きのあ将棋の「郷谷さん(上級)」に勝てない・・・
どうすれば勝てるようになるのか・・・
何か効果的な戦法や指し方を知りたい・・・
といった悩みを抱えた方はいませんか?
この記事ではそんな方に向けて
「郷谷さん(上級)」の1つの攻略法
を紹介します。
日々、「郷谷さん(上級)」と対局していたら
「郷谷さん(上級)」には「阪田流向かい飛車」が意外と有効
というのに気付いたので、実戦を元にまとめた一連の攻略手順を「5つのポイント」に分けて解説します。
この記事をキッカケに「郷谷さん(上級)」に勝つ流れの感覚を掴んでもらえたら幸いです。
- ポイント1「郷谷さん(上級)」には「阪田流向かい飛車」が有効
- ポイント2 玉の囲いは「早囲い」にする
- ポイント3 △5一金で角打ちのスキを消す
- ポイント4 1筋を突き越す
- ポイント5 強引な桂跳ねで金を進出する
- △3七角 を受けて飛車を引く▲2九飛 への指し方
- すぐに角で飛車を牽制してくる▲5五角 への対処法
- 美濃囲いではなく早囲いにする理由
- 「阪田流向かい飛車」で郷谷さん(上級)を攻略する5つのポイント まとめ
- 最後に
- ~ 追記 ~ 後日、「阪田流向かい飛車」でもう少し簡単に攻略できる手順を発見しました
ポイント1「郷谷さん(上級)」には「阪田流向かい飛車」が有効
この記事は後手番で「阪田流向かい飛車」を使って「郷谷さん(上級)」を攻略する記事になります。もし先手番だったとしても端歩を突いたりしてだいたいの形を合わせれば使えなくもないですから。
初手から解説するので一連の流れを掴んで実戦に活かしてください。
では、いきます。
改めて、先手が「郷谷さん」、後手が「あなた」です。
初手から、▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △3二金(下図)
今回の攻略は「阪田流向かい飛車」を使うので郷谷さんが居飛車できた場合に有効になります。
ちょっと変な△3二金 ですが「阪田流向かい飛車」を目指すなら必要な一手です。
上図以下、▲2五歩 △3三角(下図)
△3二金 と指すと郷谷さんは高確率で▲2五歩 と飛車先の歩を伸ばしてきます。
それを受ける△3三角 がちょっと将棋を覚えてきた人なら悪形になるから指しにくいかもしれませんが、阪田流向かい飛車にするなら大切な一手になります。
上図以下、▲3三角成 △同金(下図)
△3三角 には8割くらい角交換をしてくるので▲同金 と金で取ってください。
これで「阪田流向かい飛車」の準備ができました。
もし角交換をしてこない場合は、こちらから△8八角成 と角交換をして△3三金 と上がるのもなくはないです。
ただ、手損になるのであまり無理はせず△4二銀 と上がって普通に「雁木」や「角換わり」模様に進める方が自然かもしれません。
そうなった場合は定跡形の相居飛車の将棋になるので「雁木」や「角換わり」を学んでおくと問題なく指せると思います。
基本から学ぶなら下記リンクの本がオススメです。
では話を戻します。
上図は▲3三角成 を△同金 と取った局面です。
ここから最初のポイントとなる「阪田流向かい飛車」へ向かいます。
上図以下、▲8八銀 △2二飛(下図)
この強引に見える向かい飛車の形が「阪田流向かい飛車」です。
金を使った厚い攻めで郷谷さんの飛車先を攻略します。
ポイント2 玉の囲いは「早囲い」にする
「阪田流向かい飛車」にした上図。
すぐに仕掛けるのは危険なので、まずは玉を囲っていきます。
上図以下、▲3八銀 △4二銀 ▲6八玉 △6二玉(下図)
銀には銀、玉には玉 という感じで合わせて動きます。
上図以下、▲7八玉 △7二玉 ▲3六歩 △6二銀(下図)
ここで2つ目のポイントです。
玉の囲いは振り飛車なら定番の美濃囲いではなく「早囲い」にします。
