほぼ知識0で頑張った相振り飛車の一局を通し、
・序盤の注意点
・終盤の大逆転
を楽しんでもらえたらと思います。
未知の相三間飛車
先手が「私」、後手が「ピヨ斗(二段)」です。初手から、▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △3二飛(下図)
ここまでピヨ斗の居飛車相手にノーマル三間で2局負けてきたリベンジとして
「今度こそやったるわ!」
と居飛車を待ち構えていた所、予想外の△3二飛 で絶望感に襲われました。
相振り飛車は知識がないので完全に自力の将棋になるからです・・・
定跡形で勝てなかった相手に力戦で勝つって無謀だよね。
まぁ角道を止めてしまった以上、居飛車にしても力戦なのは変わらないので三間飛車縛りの攻略通りこちらも飛車を振りました。
上図以下、▲7八飛(下図)
ここから「ギリ二段」を自称する人間が指す自力の駒組みをお楽しみください。
上図以下、△3五歩 ▲3八金 △3六歩 ▲2八銀(下図)
「相振り飛車って相矢倉っぽい感じに近いよな?」
という気がしたので△3六歩 には金・銀の厚みで対抗してみました。
△3七歩成 とくれば▲同銀 で気持ちよく矢倉になるので右辺はまだ大丈夫そうです。
上図以下、△6二玉 ▲7五歩 △3四飛 ▲7六飛(下図)
こちらも攻めの形を作る▲7五歩 と突いた手に対し、さりげなく浮いた△3四飛 が初見だとウッカリしそうな一手です。
この手は次に△8四飛 と回って8七の地点を狙っているので何かしら受けなければいけません。
前にYoutubeで似た筋を見ていたのもあり▲7六飛 と受けて大ミスを避けられました。
上図以下、△3七歩成 ▲同銀 △4二銀 ▲6八銀(下図)
細かい所ですが、▲6八銀 は▲7八銀 と上がった方がよかったみたいです。
後で▲6七銀 と上がれば同じなんですが、銀を上がらない内は8七の地点をカバーした方がメリットがありますから。
この後、▲6八銀 による小さなほころびが祟り、スキがある8七をフォローしながらの駒組みに四苦八苦します。
銀打ちを警戒する駒組み
先手の陣形にまとまりがなくちょっと神経を使う展開になっています。
上図以下、△7二銀 ▲4八玉 △7一玉 ▲5八金(下図)
とりあえず鏡写しの居飛車みたいな駒組みをしました。
上図以下、△8四飛 ▲8六歩 △3四飛(下図)
△8四飛 ~ △3四飛 は一見手損に見えますが、▲8六歩 を突かせてスキを作らせる意味がありました。
ここでボケっと▲1六歩 のような手を指すと、△3七飛成 ▲同金 △8七銀(下図)という手があります。
先ほどチラッと書いた▲6八銀 のスキを突かれていますね。
後手は低い陣形なので飛車を渡しても問題がなく、先手としては食らったら終わりなこの展開だけは避けなければいけません。
ギクシャクした駒組み
後手の狙いをどう受けるかが問われています。
上図以下、▲3六歩 △1四歩 ▲6七銀 △1五歩 ▲9六歩(下図)
革新的な手も浮かばないのでシンプルに▲3六歩 と飛車切りの筋を消しました。
ここからどういう駒組みをすればいいか分からなかったんですが、▲9六歩 は一手パスに近い悪手ですね。
石田流みたいに▲9七角 と使うことを考えていましたが、狙いがボケている気がします。
いいように攻められて敗勢に
イマイチ手が噛み合ってない上図。
ここから後手にガンガン攻められます。
上図以下、△2四歩 ▲7七桂 △3三桂 ▲6五歩(下図)
次に桂跳ねから△3六飛 と歩を取られる手を受けるために▲6五歩 で飛車筋を通しましたが・・・
上図以下、△4五桂 ▲2六銀 △5五角(下図)
少しでも後手の飛車にプレッシャーを掛けようと上がった▲2六銀 が悪く、△5五角 と出られて後手優勢です。
Aperyによると、ここは受けに徹する▲2八銀 の方がよかったみたいです。
上図以下、▲3五歩 △3二飛 ▲3七桂(下図)
▲3五歩 ~ ▲3七桂 は攻めを呼び込むだけの悪手でここからボロボロにされます。
