上図は、左美濃 vs ノーマル三間飛車 の終盤戦です。
劣勢の中盤から諦めモードで指し続け、ヤケクソの攻めで先手玉を危険な形に持ち込んだ所ですね。
もう受けもないから詰ましにいき、いつも通り詰み逃して負けたのが実戦の進行です。
しかし、AIで検討したら
「29手詰め」で後手の勝ち
と示され、勝てる将棋を逃していたことが分かりました。
気持ち的には敗勢だったのに、実は数手前から後手勝勢になっていたギャップに驚きましたよ。
ここから盤上の駒もしっかり活躍させ、キッチリ先手玉を詰ます逆転の手順を考えてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
では答えです。
上図以下、△９五香 ▲同銀 △９五金（下図）
まずは端から迫ります。
△９七玉 なら▲９六飛 までの詰みなので取るしかありません。
上図以下、▲９五同玉 △８四銀（下図）
そこで銀を打つのが正確な一手でした。
▲９四玉 なら△９五飛 までの詰み・・・
▲９六玉 なら△９五金 ▲９七玉 △９六飛 までの詰みなので８六へ逃げますが・・・
上図以下、▲８六玉 △８五銀（下図）
桂を取れば手が続きます。
▲７五玉 なら△７四金 までの詰み・・・
▲９七玉 なら△９六飛 までの詰み・・・
▲８五同玉 なら△８四飛（下図）と打ち・・・
▲７五玉 なら△７四金 までの詰み・・・
▲９五玉 なら△８五金 までの詰み・・・
▲９六玉 なら△８五金 ▲９七玉 △９四飛（下図）までの詰みです。
いずれも早詰みなので△８五銀 には▲７七玉（下図）と逃げるのが最善です。
これには盤上の銀を活用し・・・
上図以下、△６八銀不成 ▲８八玉 △７七金（下図）
８八へ送ってから△７七金 と迫ります。
▲８九玉 なら△８八飛 までの詰み・・・
▲９七玉 なら△９六飛 までの詰み・・・
▲９八玉 なら△９七歩 ▲同玉 △９六飛 までの詰みなので取るしかありません。
上図以下、▲７七同銀 △同銀成 ▲同玉 △６七香成（下図）
７七で清算してから香を成り捨てるのが好手です。
▲８八玉 なら△７八飛 ▲９七玉 △９六銀打 までの詰みなので取るしかなく・・・
上図以下、△５七飛（下図）
そこで飛車を打てば狭い方へ追い込む詰み形が見えてきました。
▲６六玉 なら△７七銀 ▲７五玉 △７四銀 までの詰みなので７八へ逃げますが・・・
上図以下、▲７八玉 △６六桂（下図）
桂打ちから詰みます。
▲７九玉 なら△７七飛成 ▲８九玉 △７八竜 までの詰み・・・
▲８九玉 なら△８七飛成 ▲８八香 △７八桂成 までの早詰みなので、最善の逃げ場所は８八になります。
上図以下、▲８八玉 △７七銀（下図）
これには銀を打てばキレイに手が繋がります。
▲７九玉 なら△７八桂成 までの詰み・・・
▲８九玉 なら△７八銀不成 ▲９八玉 △８七飛成 までの詰み・・・
▲９七玉 の変化は▲９八玉（下図）と被るので・・・
最善の▲９八玉 のみ解説します。
上図以下、△９七歩 ▲同玉 △８六銀引成（下図）
叩いて上部へ誘い△８六銀引成 と迫れば、飛車の利きが通るので取れず・・・
上図以下、▲８八玉 △８七成銀 ▲７九玉 △７八成銀（下図）
下へ逃げた玉を成銀で押していけば正解の29手詰めです。
お疲れ様でした。
最後に
答えを見ればそこまで難しい迫り方ではなかったものの、所々で少し考える詰み形もあって読み切るのは無理でした。
詰み逃しの負けは実力不足なだけだから受け止めるしかないけれど・・・
いくらなんでも29手詰めは酷だわ・・・
逆転勝ちをするってのは簡単じゃないですね・・・