上図の△6二銀 がその早囲いですね。
名前の通り「早く囲える利点」があります。
なぜ早囲いにするのかというと、郷谷さんを攻略する強引な攻めを成立させるためにこの方が都合がいいからです。
あとで理由を説明するので、ここでは
「玉の囲いは早囲いにする」
というのだけ覚えておいてください。
ポイント3 △5一金で角打ちのスキを消す
早囲いにしたら3つ目のポイントがすぐにきます。
上図以下、▲7七銀 △5一金(下図)
△5一金 と指して4一に角を打たれるスキを消すのが郷谷さん攻略のポイントになる一手です。
この手を指さないとちょっとヤッカイや変化が生まれるので事前に消しておく方が無難ですから。
何がヤッカイなのかは下記リンクの記事で書いているのでそちらを参照してください。
ポイント4 1筋を突き越す
△5一金 で角打ちのスキを消したら次のポイントがすぐにきます。
上図以下、▲4六歩 △1四歩 ▲4七銀 △1五歩(下図)
すかさず端を突き越す△1五歩 が4つ目のポイントになる一手です。
この手を指さずに仕掛けると後の変化で▲1六桂(下図)という反撃が生じるため、それを消した意味があります。
▲1六桂 を食らっても正確に指せば後手が悪くないんですが、余計な変化は消しておいた方が無難です。
どういう流れで▲1六桂 を食らうのかは下記リンクの記事の後半を参照してください。
ポイント5 強引な桂跳ねで金を進出する
端を突き越して後の▲1六桂 を消せば準備完了です。
ここから仕掛けていきます。
上図以下、▲5八金右 △2四歩(下図)
端を突き越すと▲5八金右 と指すことが多いです。
そうなったら普通に△2四歩 から仕掛けます。
上図以下、▲2四同歩 △同金 ▲3七桂(下図)
△2四同金 と飛車先に金を進出し、阪田流向かい飛車の厚い攻めが始まります。
先手はこのままグイグイ金を進出されたら終わりなので、2五への進出を防ぐ▲3七桂 と跳ねてくることが多いです。
ここで郷谷さん攻略としてのみ有効な強引な一手があります。
上図以下、△3三桂(下図)
「桂馬には桂馬」
と桂を跳ね、次に△2五桂 の桂交換から金の進出を狙うのが5つ目の攻略ポイントになる一手です。
AI的には評価がイマイチな一手ですが、郷谷さんに対しては有効です。
上図以下、▲7九金 △2五桂(下図)
△3三桂 に対して郷谷さんは▲8八玉 や▲7九金 と玉の囲いを一手進めることが多いです。
それには狙い通り△2五桂 と跳ねます。
上図以下、▲2五同桂 △同金(下図)
強引に金を進出し、このまま押していければ後手優勢です。
しかし、そう簡単にはいきません。
ここからいくつか反撃が分岐するのでそれぞれの対処法を紹介しますね。
補足:△3三桂 に▲3八銀 と引いた場合の指し方
△3三桂 と跳ねた時に▲3八銀(下図)と引くパターンもありました。もしこう指されたら下記リンクの手順を参照してください。
△3七角 を受けて飛車を引く▲2九飛 への指し方
強引な桂交換から金を進出した上図。
次に後手から△3七角 ~ △2七歩 のような手を食らうと辛いので、それをかわす飛車を引く手が考えられます。
上図以下、▲2九飛(下図)
この手を指されたらシンプルに金を進出する△2六金(下図)がオススメです。
ここから先の指し方はいくつか分岐するので、詳しくは下記リンクの記事を参照してください。
▲9六歩 とぬるく指してきた場合・・・
▲6六角 と飛車を牽制してきた場合・・・
▲6六角 △4四角 の角交換から▲4五歩 と突いてきた場合・・・
すぐに角で飛車を牽制してくる▲5五角 への対処法
強引な桂交換から金を進出した上図。
ここで▲2九飛 と引かず、いきなり角で飛車を牽制してくる反撃もあります。
上図以下、▲5五角(下図)
先ほどまでと先手の玉形がちょっと違いますがそんなに影響はないのでご容赦ください。
