この記事では、きのあ将棋の「クッキー」を
先手番 ゴキゲン中飛車
で攻略する手順を紹介します。
基本的には以前紹介した下記リンクの後手番の手順と同じです。
先手番でやってみたら上記2つとはちょっと違う反撃をしてきたので、初心者に役立つ情報として提供したいと思います。
3手目に▲1六歩 で様子を見る
先手が「私」、後手が「クッキー」です。初手から、▲7六歩 △3四歩 ▲1六歩(下図)
先手番で「ゴキゲン中飛車」をやる場合は▲1六歩 と様子を見るのがポイントです。
▲1六歩 の所で▲5六歩 と突いてしまうと角交換から△5七角(下図)と打たれて馬を作られてしまうので注意してください。
△8四歩 を見てから▲5六歩 を突く
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yasu200/20220419/20220419094119.png)
▲1六歩 と後手の応手を待った上図。
クッキーは居飛車が多いので次の手を指してくることが多いです。
上図以下、△8四歩(下図)
この手を見たらゴキゲン中飛車にいきましょう。
上図以下、▲5六歩(下図)
先ほどと同じように見えますが、今度は角交換から△5七角(下図)と打ち込まれても・・・
△8四歩 と突いた歩が邪魔をして△8四角成 とできない欠点をついて・・・
上図以下、▲6八角(下図)
2筋方面への角成りを防ぐ▲6八角 と打ち返せば馬を作られることはありません。
以下、△6八同角成 と取るしかなく、▲同銀 と取れば先手が一方的に手得できます。
序盤の基本として定跡書でも最初に触れられている変化なので、知らなかった方はここで覚えておきましょう。
いきなり飛車先の歩交換にくるクセを利用する
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yasu200/20220419/20220419094251.png)
先手が5筋の歩を突いて中飛車を宣言した上図。
角交換から△5七角 で馬を作るのは無理なので普通に進みます。
上図以下、△8五歩 ▲5八飛(下図)
これでゴキゲン中飛車にできました。
本来ならここから色々と難しい駒組みが続くんですが、クッキーは明確な悪手を指してくる傾向があります。
上図以下、△8六歩(下図)
弱い角頭を狙う一手ですが、角が向かい合っている形では危険な一手です。
上図以下、▲8六同歩 △同飛(下図)
普通に歩を取って飛車を8六の地点に呼び、狙いの手順で先手を優勢に持っていきます。
上図以下、▲2二角成 △同銀 ▲7七角(下図)
角交換から▲7七角 と打てば 飛車・銀 の両取りで先手優勢です。
ここから
・△8九飛成 と攻め合いにくる手
・△8二飛 と銀取りを受ける手
の2通りに分かれますが、基本的な指し方は最初に紹介した後手番での攻略手順と同じです。
△8九飛成 への手順はこちら ↓
【きのあ将棋】後手番でクッキーを攻略!「ゴキゲン中飛車で圧倒しよう」 - ダメ人間ブログ【ニートの愚痴と将棋の記録】
△8二飛 への手順はこちら ↓
【きのあ将棋】クッキーを「後手番ゴキゲン中飛車」で攻略! ▲2八飛と引いた場合の指し方 - ダメ人間ブログ【ニートの愚痴と将棋の記録】
本譜では△8二飛(下図)と進み、そこから上記リンクとはちょっと違う手を指してきたので、勝ち切るまでの一例として紹介します。
8筋から後手陣を攻略する
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yasu200/20220419/20220419094659.png)
銀取りを受けて飛車を引いた上図。
ここから定番の手で優勢を確実にします。
上図以下、▲8四歩(下図)
次に▲8三歩成 から飛車を縦に誘って▲2二角成 の銀取りを狙う一手です。
△8四同飛 と取れば▲2二角成 と銀を取られるので対処が難しい歩ですね。
上図以下、△3二金 ▲8八飛(下図)
銀取りを受けた△3二金 に▲8八飛 と回って飛車先の突破を狙います。
のびのびとして気持ちいい手ですよね。
上図以下、△7二銀 ▲2二角成(下図)
歩成りを受けた△7二銀 にズバッと角を切って銀を取るのが決め手です。
上図以下、△2二同金 ▲8三銀(下図)
飛車の頭に銀を打ち込めば8筋の突破が受からず先手優勢です。
ここで打ち切ってもいいんですが、今回はちょっとドキッとする反撃をされたのでAperyで検討した受け方を紹介します。
△9五角 の王手には▲5八玉 とかわす
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yasu200/20220419/20220419094844.png)
飛車先の突破が約束されて先手優勢の上図。
ここで惑わしの一手を食らいました。
上図以下、△9五角(下図)
王手で角を打ち、8筋の受けに利かせるドキッとする一手です。
私は▲6八銀 と受けたんですが、局後の検討でAperyは次の一手を推奨していました。
上図以下、▲5八玉(下図)
角を完全に空振らせる玉上がりです。
▲6八銀 と比べると
・有効な王手が掛からない
・質駒もない
という利点があり、完全に角打ちをトガめにいってますね。
上図以下、△8七歩 ▲同飛 △8三銀(下図)
このまま完封されたら終わりなので、どうにか先手の飛車を抑えようと後手も動いてきます。
上図以下、▲8三同歩成 △8六銀(下図)
先手の飛車を強引に抑えましたが、これは無理筋でした。
上図以下、▲8六同飛 △同角 ▲8二と(下図)
うっかり▲8八飛 と逃げると△8三飛 で後手が面白くなりますが、シンプルに銀を取ってから飛車を取り返せば先手勝勢です。
詰みまでの手順
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yasu200/20220419/20220419095016.png)
局面がサッパリして先手勝勢になった上図。
ここから詰みまでの手順を紹介します。
上図以下、△4二玉 ▲9一と △5二金 ▲8二飛(下図)
意外と先手陣はスキがないので安心して攻めにいけますね。
角取りと玉を睨む▲8二飛 で分かりやすく寄せていきます。
上図以下、△6四角 ▲6一銀(下図)
飛車筋が玉に通っていて動けない5二の金を狙う▲6一銀 がシンプルながら強烈です。
上図以下、△3二金 ▲5二銀成 △3三玉 ▲8一飛成(下図)
先手は慌てる必要がないのでゆっくり迫ればOKです。
上図以下、△2二玉 ▲4二金 △3三角(下図)
ここで後手玉に比較的簡単な詰みがあります。
実戦詰将棋として出題するのでお時間のある方は解いてみてください。
答えは数行下の見出しで書きます。
実戦詰将棋の答え
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yasu200/20220419/20220419095116.png)
では答えです。
上図以下、▲3二金 △同玉 ▲4一竜(下図)
で詰みます。
上図以下、△2二玉 ▲3二金 △1二玉 ▲2一竜(下図)
までの詰みです。
△3三角 の利きに触れない迫り方がポイントですね。
最後に
先手番で「ゴキゲン中飛車」をやる場合は、3手目に▲1六歩(下図)と様子を見てください。後手が△8四歩 と突いてくれば角交換から△5七角 を打たれても大丈夫になるので▲5六歩(下図)から「ゴキゲン中飛車」にいけます。
あとは定番の定跡通りに進めればOKです。
前に紹介した
の方が明快ですが、
「角交換から△4五角 と打たれる変化が不安でやりにくい・・・」
という人は、そこまで序盤に紛れがない「ゴキゲン中飛車」をお試しください。
▲1六歩 で玉が広くなっている分、後手番より勝ちやすいと思いますよ。
定番のミスをしてくるクッキーをしっかり倒して優勢から勝勢へ持っていく感覚を掴んでください。