上図以下、△3七同桂成 ▲同金 △2五歩(下図)
上図以下、▲2五同銀 △2二飛 ▲3六銀 △4四桂(下図)
・左辺の駒が全く働いていない先手
・気持ちよく攻めが筋に入っている後手
という最悪の図式になっています。
上図以下、▲3四桂(下図)
どうしようもないので
「もう好きにしてくれ!」
というヤケクソの桂打ちで後手に身をゆだねました・・・
上図以下、△3六桂 ▲同飛 △2四飛 ▲2六歩(下図)
▲2六歩 は△2五銀 と打たれるのを嫌っただけの一手です。
しかし、銀打ちのスキはここだけじゃなく・・・
上図以下、△8七銀(下図)
右も左も侵略されて投了したくなりました・・・
しかし、ここから開き直ったヤケクソの指し回しで形勢がちょっとずつ先手に傾き始めます。
大逆転の終盤へ・・・
先手としてはどうしようもない上図。
ここからメチャクチャに後手に突っかかります。
上図以下、▲5六銀 △3七角成 ▲同玉 △8八銀不成 ▲8五桂(下図)
まずは▲5六銀 で邪魔な5五の角を牽制し、▲8五桂 で無理筋な攻めを狙います。
上図以下、△9九銀不成 ▲7四歩 △4九角(下図)
しかし、後手の攻めの方が早く先手が無理なのは明白です。
上図以下、▲4八金 △2七金 ▲4六玉 △4四香 ▲5五玉(下図)
ヤケクソで打った▲3四桂 が飛車を止めてくれているので微妙に捕まりません。
上図以下、△7六角成 ▲7三歩成(下図)
「詰むなら詰ましてくれ」
と最後の攻めっぽい▲7三歩成 で手を渡します。
上図以下、△7三同桂 ▲4二桂成 △同金 ▲7四桂(下図)
詰めろを掛けて意地を見せた所で覚悟を決めましたが・・・
上図以下、△7七馬 ▲6六角 △5四歩 ▲同玉(下図)
ここが後手にとって大きな分岐点でした。
・△4七香成 の開き王手には▲3四歩 で受かる
・△6六馬 は▲8二銀 で詰み
なので意外と先手玉がしぶといみたいです。
局後の検討では△6二桂 の王手・桂取りから要の▲7四桂 を消し、詰めろを解消すれば後手の勝ちだったと示されていました。
ここでピヨ斗が指した一手から先手の逆転劇が始まります。
なぜか生き残った
ここでピヨ斗のミスが出ます。
上図以下、△5三歩 ▲5五玉 △6六馬(下図)
玉を下に逃がす△6六馬 で先手玉がだいぶ安全になりました。
後手になにか誤算があったんでしょうか・・・
上図以下、▲6六同玉 △8二桂 ▲同桂成 △同玉 ▲7四桂 △9二玉(下図)
横に進む駒があれば詰む所、角と銀だけなので意外と難しいです。
とりあえず先手玉は安全なので必死に追い込めば勝てそうです。
上図以下、▲9三桂成 △同玉 ▲8二角 △8四玉 ▲7五銀(下図)
「▲8二銀 と縛れば勝ちかな?」
と思ったんですが、
「△8四角 とか打たれると怖い?」
みたいな怯えが出て自玉の上部を固めつつ寄せる手順を選びました。
上図以下、△9四玉 ▲9一角成(下図)
1枚足りませんが▲9一角成 と香を補充した手が詰めろになるのでいけると思っていました。
上図以下、△8八角 ▲7七歩 △5四桂 ▲6七玉 △9五歩(下図)
△5四桂 には▲6七玉 ではなく▲7六玉 と後手玉にプレッシャーを掛けた方がよかったみたいです。
▲9五香 をシンプルに防ぐ△9五歩 が意外とヤッカイでヘタすると入玉されそうになっています。
上図以下、▲8二桂成 △2六金 ▲3九飛 △9六歩 ▲7二成桂(下図)
▲8二桂成 ではなく▲9八香 と打った方がよかったみたいです。
ただ、本譜でもどうにかなりました。
上図以下、△7二同金 ▲9五歩(下図)
ここで「ピヨ斗」の投了となりました。
上図以下、△9五同玉 ▲7三馬 △同金 ▲8七桂(下図)
上図以下、△9四玉 ▲9五香(下図)
までの詰みです。
桂馬が王手で拾えるのが大きかったですね。
最後に
序盤から中盤にかけてメチャクチャにやられましたが、終盤の謎の緩みから勝てました。あきらめずにヤケクソの一手から頑張って良かったです。
攻略法としては成立しない一局だったので、もう少しまともな手順で勝ちたいですね。