この角による直接的な飛車の牽制も対応を間違えると大変なのでしっかり受ける必要があります。
上図以下、△4四角 ▲同角 △同歩 ▲6六角(下図)
角交換から再度打たれる▲6六角 までは1つの流れですね。
ここからは角筋を相手にしない飛車をかわす手が最善になります。
詳しくは下記リンクの記事で書いているのでそちらを参照してください。
美濃囲いではなく早囲いにする理由
今回の攻略では美濃囲いではなく「早囲い」を採用していますが、なぜ早囲いなのかを説明します。実は現代の定跡的には美濃囲いの方が優秀と言われています。
やっぱり玉の固さは大切な要素になりますからね。
しかし、今回の郷谷さん攻略の手順に使う強引な桂跳ねからの攻めをする場合、美濃囲いには致命的な弱点があるので使えないんです。
その弱点が何かというと
「玉の位置が悪いため王手飛車を食らう」
というものです。
実例を紹介します。
上図は美濃囲いにして今回の攻略と同じ△3三桂 ~ △2五桂 の強引な桂交換から金の進出をした所です。
「早囲いより玉が固いから楽勝かな?」
と思った所で思わぬ反撃の一手がありました。
上図以下、▲7四桂(下図)
美濃囲いの弱点を突く桂打ちです。
この桂を取れば▲5五角 という本で見るようなキレイな王手飛車で終わりですね。
取らずに玉を逃げてもすでに後手が大ピンチでどうしようもありません。
郷谷さんとの実戦では▲7四桂 ではなく▲7九金 と指してきたので助かったんですが、局後の検討でAIがこの手を示した時はビックリしましたね。
この反撃があるから美濃囲いを使わず早囲いにしています。
詳しくは下記リンクの記事で書いているのでそちらを参照してください。
ただ、将棋の本質的には強引な桂跳ねが無理筋なだけで、美濃囲いに囲って金で2筋をジワジワと押していくような将棋が本筋になります。
郷谷さんに勝つだけじゃなく筋のいい将棋を求めるなら現代の定跡を学んでしっかりした形を覚えてください。
「阪田流向かい飛車」で郷谷さん(上級)を攻略する5つのポイント まとめ
ここまで書いてきた手順でだいたいのパターンは攻略できていると思います。おさらいとして5つのポイントをまとめますね。
ポイント1「阪田流向かい飛車にする」
まずは阪田流向かい飛車に組みます。
ポイント2「早囲いに囲う」
玉の囲いは「早囲い」にします。
ポイント3「△5一金で▲4一角のスキを消す」
△5一金 でヤッカイな角打ちのスキを消してください。
ポイント4「1筋を突き越して▲1六桂の反撃を消す」
端歩を突き越して反撃のスキを消してください。
ポイント5「強引な桂跳ねで飛車先に金を進出する」
強引な桂交換から金を進出して飛車先の圧迫をしてください。
これら5つのポイントを頭に入れて、駒組みから仕掛けまで進めれば勝ちパターンに入れると思います。
最後に
きのあ将棋の「郷谷さん(上級)」を「阪田流向かい飛車」で攻略する手順をまとめてみました。1、阪田流向かい飛車にする
2、早囲いに囲う
3、△5一金で角打ちのスキを消す
4、1筋を突き越して▲1六桂の反撃を消す
5、強引な桂跳ねで飛車先に金を進出する
色々試してきて辿り着いたこの5つのポイントの通りに指せばけっこう同じ形に持ち込めます。
そうなれば「郷谷さん(上級)」の攻略は目の前です。
「郷谷さん(上級)」にコレといった勝ちパターンがない方は、ちょっと試しに「阪田流向かい飛車」をやってみてください。
もし記事の形と近い局面になったらけっこう簡単に優勢を築けると思いますよ。
さっそく「郷谷さん(上級)」に試したくなった方は下記リンクからどうぞ。
~ 追記 ~ 後日、「阪田流向かい飛車」でもう少し簡単に攻略できる手順を発見しました
「阪田流向かい飛車」での実戦を重ねた結果、ハメ手風の手順で簡単に「郷谷さん(上級)」を攻略できるパターンを発見しました。詳しくは下記リンクの記事を参照してください。